各通貨の8月4日までの予想レンジは以下の通りです。
◆ドル円
上値抵抗110.665
均衡109.862-109.071
下値支持108.863
◆ユーロ円
上値抵抗132.758
均衡130.537-129.642
下値支持128.954-126.397
◆豪ドル円
上値抵抗82.929-81.572
均衡80.867-80.084
下値支持79.686
世界的規模のイデオロギー対立が経済社会に不透明感を広げています。14億人の人口を持つ大国中国を経済成長軸としてうまく利用していこうとする勢力は中国と親和的であろうとします。
「弱い振りして100年マラソンを走っている国」として「騙されてはいけない」と警戒する勢力は中国をなんとかコントロール可能な状態に置くべく、「圧」をかけようとしているかに見えます。
人権問題を理由として冬季五輪開催地変更、商取引規制、上場において中国企業の排除など経済面での締め付けやWHOによる感染症発生源第二次調査団の受け入れ要請など、中国強敵国の警戒感から発生している「圧」と思われます。
もちろん、対立が激化すれば儲け最大化を狙う軍産共同体には商機です。加えて、いずれのスタンスでも儲けられるよう、二股掛け、ダブルスタンダードのポジショニングをとっている可能性もあると思われます。
今後、中国を市場とみて先進国が利益最大化を企画しその実現に向けアプローチが続くか、敵とみなして対立で儲けていくか、目が離せないところです。
核心的オバマ人脈の一人、戦略的コミュニケーションが得意分野であるシャーマン国務副長官が日本、韓国、北朝鮮、中国を相手に外交を繰り広げていますが、北朝鮮は「巻き込まれたくない」とばかりに対外強硬路線から転換。
日本はどちらかというとオバマ人脈とは一線を画すマクロン仏大統領と東京五輪開会式でどのような意思疎通があったのか、憶測の域を出ませんが、わが国の菅首相と同じようにフランス国内から突き上げを食らっている点から、中国に親和的に接しようとしている側かと推察します。日本、フランス政権に共通しているのは国内に首相に対する「アンチ」行動が激化している点です。
イギリスVSフランスの観点では、イギリスは中国警戒派かと思います。中国をコントロール可能な状態にするには「圧」が必要。
その「圧」を何にするのか、2022年2月の北京冬季オリンピックまでの間に中国をめぐる各国の外交合戦はまだまだ激しい綱引きが続きそうです。
とはいえ、プーチンのロシアも習近平の中国も、そして金正恩の北朝鮮も「ホントのホント」の実態ははっきりしません。
資産運用の世界ではVIX指数や為替、株式市場のボラテイリティ発生装置としての役割以外の真の姿が見えてこないところがミソ。
マーケット参加者はいわば大人の遊園地に放り込まれたようなもの。
あるときは楽しいアトラクション、そしてある時はお化け屋敷に導かれ「幸福感」と「恐怖感」を味わううち、いつの間にか絶叫マシンに乗っており、着地した時にポケットを探ったらコインがなくなっていたという展開に注意したいものです。
遊園地から早めに出るか、遊園地を運営している側を研究するか、資産形成に有効な方法を身に着けるに越したことはありません。
中国とどう付き合っていくことになるのか、ビックマネーはどう結論していくのか、まだ綱引き途中と思われます。観察しつつ、トレードに励みたいものです。
さて、今回を持ちまして、当コラムは掲載終了となります。
読者様に置かれましては2003年以来、18年間の長きにわたりご愛読いただきまして大変ありがとうございました。
ドル円を中心に各通貨の予想レンジを毎週俯瞰することで投資全般に大きなヒントが得られることを身を持って知ることができました。
外貨投資、FXトレードの魅力は尽きることがありません。これからも研究を続けたいと思います。
皆様の資産運用がますます好展開となりますよう、ご祈念しております。ありがとうございました。
テクニカルアナリスト 木村佳子