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外貨投資 転ばぬ先の智慧
外国為替古今東西

2010年2月15日

●第254回 なおもユーロの下げ基調は続く...

前回の本欄で予想した通り、先週の外国為替市場は比較的落ち着いた展開となった。
もともと、11日に欧州連合(EU)が首脳会議を開くことが予定されていたため、その行方を見守りたいとするムードもあっただろう。また、中国の春節休暇入りや米国の連休を控えて、休み明けの動きを確認したいという雰囲気も強かった模様だ。

EUの首脳会議については、事前の予想通り「ギリシャ政府の財政再建を支援する」という基本的な方向性では合意したものの、具体的な金融面の支援策が明らかにされることはなかった。
最終的に、何らかの形で資金を入れることが必要であることは間違いないのだが、だからと言って安易な支援は極力避けなければならない...。ギリシャをはじめ南欧諸国の財政問題を放置しておくと、いずれ独仏などの金融問題にまで波及する可能性が高いものの、現段階では独仏などの世論が当該国の自助努力なしに支援の手を差し伸べることには賛同しない。当該国にあっても安易な救済は受け入れがたく、自助努力にも前向きなのだが...当のギリシャでは政府が歳出カットを打ち出した途端、公務員がストライキに突入するという有り様で、こうしたことからも問題の根がいかに深いかを容易に察することができる。

結局、広い意味での「ギリシャ問題」に対する対応は後手に回ることが避けられず、ゆえに少なからぬ影響がユーロ圏全体に波及して行くという事態も避けらない。よって、今後も基本的にユーロは買われにくく、ユーロ/ドルの下げ基調も中期的に継続するものと見られる。
先週12日、ユーロ/ドルは一時1.3530ドルまで下押し、昨年3月安値から同年11月高値までの上げ幅に対する61.8%押し=1.349ドル前後の水準に迫った。市場には、15日のユーロ圏財務相会合と16日のEU財務相理事会において何らかの具体策が打ち出されるのではないかという淡い期待もないではないが、結果的にEU首脳会議の内容を踏襲するに過ぎない内容となる可能性が高く、そうなるとユーロドルの1.35ドル割れというのも「時間の問題」ということになるものと思われる。

中国が12日に預金準備率を追加引き上げしたことについては、もともと春節休暇入り前に実施されることが見込まれていた。金融引き締めの色合いは薄く、基本的には織り込み済みの材料と捉えるべきであろう。ただ、このところ市場はリスク回避ムードを盛り上げる材料に「好意的」で、リスク資産売り&ドル買い戻しが有効にワークするためであれば、どんな材料でも拾い上げてしまうといった風潮にあることも見逃せない。

その意味で、今後もドルストレートでのドル買いが有効という前提であった場合、対円でもドルは比較的買われやすい状況が続くものと見ておくべきではないか。
ことに最近、日本の財政問題について、これまで以上に警戒が強まってきていると感じているのは筆者だけであろうか。年明け後、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)取引において中国国債と日本国債の保証料率が逆転する(日本の信用力が中国のそれに逆転される)場面が見られていることは何を物語るのだろうか...。
目下のところ、ドル/円は一目均衡表(日足)の「雲」下限が下値支持として機能しており、89日線と21日線とに絡んだもみ合いの展開を続けている。戻りのペースが極めて緩慢であることを考えれば、いまだ下(「雲」下限)に抜けるリスクも十分に警戒しておかねばなるまいが、89日線を明確に上抜けてきた場合には、目先的にも2月3日高値=91.28円程度(「雲」上限近辺)までの戻りはあってもいいだろう。