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外貨投資 転ばぬ先の智慧
外国為替古今東西

2009年12月28日

●第248回 ドル/円は「三役好転」の強気ムード

先週の本欄で述べたとおり、21日にテレビ東京系列のWBSに日銀の白川総裁が初出演し、その内容をして珍しく(?)日本発の材料に外国為替相場が大きく影響されることとなった。
総裁からは、その立場上、具体的な政策の中身に関わる言明はなされなかったが、なかで「(必要に応じて)迅速果敢に行動する体制を常に整えている」とのコメントがなされたことは、一段の円買いを思い留まらせるに十分なインパクトを持ったように思われる。

また、総裁からは国に対する要望として、①急速に変化する世界の経済環境を意識した制度の見直し、②労働力や生産設備といった資源が需要の高い分野に流れるようにする、③社会的なセーフティネットの整備──が挙げられた。私見を述べれば、これは①法人税減税、②規制改革、③消費税増税を指していると感じた。総裁の言葉は比較的月並み(=常識的)なものであったが、現状を鑑みれば適切かつ重要な要望であったように思われる。
ここでようやく、日銀と政府が「あるべき連携のかたち」に半歩近づいた気がする。それは、とりもなおさず「過度な円高」と「憂うべきデフレの進行」に歯止めをかけることに一定の効果を発揮するものと期待したい。

とまれ、先週の外国為替相場では対ユーロ、対円でのドル高に一定の歯止めがかかった。先週の本欄でも指摘したが、これは多分にスピード調整の意味合いが強いものと思われる。21日線かい離率を見れば、ユーロ/ドルが一時マイナス3.5%前後、ドル/円が一時プラス3.5%前後にまで達し、ここは当然、目先のスピード警戒感が強まるところであった。
目下、かい離率は徐々に低下し始めているものの、いまだ高めの水準にあることも事実で、少なくとも年内いっぱいは調整色の強い展開が続きそうなムードである。

先に述べた日銀総裁のテレビ出演をひとつのきっかけとして、21日のドル/円は91円台に乗せる結果となった。これはファンダメンタルズ面からの買いであったと同時に、一方で一目均衡表(日足)の「雲」を上抜けたことによるテクニカル面からの買いであったと捉えることもできる。
結果、ドル/円は晴れて「三役好転」と相成ったわけだが、それだけなら8月7日に高値を取りに行った場面でも同様の状況が見られた。しかし、当時は遅行スパンが結局は「雲」をブレイクできず、ほどなく「雲」の下方に再び根を沈めた。では、今回はどうか?
いまのところ遅行スパンは「雲」のなかにあり、そのブレイクには今しばしの時間を要するものと思われる。よって、当面は遅行スパンが「雲」を明確に上抜けるかどうかが焦点となろう。

当面、ドル/円の下値は12月9日と12月18日の安値を結ぶサポートラインがメド。一方、上値は10月27日高値の92.33円が最初のメドとなり、上抜けると11月27日安値からの戻りの状況からN計算値で求められる93.31円あたりがメドということなりそうだ。なお、4月高値からの「下降チャネル」上限は年末時点で93円台半ばあたりにまで低下してくる。

一方、ユーロ/ドルについては、スピード(=突っ込み)警戒もさることながら、いまだ上向きに推移している200日線も重要なサポートとして機能している模様。当面は、この200日線自体の向きと日々線との位置関係によって今後の行方を占うということになるだろう。

本年も本欄をご愛読いただきまして誠にありがとうございました。また、2010年も引き続いてのご愛読をお願いいたします。皆様、よいお年をお迎えください。。