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第263回 ~短期弱気サイクル~

2017年10月11日

 ドル円は、再び下落基調に転換してきたようだ。もちろん年末に向けてのドル高見通しに少しの揺らぎはないが、サイクル説から言えば、今後2~3週間はドルは軟調気味に推移すると考えている。ほかに理由は、ファンダメンタルズは好調でも、米金利の上昇が緩やかで、政治的変動が懸念されるからである。その大きなポイントはトランプ大統領に関わることだが、ポイントは北朝鮮問題、FRB議長指名、政権のぐらつきからの予算審議の遅れ懸念である。

 ところで、先週末の米雇用統計は、一言でいえばハリケーンの影響はここまで、経済の実態の強さが認識された。したがってドルの勢いに何ら陰りがないとの見方だ。数字だけ見れば、ハリケーンの影響が直に響き、雇用者数は7年ぶりの減少(2010年12月の、5.2万人の減少以来)となった。予想が8万人の増加だったので、通常ならば一気に1~2円下落しても不思議ではないほどの衝撃的な数字だった。

 しかし失業率の4.2%への低下(約16年半ぶりの低水準)と、平均時間当たり賃金が年率2.9%(細かくは2.867%)と、約6年半ぶりの高水準となったことが好感され、ドルは急上昇、一時は7月14日以来の113.44円まで買われた。やはりハリケーンの影響は一時的、これから復興需要が加わってきて拡大基調に戻るとの見方が相場に現れた。しかしそこがピーク。それ以降は徐々にドルは勢いを失ってきた。10月の政治的イベントに対する懸念がドルの重しになっている。

 チャート的に見ても、ここ1週間で、ドル円はピークから下降局面へのサイクルに入ったと読める。雇用統計の発表日は一時、2か月半ぶりにドルは上昇した。しかしその後、見た目は112.00円~113円の間で一進一退、一見、進むに進めず、引くに引けずの展開に見える。しかし相場の実態はは、徐々に上値が切り下がっていることで、比重は上が重く下に軽い状態だ。相場はサイクルで成り立っているが、長期的にはドル上昇サイクルの流れの中での短期下降サイクルに移行しており、短期的には「売って買い」の地合いに入ってきたと読んでいる。

 最近3回の21日移動平均線と日々線の関係を調べると、このまま進めば、10/13に日々線が21日線(今日現在112.06円)を下回ると予想される。そこで今後1週間の相場レンジは、ドル円は111.00-112.50円と予想。一方ユーロは、対ドルでは1.1750-1.1950、対円で131.50-133.50円と予想する。
(2017/10/11、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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