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第293回 ~政治からの円安危惧~

2018年06月06日

 ドルと円の一心同体ぶりは今週も続いており、「日本はアメリカとともにある」という安倍首相の言葉通りの相場展開となっている。円以外の通貨で見れば、ドルは売られているが円に対しては上昇。このドル高円安の背景には、先週末の雇用統計や景況感(ISM指数)の強さもあり、6月FOMCでの米ドル金利の利上げ確率が増加、日米金利差が拡大するとの見通しが支えている。

 しかし、それに加え政治面でのドル買いを見越した流れも無視できない。安倍首相がG7サミットの前にトランプ大統領と会うが、今のままでは、湾岸戦争の二の舞、多額のお金を支払わなければならなくなる。来週の米朝首脳会談の行方、さらに言えば、結果としてのドル買いの大きさの行方を見つめているからだ。

 さて、先週5月29日を高値に、ドル指数も円も先週水曜日から売られ、連日安値を切り下げている。ドル円でいえば、2週間ぶりに110円を本格的に超えてきた。ユーロ円も、5月29日の安値124.61円から2週間ぶりに129.50円をこえるところまで急ピッチに回復、円の弱さが際立っている。円がこのまま売られていき、ドル円がNY市場で200日移動平均線(110.18円)を超え110.20円以上で終えることになると、ドル上昇の勢いが増し、111円を目指す展開が予想される。

 今後一週間は重要イベントが続く。総合的には、短期・ドル高要因の結果を予想しているが、最悪事態は回避されるものの、不安定な状態は当面続くと読んでいる。
 筆者の個別見通しは下記の通り、
・日米首脳会談(6/7):日朝問題解決に資金拠出要請を受けると危惧
・G7サミット(6/8-9):貿易戦争を中心に米国が孤立。米国への説得は不冴え。
・米朝首脳会談(6/12):事前協議で大枠決定。朝鮮戦争終結。日本置き去り懸念。
・米FOMC(6/12-13):今年2回目の利上げ
・欧州ECB(6/14):10月以降の債券購入金額減額発表
・日本BOJ(6/14-15):現状維持

 一方、ユーロはV字回復となっているが、米国が堅調な経済を維持しているのに比べ、欧州は物価は上がらず景況感も低下、景気は思わしくない。加えて、最悪事態は脱したとはいえイタリアや、スペイン、ギリシャの南欧の政治経済状況は問題山積である。したがって一方的なユーロ回復が続くとは思えない。
 今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は109.00円~111.00円、ユーロは、対ドルでは1.1600~1.1800、対円では127.50~130.50円と予想している。
(2018/6/6、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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