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第239回 ~薄氷の上を行くドル~

2017年04月05日

 110円割れを回避したドルは相変わらず不安定なままだ。1月12日から2か月余り続いていた112円~115円(中心は112.50円~114円)のドル円レンジは、トランプ政権の実効性に疑念がもたれ始めた3月21日からは110円~112円に切り下がってきた。今、ドルが下げ止まっているのは、好調なアメリカ経済とドルの利上げ期待が下支えになっているからだが、個人的には110円で止まるという確信は持てていない。

 それは、110円という氷の上を歩いている感じだからだ。割れそうで割れないので氷は厚そうに見えるが、よく見渡すと、歩いている先の氷は厚いところもあれば薄いところもあるように見える。そこで、何が起こっても割れないのか、いや、もし割れたら、底は浅いのか深いのか、そんなことを考えながら、地球儀の北極から行く先を眺めた。

 すると3人の顔が見えてきた。まず一人目はトランプ大統領、次にイエレン議長、そして3人目は欧州からフランスのマクロン候補である。このうち一人でも沈むことになれば氷は割れ、ドルは水中に沈むことになるだろう。ただその場合でも底値は105円と考えている。

 トランプ政権になって、4月末には政権発足後100日を迎える。その言葉自体はすでに色あせてきているが、それは過去の歴史から来ている言葉であって、ワシントンの政治文化、しきたりをぶっ壊す、との公約で当選したトランプ大統領自身にとっては、あまり意味のない言葉であろう。そして正念場はこれからいくつも控えているが、今は、並んでムニューシン財務長官、ロス商務長官が見える。4月18日からの日米経済対話、そして米国為替報告を示すが、常在戦場たるトランプ大統領のこと、どのようなケースになっても対応できるようにしておかなければならない。この問題については来週もう少し詰めたい。

 そして、イエレン議長、すなわち利上げ動向である。次は6月との見方が盛り上げってきているが、その根拠になるのは米国の米国経済の成長性である。今週末にはその第一関門がやってくる。米3月の雇用統計である。失業率が4.7%と完全雇用に近い水準まで低下していることから、最近は、雇用者数動向より賃金の上昇率が注目されてきている。市場予想では、平均時給は前月比では+0.2%と変わらずだが、前年同月比で前月の2.5%との比較でどのような数字が出るかが重要だ。ちなみに非農業部門雇用者数は+18万人(前月は23.5万人)、失業率は前月と変わらずの4.7%が市場の中心的な予想である。

 そしてフランスの大統領選挙も懸念材料である。徐々に注目度が上がってきており、市場は食卓に並んでいるメニューを眺め、どれに手を付けようかそろそろ決めていかなければならないところ。ユーロ脱退派のルペン女史の支持率が下がっているが、「まさか」も完全に否定はできない。

 このように、為替市場は常在戦場。少しでも釣り糸を垂らして、魚の食いつきを感じる体制を維持していきたい。今後一週間の相場レンジは、ドル円は109.80-111.80円、ユーロは、対ドルでは1.0550-1.0750、ユーロ円は117.00-119.00と予想している。
(2017/4/5、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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