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第266回 ~年末にかけての追い込み~

2017年11月01日

 今日のドル円は、日本株の強い上昇風を横目に、ゆっくりとした足取りで歩を進めている。10/23に114円台を超えてから、日中では5日間連続で114円台での取引があったが、終値で114円台を保ったのは10/26のわずか一日だけであった。ロシアゲートの進展懸念を受けてもドル円は底固く、NY終値ベースで114.12円以上となれば、まず112-116円への新たな取引レンジに入り、いよいよ年末120円に向かって歩を進めていくと予想している。

 その第1関門が、今日のFOMC声明、そして今週末の米雇用統計である。先週26日のECB理事会で始まった中央銀行ウイークも残るは今日のFOMCの声明発表のみとなった。ECBは予想通りに債券購入額の減額を発表したが、ドラギ総裁は記者会見で、「これはテーパリングでない」とはっきり言明、この発言がハト派発言と受け止められて、ユーロは1.6000を割る急落、7/20以来の安値(1.1573)まで下落した。

 すなわちドル高であり、その勢いは他通貨にも波及。スイスフランは、今年5月以来のパリティ(1ドル=1フラン)超えの1.0039フランに下落、カナダドルは7/12以来、豪ドルも7/11以来とそれぞれ安値となった。その結果、ドル指数は、7/20以来の高値(94.90)まで上昇した。

 今週は、日銀も緩和路線を継続したことで、当面の警戒材料が消えた。今日のFOMCの声明では12月の利上げを示唆する文言が織り込まれれば、目の前に115円が見えてくる。そして、米雇用統計であるが、雇用者数の予想は+28.5万人~32万人の増加と、先月(-3.3万人)より大幅な増加予想であり、ここから大きな減少がなければ、ドル買いの要因となる。

 また、物価の上昇も継続している。PCE(個人消費支出)の価格指数(年率)はコアは1.3%と前月と変わりがなかったが、総合指数は1.6%と前月より0.1%上昇。原油価格も上昇傾向(WTI先物で2/23以来の54.83まで上昇)にあり、これもドル買い材料だ。

 新たなレンジに入る可能性について、過去6年第4四半期の月別の相場変動を調べてみたところ、大変興味深い結果が表れた。結論的には10月がドル高の場合は、11月、12月もドル高が継続する確率が高い、ということである。2012年からは、2013年(ただしほとんど同値)を除き過去5年連続してすべてドル高であった。アベノミクスが始まってからの特理性であることを考慮しても、大きく参考にしたい事実である。

 たかがアノマリーだが、されどアノマリーである。今年も10月はドル高(始値112.66円、終値1113.65円)となったことで、今年残り2ヵ月は月間ドル高の可能性が高いと期待している。ただし、翌年1月はほぼ1年おきにドル高とドル安を繰り返しているので、ここは頭に入れておきたい。ただし、順番的には2018円はドル高継続の年となる。

 そこで今後1週間の相場レンジは、ドル円は112.80-114.80円と予想。一方ユーロは、対ドルでは1.1500-1.1700、対円で131.50-133.50円と予想する。
(2017/11/1、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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