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第274回~日銀の年~

2018年01月10日

 2018年は早くも波乱含みで始まった。日銀の長期国債購入金額の減額が引き金となり、日銀の緩和終了が予想より早いのではないかとの思惑が円買いを誘っている。この動きが海外から出ていることに問題の核心があり、これこそが今年1年のメインテーマだと考えている。

 さて、2018年は112.67円で始まったあと、113.38円までドルは買われた(1/8)が、今日は昨年12月1日以来の111円半ばまでドルは下落している。その要因の一つに、米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想に届かなっかことによる失望売りがある。一方で、米ドル指数は上昇、米ドル金利(10年国債)も2.57%に上昇(2017年末は2.41%)と強含み推移である。本来ならばドル高になってもおかしくない。そのような状態でのドル円の下落である。

これはドル安でなく円高だ、とみている。この根底にあるのは日銀の金融政策変化に対する先読みである。今年は日銀にとっては節目の年、世界中の参加者が、いつ緩和政策から転換するか注目している。合わせて4月8日任期満了となる黒田総裁の後任問題も大きなイベントだ。そしてその前3月19日に任期が到来する副総裁人事も気になる。金融政策の連続性を考えれば黒田総裁は再任される、との見方が多いが、副総裁人事も重要と、個人的には考えている。

 この人事の前に、展望レポートの中間評価が予定されている今月の金融政策決定会合(1/22~23)に注目したい。米欧に先駆けて、一足早い開催である。2年前の2016年1月会合には、マイナス金利の導入が発表された。これまで黒田総裁はリバーサルレートについて言及しているが、政策変更の前に、事前にアドバルーンを上げることは普通のことと考えれば、これまで以上に政策変更の発表は近いのではないかと、注目度が高くなっている。

まして、大きな路線の変更となれば、影響をできるだけ抑えるために、事前に徐々に考え方を明らかにしておくことは、市場とのコミュニケーションを保つために重要なことである。海外の投資家は、一つの言葉により神経質になるのは普通である。日本にいて米国の経済実態を知るために、ニュース(特にヘッドライン=見出し=)に反応するのと同じ感覚である。

物価動向もその考え方を後押ししている。日本の消費者物価は、コア指数(生鮮食料品除く総合)が、毎月徐々に上昇している。2017年1月が+0.1%だったのに対し、先月発表された11月は+0.9%と、欧米に比べれば、まだ低いものの、上昇傾向にあることは間違いない。原油価格の上昇など現在の物価動向を見れば、今後上昇していくことは容易に想像できる。日銀が目標としている2%への到達には時間がかかるとはいえ、2018年度には達成する可能性が見えてきたといってよい。

今年は、世界の投資家が日本に熱い視線を送っていることが、海外の友人からの便りにひしひしと伝わってくる。

今後1週間の相場レンジとして、ドル円は111円~113円、ユーロは、対ドルで1.1850~1.2050、対円では132.50~134.50円と予想している。
(2018/1/10、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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