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外貨投資 転ばぬ先の智慧
外国為替古今東西

2010年3月 1日

●第256回 ユーロ/ドルの下げ一服でドル/円も沈む...

前回の本欄で「対円でのドル買いが一段と強まるかどうかは、対ユーロでのドル買いが一段と強まるかどうかにもよる」、「(ユーロ/ドルは)このあたりで一旦は下げ止まる可能性も」と述べた。

再確認しておくと、ユーロ/ドルの08年10月安値から09年11月高値までの上げ幅に対する61.8%押しの水準は1.340ドルで、同水準は一つの重要な節目と見られる。
そして案の定、2月の19日と25日には一時的にも1.35ドル割れとなりながら、節目に近い水準で反発して下げ止まっている。26日は週末&月末絡みの調整も進み、ユーロドルは1.36ドル台前半までの戻りを見た。

ただ、足下で横向きから下向きに転じ始めている200日線を上から89日線が下抜けるデッドクロスが示現しようとしていることも見逃せない。
今週は週末に米雇用統計の発表を控えており、先週発表された米新規失業保険申請件数が弱い数値だったこともあって、ドル買いにはやや慎重になる可能性もあるが、やはりデッドクロスに対する反応は、遅かれ早かれユーロドルの一段の下げという形で現れてくるのではないか。
周知のとおり、3月16にはギリシャ財政再建計画の進捗具合に対するEUのモニタリングが控えており、やはりユーロの買い戻しに対しては慎重にならざるを得ないことだろう。

対ユーロでのドル買いが一服していることで、対円でのドル買いの勢いも目先は衰えており、ドル/円は足下で再び89円割れの水準まで沈んでいる。結果的に、一目均衡表の「三役好転」はダマシのような格好となってしまい、再び200日線と昨年4月から形成されている下降チャネルの上限に押し戻された。つまり、明確な上昇トレンドへの転換はしばらくお預けとなったわけだ。

昨年11月安値から今年1月高値までの上げ幅に対する61.8%押しは88.25円であり、足下では同水準に近付いている。よって当面の焦点は、同水準をサポートに2月4日安値とのダブルボトムをつけて反発&再び戻り基調に転じるかどうかということになろう。仮に、一目均衡表の「雲」下限を再び上抜けてきた場合、少なくとも「雲」上限までは意外にすんなり値を戻すこととなるのではないか。

米経済指標の発表が相次ぐ月はじめの週は、発表された指標結果を受けて上下に振れやすくなることも多く、その意味では一時的にもサポートを下抜けて87円台を試す可能性も否定はできないものと思われる。
だからと言って、ここから積極的に円を買い進めることには、やはり慎重でありたい。
例年3月には「年度末要因で国内企業による円買いが集中しやすくなることに注意」などと言われるが、その影響が顕著に表れたことはあまりないし、あっても月前半までに限られるというのが通例だ。
また、個人的には一段の円高が進んだ場合には、あの菅副総理兼財務相が何らのアクションを仕掛けてくるものと見る。そうでなくとも、このところ菅氏は連日のように日銀の金融政策に対するコメントを発しており、なにやら昨年11月にデフレを宣言した後の状況に似てきている...。

ちなみに、日本の財政事情に対する将来不安が、ここにきて日増しに高まっていることは間違いない。一体、いつまで日本円がリスク回避先の「安全資産」と見做してもらえるのか...そろそろ考え始めておくべきではないだろうか。