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第236回 ~ビッグデイへの備え~

2017年03月15日

 114.50円~115円が中心レンジとなっているドル円は、今日で5日目。さすがに今回はこのレンジを抜けだすに違いない。今日から4日間は、振り返れば2017年で最もイベントが重なった日だった、と言われることが予想され、まさに24/7(一日24時間/一週7日間の世界)となるだろう。

 予定では昨日から始まっていたが、国際金融市場より一足早く、自然界の本当の嵐(大雪)が米国を襲ってきたことで、メルケル・トランプの米独首脳会談が急きょ中止、金曜日(予定)に延期となった。そして今日15日は、まさに“Big Day”。すでにオランダの下院選挙が始まっているが、時間的に言えば、まず米国の経済指標に注目したい。大きく上昇(前月比+0.3%、年率+2.2%)した昨日の生産者物価(PPI)に続き、重要指標として消費者物価(CPI)、小売売上高が発表になる。物価面では先月に続きFRBのターゲット(年率+2%)を超える上昇ペースを確認し、好調な販売実績で経済の拡大を示す数字がでると予想されている。
 
 そして最も注目度の高いFOMCでは、+0.25%の利上げはほぼ間違いないことから、焦点はドットチャートで判断される今年の利上げ回数と、イエレン議長の会見で、バランスシートの削減への示唆があるかどうかに移っている。これには、物価動向と経済拡大の強さ長さと継続性が重要な判断基準になることから、前記の二つの指標からある程度のヒントがつかめるのではないかと考えている。

 一方、ワシントンでは、連邦債務上限適用の停止期間が終了する。今後の処理方法は最終決定に至っておらず、場合によっては2年前に起こったように国立公園等の政府機関の活動休止など、混乱に拍車がかかる可能性もある。2年前(2015/3/15)の上限は18.1兆ドル(正確には、$18,113,000,080,959.35)に対し、2017/3/9現在の借入金額は19兆8,184億ドルと、2兆ドル近くオーバーしている。この処理に手間取るようなことになれば、一気にドル売りが起こるだろう。

 ただ16日の日銀の政策決定会合では、4月に展望レポートの発表が控えているので現状維持との見方が優勢だ。しかし個人的には、最近の物価動向や、国債購入姿勢から、終了後の総裁記者会見で、緩和終了からテーパリングに舵を切るようなニュアンスが出てくるようなら、これも円高シフトとなる。消費者物価(1月分コア)は13カ月ぶりのプラスとなったことは、企業物価も2ヵ月連続してプラスを記録している。

 そしてG20では、ムニューシン米財務長官の為替問題についての発言が注目される。ドル高よりもドル安を誘因する可能性がある。またその日は、米国の天候が回復すれば、米独首脳会談が行われるはずだ。トランプ大統領からドイツにユーロ安けん制発言が出るかもしれない。英国のEU離脱通告に関わりポンド売り圧力も高まっている。

 市場では、これらイベントに対しリスクオフにはならないと楽観的な見方でドル高心理が働いているように聞こえるが、ここに大きな落とし穴があるように個人的は感じる。今後一週間の相場レンジは、いずれも変動幅の拡大が予想され、ドル円は112.50-115.50円、ユーロも持ち直して、対ドルでは1.0550-1.0800、ユーロ円は120.00-123.00と予想している。
(2017/3/15、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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