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外国為替古今東西

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第189回 「グレイは白か黒か?」

2021年06月01日

株式会社マネーパートナーズ ホームページ寄稿
二〇二一年 六月   行天 豊雄

 近頃よく聞かれる悲観論は、国や国民に関わる課題について、日本は適切、効果的に対応する力を失なってしまったのではないか、ということである。例として挙げられるのが、デジタル化へのおくれ、CO2排出ゼロ目標、中長期エネルギー政策、再生エネルギー推進対策、新型コロナ感染拡大抑制策、国産ワクチンの開発と生産、人口減少対策、自動車のEV移行、年金制度改革、財政の破綻阻止等々である。
これだけ課題が多いと日本でなくてもこの国は機能不全を起こしていると思われそうである。
国際比較はさて置いても、一九九〇年代の始めにバブルが弾けたあと、日本が経済的にも政治的にも社会的にも、すっかり覇気を失なって退嬰的になってしまったことは事実である。小泉改革のような一過性のきらめきはあったが長続きはしなかった。結局、以来三十年、日本は何故か停滞の時代に入ってしまった。日本と正反対に、外の世界は大激動だった。デジタル時代の本格到来は今世紀最大の変化を世界にもたらしたが、中国の大躍進による地政学的な激動、リーマンショック等々で世紀をまたいだ世界は様変りの様相を呈したのである。云うなれば、世界が動の時代に入ったのに、日本は停の時代に止まっているというわけである。
どうしてこういうことになったのか。要因はいろいろあろうが、最大の理由は、日本がバブルの失敗と被害の大きさに怖じ気付いて未知のこと、新しいこと、リスクがありそうなことに強い躊躇を感ずるようになってしまったことである。この守旧の心理が規制改革、規制撤廃に対する強固な抵抗になっている。人口構成の変化によるシルバー・デモクラシーのおかげで、本来なら革新を主導すべき若い政治家達がその役割を果していない。未来に希望は持たないが、現状にはそこそこ満足するという典型的な老化シンドロームである。
明治維新から一五〇年しか経っていないのにもう老化というのはいささか情無い。お隣りの中国は四千年の歴史のあとで、新しい大国の座に戻って来たではないか。
 日本が先ず為すべきこと、できることは、変化を求める声を歓迎することである。新しいことを求める声には必らず、良く判らない、何かうさん臭く見える部分があるものである。しかし、だから駄目だと押し殺したら新しいものは何も生まれない。やらせて見て駄目なら処分すれば良いのである。グレイのものを見てこれは黒らしいから駄目だと云うのか、これは白かも知れないからやらせて見ようと云うかの違いである。企業や教育機関や個人の盛衰を見ると、グレイをどう判断するかが一番大事なことのようである。


「外国為替古今東西」は2021年6月をもって連載終了いたしました。
ご愛読ありがとうございました。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


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