●第128回
今週の為替相場の見通し(2/8~2/12)
先週のドル円は、前半の「米1月ISM製造業景況指数」や「1月ADP全国雇用者数」が予想より強い結果となったことで91.259円と91円台乗せを達成しましたが、「米新規失業保険申請件数」が予想より悪化したことがキッカケとなり、「メリルリンチの損失を事前に知っていた」としてNY州のクオモ司法長官がバンクオブアメリカのルイス前CEOを起訴したことが嫌気されて88.533円と89円台を割り込み、週末の「雇用統計」は失業率は改善したもの、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る改善に留まったことで再度89円台を割り込み、かろうじて89円前半に戻して引けています。期待された92円台乗せはおろか、前週の安値を割り込み1/8の高値を基点とする下落トレンドを色濃くしてしまいました。91円前半の売り圧力は相当な強さでした。ドル調達キャリー取引の巻き戻しにより、対円以外ではドル全面高が加速しているもの、ユーロ円や豪ドル円などクロス円から派生する円高がドル円の上値を抑えている状態といえます。今週は、2/10の「米12月貿易収支」、2/11の「米1月小売売上高」、2/12の「米2月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]」などが注目材料となります。これらの結果にもよりますが、円高の波乱要因となっているユーロ圏の財政危機について、2/11の欧州連合(EU)の特別首脳会合で少しでも前向きな材料が出るかどうかに注目されます。その一方で、期末対策による海外収益の円転(外貨売り)が円高圧力となりやすく、2月中旬には米国債の満期償還とクーポン利払いが迫っており、期末を控えた国内機関投資家からの円転が円高材料として注視されていることから、やはり上値より下値を広げやすい週となるかもしれません。
先週のポンド円は、週前半は英金融政策委員会(MPC)での資産買い取り枠(量的緩和)拡大懸念から売られる場面もありましたが、「英1月英製造業PMI」や「英1月建設業PMI」、「英1月ネーションワイド消費者信頼感」などが強い結果となったことで145.257円までの戻り高値をつけました。しかし、注目の2/4のMPC金融政策では資産買取プログラムの休止を宣言する好内容となったものの、週末の米雇用統計を控えた「米新規失業保険申請件数」が予想以上に悪化したことで円買いが優勢となり、139.282円と140円台を割り込み、週末は「英・1月生産者物価指数」が仕入、出荷とも強い結果となったにも関わらず、米雇用統計の期待はずれの結果に138.195円と週安値を更新しました。先週は英国独自の材料は良かったものの、米・欧・豪発の円買い材料に売り押された形となっています。今週の英国では、2/9の「英中銀・四半期インフレ報告」が注目となります。上振れ見通しならポンド高の可能性がありますが、ドル円の見通しでも記載したように、ユーロ圏の財政危機が2/11の欧州連合特別首脳会合で少しでも後退するのかどうか、期末を控えた国内機関投資家からの円転がどの程度進むかなどが下ブレの懸念材料として注目されるところです。
先週の豪ドル円は、2月の追加利下げが期待された「豪中銀の政策金利」が据え置きとなり、「豪12月小売売上高」や「豪12月貿易収支」も弱い結果となった上に、中国のPMI指数が前月水準や事前予想を下回ったこと、格付け会社フィッチが中国商業銀行など2行の格付けを引き下げたことなどが売り材料とされ、さらに米雇用関連の指標の悪化も重なり、76.146円の週安値をつけました。週高値80.871円から見れば実に5円弱もの下げ幅を記録しました。週末に、豪中銀が経済成長見通しを上方修正し、インフレ抑制に向け追加利上げの可能性を示したもの、これまで2月利上げ期待から買われてきただけに、少々の好材料も戻り売りの標的にされる可能性が出てきました。今週の豪州では、2/11の「豪1月雇用統計」が注目材料となりますが、ここでサプライズとなる好結果が出れば別ですが、弱い結果となればユーロ圏の財政危機による世界的な株安・資源安などの円高要因もあり、さらに下値を広げそうな地合いにあります。
柴田罫線での中長期トレンド分析
(指標)ドル/円 中長期トレンド分析の中での短期分析
先週の予測では、89円水準を守れるかどうかに注目となるが、ユーロが弱く、ドルと円が買われており、こういう場合はドル/円に方向感がでないので、90円をはさんだもみあいのような形になるかもしれないとしました。円に対して豪ドルやポンドは2/4(木)、2/5(金)には一気に売られることになりましたが、ドル/円については週前半の2/1(月)、2/2(火)、2/3(水)は90円台の円安方向となり、2/4(木)、2/5(金)は88円台の円高となるものの、終値は89.211円と89円水準を守り、1週間を通じてみると方向感のない動きでした。このような動きは今週も続くことになります。目先は88円~91円のボックスの動きが想定されます。

