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第259回 ~9月は我慢の時~

2017年09月06日

 いよいよ、本格的な秋の陣が幕を開けた。Sell on Mayの後に、Don’t come back until September (英国では until St. leger Day, 第二土曜日ともいう) と言われるが、その9月の本格的な取引が始まった。2017年の成績を上げるために勝負をかける時期である。

 確かに歴史的に大きな相場変動が、秋に多く起こっている。今年も「何か起こりそうだ」と思う参加者が多いうえ、ドル売り材料が山積との判断で、まず売って、そのあとで買い戻す、との売買パターンが続いている。

 その動きは欧米市場でも同じように起こっている。夕方、欧州市場が開いたとき、まずドルが売られ、そのあと買い戻しが入りドルが上昇するケースがよくみられる。短期売買にはわかりやすい相場展開になっている。ではこれがいつまで続くのであろうか。

 今月も、ドル売りの要因が目白押しである。せっかく8月下旬から続いていた米景気の持ち直しも北朝鮮の核実験で雰囲気は一変。GDPの上方改訂、コンファレンスボードの消費者信頼感指数の予想外の上昇、ISM製造業指数のほぼ6年ぶりの高水準と続いた。雇用統計は、非農業部門雇用者数や賃金が予想以下となり、それまでの勢いが削がれたが、景気が減速しているとの兆候はない。ドル上昇の機運は維持されていた。

 その勢いが北朝鮮の一撃で一気に崩れた。これではドルは買えない。ドルはじりじりと値を下げ、108円台での取引時間が長くなってきた。それでもこれまでと違うのは、暴落はしていないことである。ドル円でも窓空きにはならなかった上、為替相場と連動性が高い株式市場でもパニック的な下落は起こっていない。

 NYダウ平均株価が前日終値比234.25ドルの下落と、ほぼ3週間ぶりの下げ幅となったが、個人的には意外と小さかったという思いである。昨日は夏季休暇明けの初日、秋の陣の本格再開であった。投資家のリスク北朝鮮の核実験というとてつもなく大きいリスクイベントに対し、わずか1.1%程度の下落であり、ホッと胸をなでおろしている。

 とはいうものの、現在の相場動向では、ドル高派の分が悪い。しかし今の段階でドル安派に転じる気持ちはない。ただ、今年前半に想定していたシナリオにズレが生じており、ドル高に転じる時期は遅れる。しかし、個人的には、最終的には、米国経済は堅調に推移し、利上げも実施され、ドルは徐々に上向きになり、年末は120円に向かうと予想している。

 今後1週間の相場レンジは、今週末9日に北朝鮮建国記念日を控え、不安定は相場展開となろう。ドル円は107.80-109.80円と予想。一方ユーロは、ECB理事会(9/7)では、ドラギ総裁は市場を混乱させる行動や発言は行わないと考え、対ドルで1.1780-1.1980、ユーロ円は128.80-130.80円と予想する。
(2017/9/6、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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