●第257回 ドル/円の上方には数々の上値抵抗が...
先週末(5日)発表の(米)2月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比-3.6万人と、事前の市場予想よりもかなり強い結果となった。記録的な寒波、猛吹雪の影響がなければ前月比プラスになっていたと考えられる水準である。また、同日発表された(米)1月の消費者信用残高が前月比年率+2.4%と、1年ぶりにプラスに転じたことも相当にインパクトのあるものであった。
もとより、5日の東京時間から「日銀が追加金融緩和の検討に入った」との報を受け、日米金利差が拡大するとの思惑が強まり、前日4日に88円台前半まで進んだ円高・ドル安の流れも一服していた。そこへ、米経済指標の強い結果が飛び込んできたことで、ドル/円は一時的にも90.60円あたりの水準まで急伸することとなった次第だ。
実体部分だけで130pほどの上昇となったことを受け、ドル/円は21日線、89日線を一気に上抜け、再び一目均衡表(日足)の「雲」上限をうかがう位置についた。
その上方には「雲」上限にはじまり、1月8日高値と2月19日高値を結ぶ上値抵抗ライン、昨年4月に高値をつけて以来長らく継続している下降チャネルの上限、200日移動平均線、07年6月高値と08年8月高値を結んだ上値抵抗ラインなどなど、ありとあらゆるレジスタンスが控えており、これらをブレイクすることは並大抵のことではなさそうだが...。それだけに、ブレイクした場合のインパクトは相当に大きなものとなることだけは間違いないだろう。
「ドル/円の明確な上昇トレンドへの転換」は、もはや「オオカミ少年の叫び」と化している感もあるが、その可能性については今後も常に念頭に置いておきたいところ。
先週の本欄でも触れたように、年度末要因で国内企業による円買いが集中しやすくなるとの見方は、今回もさほど気にするほどのものではないものと思われる。また、来週17日に予定される日銀金融政策決定会合に向け、どちらかと言えば円を積極的に買い進めにくいムードとなることも確かであろう。
このところ繰り返し述べているが、やはり「対円でのドル買いが一段と強まるかどうかは、対ユーロでのドル買いが一段と強まるかどうかにもよる」ということになろう。そして、当のユーロ/ドルは依然として下げ一服からもみ合いの展開を続けている。
ちなみに、昨年12月22日に200日移動平均線に接近して下げ止まってから、次に200日線を下抜けるまでに要した(もみ合い状態が続いた)日数は約20日間であった。今回は、2月19日に1.34ドル台の安値をつけてから本日までに12日間が経過しており、いましばしのもみ合い継続はやむを得ないものとしても、来週にかけて重要な節目の一つである1.34ドルを下抜けるような場面が見られる可能性は捨てきれない。
ユーロ/ドルの昨年11月高値と今年1月高値を結ぶレジスタンスラインは、今週末に1.377ドル近辺にまで下降してくる。このレジスタンスを上抜けない限りは下げトレンドが続くものと見られ、ことに来週は米FOMCやEUによるギリシャ財政問題のモニタリングが予定されていることもあり、再び売り圧力が強まる可能性が高いのではないかと思われる。
すでに、ユーロドルの200日線と89日線はデッドクロスしており、そのことも対ユーロでのドル買いを前向きにさせやすい。さすがに今週は材料に乏しく動きにくいものの、3月後半を考えると、やはり対円でもドル買いが進みやすい地合いになるものと個人的には考える。
そろそろ、本当に「オオカミ」がやってくる!?
