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第381回 ~緊急事態宣言‐その後~

2020年04月15日

新型コロナウイルスの爆発的な拡大が止まらない。そんな中、日本政府は、4月7日に非常事態宣言を発令、そこから一週間経過した。感染者数は増加を続け、収まる気配がない。これが金融市場に何を意味するか、改めて考えてみた。

4月7日から15日までの終値ベースで比較すると、日本株は600円高、10年国債は0.013%上昇、ドル円は1.30円の円高(4/15日17:30現在)であった。リスクオフ/オンの見方でいえば、為替相場面ではリスクオフと言えるが、株高、金利高であることから、リスクオン相場でもある。

まず、新型コロナウイルスの感染状況を調べると、世界全体で、感染者は1,983千人(米ジョンズ・ホプキンス大、日本時間4/15 15:45現在 )とほぼ2百万人となった。3/31が857千人だったので、2週間余りで100万人以上増えたことになる。一方、日本は、感染者数が8,903名(NHK調べ、4/15 10:30am現在)と世界の0.45%という少なさだ。なくなられた方の数でいえば、世界が126.8千人に対し日本は174名と割合はわずか0.13%ともっと少ない。

ここから言えば、日本の被害は少なく、経済的に見ても被害は小さいのではないかと推定できる。定期的に米国の友人とメールを交わしているが、日本の少なさに驚きとともに、「この数字は本当か?」との質問もある。ただデータ至上主義の米国市場の点から言えば、出てきた数字をベースに考えざるを得ないという。とすれば、日本は相対的に安全な国との見方になり、グローバルな市場においての安全資産として円買いとなる。

そして、円高要因ともいえる材料がまた出てきた、IMFが経済経済見通し(World Economic Outlook)で明らかにした2020のGDP成長率である。予想されていたとはいえ、ここまで落ちるのか!という下落幅だった。世界的に、テレワークが当たり前の今、世界中で同時ライブ中継された。

世界全体で▲3.0%(今年1月予想からの変化▲6.3%、以下同じ)、米国は▲5.9%(▲7.9%)と前年比8.2%の縮小見通しであったが、ユーロ圏は下落幅は▲7.5%(▲8.8%)と、より大きい。中でもイタリアが▲9.1%(▲9.6%)、スペインが▲8.0%(▲9.6%)と2019年比それぞれ9.4%、10.0%の縮小見通しだ。一方日本は▲5.2%(▲5.9%)と大きいが、先進国の中では最小だ。ちなみに中国は+1.2%(▲4.8%)の見通しだった。少なくとも円にはポジティブなニュースである。

しかし、このまま円が強いままであろうか。個人的にはこのまま進むとは思っていない。そしてこのような思案の中、一冊の本を思い出した。「大暴落~ガラ~」である。幸田真音さんが3年前に発表した大著であり、この中に「緊急事態宣言」の章がある。天候異常をテーマにした政治・経済小説であるが、あわせて初めての女性総理大臣の誕生と、金融市場の大暴落の様子が見事に描かれている。

中に、為替相場について、通常では、考えられないような描写がある。前日の東京市場の終値が103円だったところ、海外市場を回って戻ってきたときは、137円台。誰もがパニック状態。とある。それは、大洪水で首都東京の広範囲で浸水、日本経済が壊滅的な被害をこうむることで、日本から資金が大量に流出するとの恐れから、日本全面安、株売り、債券売り、そして円売りが起こるとの話である。現在の市場では一晩で30円以上も動くことはほとんどありえないが、10円(10%)以上となると、可能性はゼロではない。筆者は1978年のカーターショックのときNY市場にいて、一日で20円(180~200円)変動した嵐のような日が忘れられない。

今後1週間は、ドル円は、106.80~108.80円。またユーロは、対ドルでは、1.0900~1.1100、対円では116.50~118.50円、英ポンド/ドルは、1.2400-1.2700と予想している。

(2020/4/15, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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