(指標)英ポンド/円 中長期トレンド分析の中での短期分析
先週の予測では、143円~150円のボックスの中で戻りを試しながら、ボックスの下限143円(正確には142.948円)に向かっており、142.948円を守れなければ140円近辺まで下落するとしました。 結局、142.948円を守れず140円を切る下落で終わりました。2/1(月)、2/2(火)、2/3(水)は144円台での小動きでしたが、2/4(木)はギリシャに続きポルトガルの財政悪化でユーロが売られ、NYダウが大幅下落となってドル売り・円買いが強まり、ポンドは140.295円で引けました。週末(2/5)はリスク回避の円買いとなって138.195円までポンドが売られましたが、原油が買い戻されると139.535円まで戻して引けました。140円を切って引けましたので、次の下値ポイントは136.218円を試す動きとなって138.195円まで下落してきました。今週はこの水準でいったんもみあい、その後は戻りを試す動きが想定されます。目先は140円±2円が基本の動きとなりそうです。

(指標)豪ドル/円 中長期トレンド分析の中での短期分析
先週の予測では、1/29(金)の終値が79.797円で引け、下値ポイントの79.069円に近づきました、この79.069円を一気に下に切るには新しい悪材料が必要なところとしました。2/1(月)~2/3(水)までは、終値ベースでは80円台となって79.069円を守っていましたが、2/4(木)に新しい悪材料が出て一気に79.069円を下に切る動きとなりました。この日はギリシャに続きポルトガルの財政不安、米雇用統計の悪化、NYダウの急落という悪材料から原油価格も急騰し、豪ドル売りとなってこれにリスク回避の円買い・豪ドル売りも加わり、一気に76.146円まで売られました。79.069円を切ると次の下値ポイントは75.433円ですが、この水準まで下げて止まりました。上昇トレンドライン(A)を切っていますので、80円は当面の天井となってしまいました。当面は75円~80円のボックス相場となる可能性があります。

(指標)日経平均のトレンド分析
先週は、2/1(月)に一時75日移動平均線(その時点で10162円)を切って、10129円まで売られたものの終値は△6円の10205円となりました。目先はNYダウがいったん反発するところにきており、そうなると日経平均も戻りを試すが、日柄調整不足で再下落となるとしました。そのNYダウは2/1(月)、2/2(火)と2日連続の大幅高のあと、2/4(木)は▲268ドルの10002ドルと急落し、週末は9835ドルまで下げて大引けでは△10ドルの10012ドルとなっています。日経平均も同じように2/3(水)は10404円と10400円台を回復しましたが、週末(2/5)は▲298円の10057円と10000円割れ寸前まで下げて終わりました。本日は欧州の財政不安と円高から一時2ヶ月ぶりに10000円を割れ込んで、大引けは▲105円の9951円となりました。いよいよ転換点に近づいてきています。SQ当日かSQ翌週が1つのポイントとなりますが、その前に急騰してコツンとくるケースもあります。NYダウの動きによりますが、先週末の下ヒゲ9835円は実体で埋めに来る確立が高いのでそうなると日経平均は9731円~9862円が下値抵抗ゾーンとなります。

