●第121回
先週のドル円は、前半はドバイショックへの懸念やギリシャ国債の格下げなどをキッカケに円買いが進み、中盤からは下げ止まって後半に向け米指標の強い結果を受け上昇を伺う展開となりました。しかし、週末の戻りも90円の壁の厚さに89.165円で引けており、週足で見れば長い下ヒゲ陰線となりました。今週の相場の注目点は、①ドバイ政府系持ち株会社のリスク、②超低金利政策を巡るFOMC声明、③欧州新興国のソブリンリスクなどが挙げられます。特に12/16予定のFOMC政策金利発表後の声明には注目が集まります。11月雇用統計や最近の指標が予想より強かったことから出口戦略についての言及期待が高まる一方で、バーナンキFRB議長は先日の講演で「楽観視はしていない」とドル安容認の構えを見せたことから、今週はFOMCの声明がどうなるかが焦点となります。米低金利の長期化観測が強まれば、ドル円は下落圧力が強まる可能性があります。さらに週末の日銀政策金利発表と総裁会見にも、先日緊急の金融政策決定会合で量的緩和を拡大したことから注意が必要です。
先週のポンド円は、ドル円同様に週前半はドバイショックやギリシャ国債の格下げなどで円買いが進んだため売り優勢となりました。週初の高値から12/9の安値までの下げ幅は約7円近くにも及び、リスク回避の円買いが優勢となる局面では、ポンドが強く売られる傾向が目立ちました。これは、英国の出口戦略の遅れに、ムーディーズによる英財政赤字に対する格下げ懸念、ドバイへの出資が大きい英金融機関の焦げ付き懸念、ギリシャ、スペインの格下げ報道などで円買い・欧州通貨売りが重なったためと思われます。週後半に戻したといっても、週足では雲の下限を維持できずに割り込んで引けており、週明けの12/14の午前は143.500円を割り込む動きとなっています。今週の英国では、12/15の「英消費者物価指数」、12/16の「英雇用統計」、12/17の「英11月小売売上高」などが注目されますが、これらの材料が弱い結果となれば当然売り込まれ、強い結果となっても、FOMCの声明の内容、ドバイ問題の進展次第では、戻りは売り圧力が強まる可能性が高いと思われます。テクニカル面では、先週安値の142円割れを目指す動きが強まりそうです。
前週の豪ドル円は、米雇用統計の大幅改善を受けた買い戻しで日足の雲上限を上抜け82.754円で引けましたが、先週前半は、クロス円全般でドバイ問題やギリシャ格下げ報道などで円買いが進んだために、豪ドル円も79.194円と80円を割れる場面がありました。しかし、注目の「豪11月雇用統計」が強い結果となったことで2月の追加利上げ期待の高まりから、円売り基調となった週後半には81.955円の高値まで戻して81.333円で引けています。週足で見ると81.600円水準にある雲上限を維持できず、長い下ヒゲ陰線となっています。この戻りの鈍さには、ドル円の90円台の売り圧力もありますが、ドル安を背景に高値を更新してきた金相場の上昇力が、ドル安修正の強まりから弱まってきていることも挙げられます。今週の豪州は、12/15の「豪・RBA政策会合議事録」と12/16の「豪GDP」が注目となります。好感される内容となれば、2月の追加利上げ期待が高まり上値を伸ばす可能性がありますが、追加利上げ期待に水を差す内容となれば、失望売りが強まり先週安値の80円割れに向かう可能性も併せもっています。また、FOMCや日銀の声明の内容次第で対ドル、対円で大きく振れる可能性もあります。
柴田罫線での中長期トレンド分析
(指標)ドル/円 中長期トレンド分析の中での短期分析
前週末(12/4)にザラ場で90.777円まであって終値90.46円の円安となりましたが、先週の分析ではさらに大きくドルの上昇とはなりにくいものの日足の上値抵抗ラインまであるとすれば92円の手前(91円台)までは多少もみあったあと91円ぐらいまではあるかもしれないとしました。
しかし、12/7(月)に90.357円をつけたあと急激な円安に対する反動から円高へとブレてドバイ問題の再燃やギリシャの格付けの引き下げ、FRBの超低金利政策の長期化観測からのドル売りで12/9(水)には87.352円まであって終値は87.873円のドル安・円高となりました。週末(12/11)は11月小売売上高の好調さから早期の金融引き締め観測が台頭し89.165円のドル高・円安となっています。チャートでみると12/4の90.777円の高値は8/7の97.756円からの下降トレンドの上値斜線にアタマを押さえられて12/9の87.352円までのドル売り、円高となっており、まだ円安日柄が続くことから再度ドルの戻りを試すところとなって週末は89.786円まであって89.165円となっています。戻しては90円台ぐらいのもので目先は87円~90円台のもみあいとなりそうです。月末にかけては、このボックスを下放れてドル安・円高となる可能性があります。

(指標)英ポンド/円 中長期トレンド分析の中での短期分析
先週の分析では、下降トレンド(B)の中で、9/28の139.694円、11/27の139.234円とダブル底となっており、当面140円~150円のボックス相場となるとしました。前週末(12/4)の148.936円をポンドの目先のピークに12/7(月)は147.156円でしたが12/8(火)はドバイ問題が再燃し、英国の格付け引き下げ懸念が広がり、ギリシャ格付けが引き下げられたことで一時143.575円までポンドが売られ12/9(水)は一段安の141.952円からいったん反発し、12/11(金)は145.662円まであって終値は150.001円となっています。想定通り140円~150円のボックス相場となりました。まだ当面はこの動きが続きそうですが、このボックス相場の中でポンドの上値が重くなっておりいずれポンドの下放れという形になっていく可能性が高いといえます。

(指標)豪ドル/円 中長期トレンド分析の中での短期分析
今年の2/2の55.495円の安値からの上昇トレンド(A)の中で10/23に85.301円の高値をつけ、この高値圏でもみあって11/27に76.50円といったん上昇トレンド(A)下に切りました。しかし、いったん反発となって前週末(12/4)は82.757円となりました。チャート上は戻りを試しても最大で83.613円までとしましたが、先週は12/7(月)の82.758円を高値に80円をはさんだもみあいとなりました。今週も同じような動きが続くことになりましたが、ドル/円では円安日柄がもうしばらく続きそうなので豪ドルが強含みで推移しそうです。80円~83円の動きで79円を切るようですと売法則がでて豪ドルの下放れの形となってきます。

(指標)日経平均のトレンド分析
12/10(木)の下げで、11/27の9076円から12/7の10204円までの上昇幅の1/3押し水準まで下げ、予想以上の早い下げのため為替の円高以外に追加の景気対策を促進する動きもあるかもしれないとしましたが、為替が89円近辺を受けて12/11(金)は△245円の10107円の大幅反発となりました。ということは12/8(火)の緊急経済対策はまだ完全に織り込んでいないということになりますので、追加の景気対策を促進する相場はまだあとのことになります。この柴田罫線の形ですと12/9の10204円をぬけるとまずは10362円、さらに10500円台を試す動きとなります。逆に終値引線で9842円(確実には12/10の9834円)を切って引けると一段安となって12/3に窓をあけた9643円を埋める動きとなってきます。本日(12/14)は10126円で寄り付き、日銀短観で大企業非製造業DI指数が期待ハズレだったことや、為替が円高方向にあったことで10009円まで売られました。その後、アブダビ政府のドバイ支援の発表でドル買い・円安となったことで下げ幅を縮小し、▲2円の10105円で引けました。

