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第287回 ~トルコの買いチャンスを探す~

2018年04月18日

 ドル円の値動きが小さい間に、トルコを考えてみた。
 その前にドル円について。4/5に107円台を回復して以来、107円ばさみで、小動きが続いている。株も上昇傾向を維持しており、日経平均株価が2月28日以来の22,000円超えで引けたことも明るい材料だ。3月までの暗いムードから一転、4月はリスク選好の取引が優先している。

 4月という新しい期の始まったことを契機に、相場動向も、ファンダメンタルズも、地政学的リスクも、それまでのドル円に悲観的な材料が、オセロゲームに似て、ことごとくひっくり返り、これで円高に変わる可能性は小さくなったとのポジティブな見方が増えてきた。では、これで円高懸念は消えたのであろうか。

 個人的には、円安の前に、一回は円高が起こるとの考え方は変えていない。105 円割れだけでなく、瞬間であっても、真空地帯と言われた101.50円までの窓を埋める場面が出てくると予想している。その理由は、4月に入って季節要因があることを差し引いても、あまりにも同時、かつ画一的に市場の空気が変わったと見られるからである。何が出てくるかという警戒心を持ちつつも、トランプリスクも縮小しているが、経験的に、「皆、気持ちがよくなった時こそ用心しろ」という言葉があり、筆者はいま、まさにそんな気持である。

 昨日からの日米首脳会談は、貿易問題や北朝鮮問題とも無難に、というより、あたかも問題の解決は近いとの雰囲気も伝わってくる。しかし政治は最後の一瞬まで油断はできない。107円前半で膠着状態が続いていることが、参加者の疑心暗鬼が残っている何よりの証左といえよう。

 さて、話変わって、今トルコの動向が興味深い。10年以上もトルコリラは下落を続けている。この傾向がすぐ方向が転換するとは思えないが、世界的な金融緩和からの大転換が起こりつつある中で、為替市場の流れもまた変わってくる可能性がある。現在のトルコリラ相場は、歴史的な最安値圏にある。対ドルでは2008年1月を高値(1米ドル=1.1436リラ)に今日まで下落を続け、先週4月11日には、4.1935リラの最安値を付けた。対円でも2007年10月の高値1リラ=99.58円から、先週4月11日には、25.43円までリラは下落した。

 ファンダメンタルズでは、トルコを一言でいえば、高金利で、成長率も物価も高い国である。10年国債は13%超、GDP成長率は2017年は前年比+7.4%(トルコ統計局発表)と、中国やインドより高い。しかし消費者物価も10%超であり、地政学的にも不安定であり、格付けも投機的水準のBa2(ムーディーズ)まで低下、リラを買って行けない。

 ただ、テクニカル的には、売られすぎの感じがする。対円で見れば、まず、3/22、4/11とも大きく売られ、日々線との乖離幅がそれぞれ約7%,5%と拡大した時は、必ず買い戻され、21日線に近づいている。また今年1月10日から続いてきた21日線(今日現在26.4円)をレジスタンスとした日々線も、最近は徐々に21日線を超えようとする兆しも見える。金利差もあり、リラ買いを考えるいい水準かもしれない。

 今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は106.00円~107.50円、ユーロは、対ドルで1.2250~1.2450、対円では131.50~133.50円と予想している。
(2018/4/18、小池正一郎)

*来週は、出張のため休載とし、次回は5月2日となります*


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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