FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第353回 ~攻めのECBと待ちのBOJ、我が道を行くFRB~

2019年09月11日

「9月は円安」(8/29号)と予想した通りの展開となっている。理由は簡単。ドル安要因の減少で、ドルの買戻しが拡大したことだ。今日(9/11)には、107.85円までドルは買われ、8/1以来のドル高値水準となった。昨日、トランプ大統領がツイッターで発表した、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)解任のニュースもドル買い理由となった。強硬派が去り、対話路線が重視されるとの見方である。

前回ドルが急落したのは、米中の追加関税報復合戦が激しさを増したことが要因で、8/1にはドルが109.30円から107.22円までに2円余りも急落した。それ以降米中問題がドル変動の主要因となったが、先週半ばから、話し合いが再開されることが明らかになり、当面これ以上の悪化は避けられるとの期待からドルの買戻しが続いている。

また、もう一つの要因であった米金利の低下も底打ちから上昇に転じたこともドル買いをサポートした。米10年国債利回りは、先週9/3の1.431%から徐々に上昇し、昨日9/10には、1.747%まで上昇し、約1か月振りの水準まで戻った。これまでのリスクオフで買われた商品がすべて逆転、市場はリスク選好となり、債券、金、円、スイスなどを売り戻した。一部には9月決算のために利益実現も加わったようだ。金は、9/4に1,557ドルの約6年ぶりの高値を付けた後、9/10には1,484ドルまで売られ、8/13以来の安値となった。スイスフランも8/1以来の安値を記録した。

問題はこのセンチメントがどこまで続くかであるが、喫緊の関門は、欧米日の中央銀行の政策決定がある。まず12日にはECB(欧州中央銀行)の理事会が開催される。ドラギ総裁の任期終了(今年10月末)まで今回を入れて、あと2回、最後は10/24だが、政策変更となれば、退任する直前よりも、今回のほうが実行しやすいと判断される。

前回の会合から、再緩和を行うことが示唆されているので、金利引き下げ、証券購入、金融機関へのマイナス金利での貸し付けなど、幅広いメニューで緩和基調を強めるものとみている。ユーロ相場については、これら政策変更は、相当部分織り込まれているので、よほどこれ以上のサプライズがなければ、材料出尽くしとなりユーロは上昇する可能性が高いと予想している。

しかし、これでユーロは底打ち、とは考えていない。先週ユーロとポンドは、セルオンラリー(上がったら売り)と書いたが、売りのタイミングはもう少し後ろになると予想している。景気動向、政治動向とも不安定さは続いている。当面落ち着いたとはいえ、イタリア問題も燻っているし、ドイツからも目が離せない。

そして来週は米FOMC(9/17-18)、日銀(9/18-19)が続く。筆者の予想は、FOMCは0.25%の引き下げで、今年あと1回の利下げ余地を残す。BOJは、円相場が105円を割り込まないのであれば変更なしと予想している。安倍改造内閣の政策、消費税増税後の消費、物価動向をみたうえで政策変更を行う、ということにして、緩和余地を残しておきたいと考えるだろう。

さて、1週間の予想レンジは、ドル円は、当面107円ばさみで106.20~108.20円と予想。またユーロは、ECBの再緩和出尽くしで、1.0950~1.1150、対円では118.00~120.50円と考えている。また英ポンド/ドルは合意なき離脱に対する混迷を背景に乱高下し、1.2150-1.2450と予想している。
(2019/9/11, 小池正一郎)

※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第353回 ~攻めのECBと待ちのBOJ、我が道を行くFRB~