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第389回 ~中期見通しの中間評価~

2020年06月24日

2020年も半分すぎ、今年も中長期見通しの時期がやってきた。毎年12月に主にドル円について今後5年間の見通しを、他の金融相場については翌年の相場見通し(レンジ)を出しており、6月末にはその中間見直し・評価を行っている。

今年もその作業中だが、昨年12月にどのような見通しを出していたか振り返ってみた。当然ながら、新型コロナウイルスの出現は全く想定していなかったが、2020~2024年の世界政治経済展望として昨年末に考えた大きな視点は下記の通りであった。
(1)メインシナリオは「トランプは再選。しかし米国は世界の孤児になり、日本も一心同体リスクあり」。
(2)ニューエコノミーへの対応 として、
・再選を狙うトランプ大統領のルールなき政策発動による続く市場の混乱
・上がらない物価と低い成長率に新しいアプローチを模索する中央銀行
・キャッシュレス決済の拡大で変わる金融構造と通貨の概念
・デジタル・トランスフォーメーションの進展で国家間競争の激化
(3)政治混乱への不安 として、
・米保護主義の先鋭化で、激化する米中ソの覇権争い
・リーダーのいない欧州内の主導権争い(孤独英国、落日の独、吠える仏)
・鬼のいぬ間のアセアン・アフリカの台頭
・成長しない日本の立て直しに早期首脳交代論(任期:安倍首相21/9)

また、国別、地域別では、
①米国:民主党主導の弾劾裁判は不成立となり、好調な経済を背景にトランプ大統領は再選。しかし、後半はレームダック化。
②日本:物価上昇せず緩和政策は長期化。緩和出口は2021年。リスクオフの円買いは残るが、日米共同政治リスクで円安仕掛けも。
③欧州:英国のEU離脱は、曲折あるが2021年実現。新リーダー探しで政治経済混乱続き、ユーロ軟調は長期化。パリティも。
④アジア:中国の世界覇権戦略(一帯一路、軍事、通貨)が着実に進行。ASEANを加えアジアの時代が到来。
⑤リスク:トランプが弾劾裁判に嫌気して突如辞任。米リセッション入り。原油価格軟調。大型テロ多発で世界不安定化。日本の政治社会混乱。

この展望を受けて2020年は102円~115円(年末110円)とした。その後は2022年まで100円割れはなく120円までの円安を想定。しかし2023年以降はドル安に転じ、85円までの円高があると想定した。

その背景として予想した要因は、ドル安要因として、トランプ大統領の再選が前提だが、2024年まで通して米国仕掛けの貿易戦争が継続、米景気後退で利下げ、米財政赤字大幅増によるインフレ懸念、円高要因としての世界的なリスクオフイベントの続出である。一方ドル高要因として、トランプ再選戦略(大規模減税、財政支出)実行によるトランプラリーの再現、欧州不安によるユール安ドル高、日本の更なる大規模緩和による円安がある。

相場予想を含め、個別の中間見直し・評価は作業中だが、大まかにいえば、⑤リスクについて、トランプ辞任見通し以外は、ほぼ予想通りで、まさに懸念したことが起こったということになった。これに新型コロナウイルスの世界的な拡大、経済活動の停止が加わる。今後の見通しには、大きな変更が必要になる可能性が高いが、これは改めて書きたい。

さて、今後1週間は、ドル円は106.00~108.00円と予想。またユーロは、対ドルでは前回と同じ1.1200~1.1400、対円では118.50~120.50円と予想、また英ポンド/ドルでは、1.2350-1.2650と予想している。

(2020/6/24, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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