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第700回 2017年3月23日~29日までの為替見通し

2017年03月23日

 為替を動かす要素として以下の3つに注目です。
 ①どこの国の通貨が強いか(経済、防衛力、金利、国の信用力=国債返済能力=人口増減、就労人口の確保など 資源・食糧自給力など)
 ②ドル建て商品の動向
 ③国際的な不安要素=ボラテイリティの源泉=VIX指数の動向、国際的な政治動向、テロ、災害等

 このポイントで見てみると、3月14-15日のFOMCでFFレートの+0.25幅引き上げで当面の材料としてドル高円安支持の①は材料出尽くし。次のFOMCは第一回目のフランス大統領選挙が終わった後の5月2,3日までありません。

 しかも、フランス大統領選挙結果いかんでは金利引き上げは見送られる可能性もあり、小幅連続引き上げが見こされるとしても6月13-14日まで持越しという可能性が高いでしょう。

 となると目下は②の原油価格動向と③の要素からドル安円高に振れやすいタイミングといえます。
 当コラムの第692回 2017年1月26日~2月1日までの為替見通し号で「理由は不明ながら5月までの時間軸に107円の可能性」と書きましたが、次のFOMCまでの時間軸でドル安円高方向に傾斜しやすい地合いとなっています。
 ②の原油価格動向が一バーレル50ドル割れ。これがドル安円高へのテコ入れとなっています。
 ③の国際的な不安要素として18日にフランス空港でテロが起こったばかりなのに、3月23日、イギリスで事件です。警察がツイッターで同時テロとして扱うと投稿したようにイギリス議会付近でテロ発生。3月23日といえば日本では森友学園元理事長・国会証人喚問とリスクオフに傾きやすいイベントが重なっています。森友学園問題はかつての田中角栄氏を窮地に追い込んだロッキード事件や自民党を大混乱に陥れたリクルート事件に似た様相となってきたように感じます。安倍政権は今年、持つのでしょうか? すると、安倍氏が指名した日銀・黒田氏の政策も継続性が再注目されることになります。

 ところでこの事態で一息ついているのが元安を食い止めたい中国でしょう。何しろ、元安を阻止するため、外貨準備を取り崩して元買いを続けてきた同国。減少したとはいえ、なおも世界一の外貨準備を有する中国。てこの原理やドミノ倒しも網羅した孫子の兵法で今日の世界情勢を俯瞰していると思います。その中国に対し、アメリカでは「米中版のプラザ合意」待望論が出ているようです。

 中国の今後の為替も含めた施政方針はアメリカの金利政策にも影響することなので4月6日のトランプ・習会談の成否に注目したいものです。

 楽観シナリオとしては金持ちケンカせずで、米中で北朝鮮を見据えたTREED(高高度ミサイル防衛システム)の中国側反発緩和、為替水準のコンセンサスが整い、貿易不均衡が是正され、今後の互恵関係構築でリスク回避というコース。

 「世界一の外貨準備国家、中国が何を譲ることがあろうか」という視点から、悲観シナリオとして中国のTREED配備反発は強烈で、中国から互恵関係への建設的合意はなく、米中会談が不調に終わり、日本の政局も不透明化し、為替も大きな混乱となる、というコースもあり得ます。

 株にせよ、為替にせよ、トレーディングの世界は楽観する人を大量に増やしては梯子を外すことで巨利を得ようとする動きがあるため、ここはリスク・シナリオ=降水確率を8掛け、つまり80%くらいに考えて、備えておきたいところです。


 今週の予想レンジです。
●ドル円
上値抵抗112.057
均衡111.260-110.621
下値支持109.808

●ユーロ円
上値抵抗123.680
均衡119.480-120.480
下値支持117.574

●豪ドル円
上値抵抗85.903
均衡84.459
下値支持82.694

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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