●第279回 日銀会合の決定内容で出尽くしとなってしまうのか?
ようやく日銀が動き出した。
本日(30日)、09:00から日銀は臨時の会合を開催し、追加的な金融緩和実施に向けての話し合いを始めている。白川総裁は予定を一日切り上げて、昨晩のうちに帰国した模様。やはり、首相との会談後に策を打ち出したのでは、日銀が政府の圧力に屈したとの印象を与えるため、それを何としても避けたかったというのが日銀のホンネのようだ。
執筆時においてはその内容が明らかになっておらず、とりあえずは行方を見守るしかないわけだが...。巷間言われているように「新型オペの総枠を増額し、資金供給期間を延長する」といった内容に留まれば、どうしても目先の出尽くし感が拡がりやすい。
イメージ的には、09:00過ぎから暫くは日経平均株価ならびに日経225先物、ドル/円が一定の上値を試す動きとなり、日銀の決定内容が明らかになるにつれて徐々に上値が重くなるといった感じだろうか。もちろん、前述の通り、その決定内容が予想の範囲内に留まれば、内容発表後に日経平均株価やドル/円が急激に値を消すという可能性も否定はできないものと思われる。
求むらくは、やはり何らかのポジティブ・サプライズが日銀から提供されることなのだが...どうやら外国為替市場は疑心暗鬼を払拭し切れない模様。日銀には日銀の言い分もあろうが、市場に言わせれば長らく待たされるだけ待たされたのだから、それだけ大胆な策を打ち出してくれなければ話にならないとの思いがあろう。膨らむだけ膨らんでしまった「期待」を満足させるだけの「結果」を出すことは、相当に覚悟の要るものであると言わざるを得まい。
足下では、日本の個人投資家がFX取引において逆張りの円売りを進めていると言われる。それが一段の円高に歯止めをかけているという見方がある一方で、それだけ多くのストップロス・オーダーが円高水準のところにひしめいているということでもあり、仮に相場が円高方向に振れたときには一時的にも大きな動きとなる恐れもある。
日銀の決定について、執筆時にあれこれ想像を膨らませても、それは詮無い話か...。
どのような結果になるにせよ、最終的に最も注視しなければならないのは米国における足元の景況感ということになろう。
周知の通り、今週は1日に(米)8月のISM製造業景況指数、同ADP全国雇用者数、そして3日には(米)8月の雇用統計が発表される。これまでの経緯から判断するに、それほど強い結果が得られるとは考えにくく、それらの結果を受けたFRBが果たして9月のFOMCにおいてどの程度の追加緩和策を打ち出すかを予想するというモードに入る。
基本的には当面、米金利に下押し圧力がかかり続けることとなるわけで、どうしてもドル買いには消極的になりがち。今回も日銀が動く前にFRBに動かれてしまい、それだけ日銀にとって政策実施のハードルが上がってしまった感があることは否めない。
ここはFRBの政策手腕をたたえるしかなく、やはりドル安容認による米景気の下支え、悪く言えば近隣窮乏化のドル安政策が11月の米中間選挙に向けて強まって行くということになろうか。
結局、話は戻ってしまうのだが、今回の会合でどのような決定をするにせよ、日銀には必ず「その次」を匂わせる巧みな手腕を発揮してほしいものである。
(8月30日 09:50)
