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市場養生訓

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第762回

2019年03月19日

 金利の変更が100%予想されなくてもFOMC(米連邦公開市場委員会)は世界の市場で最も注目される政策委員会であることには変わりない。ドルは世界の基軸通貨であり、外為市場では全体の9割近くがドル絡みの取引であるとの圧倒的事実があるからだ。

 今日から二日間のFOMCが開かれる。ポイントはこれまで進めてきたバランスシートの削減を止めるスケジュールを明確にするかどうかだが、こうしたことを通じて金融政策の転換の度合いと位置を市場は読み取りたいわけだ。

 今のところ年内でバランスシートの削減は終了するとの見方が多いが、金利(フェドファンドレート)については、しばらくは現状維持で変更はないとの見方が主流だ。FOMCの委員の中では依然として今年中に一度の利上げを見る者も複数いる。

 一方金融市場では様相は異なる。最近、緩和基調の見方が増えてきた。フェドファンドの先物レートから類推する可能性では、今年12月には利下げを見る市場参加者が4分の一以上になった。来年1月では3割近くになる。1か月、あるいは1週間前と比べても倍近くに増えた。

 政策当局者と金融市場では金利見通しに違いがあるのは珍しくない。傾向としては政策当局者より金融市場は緩和的な見方が多い。量的緩和政策以降を見ると、金融市場の見方に政策当局者が近づくことが度々あった。だが昨年のように逆の場合もあった。

 為替レートとの関係で見ると、バランスシートの削減を止めることは株価などの資産価格への影響は大いにあるが、為替レートにはあまりない。もちろんそれが金融政策の転換、その延長線上に金利の変化が想定される場合には影響はある。為替レートに影響するのは金利差だ。

 その点ではFOMCで金融政策の転換が明示され、金融市場の12月や1月の利下げの可能性がさらに増すことになれば、為替レートへの影響がはっきり出てくるだろう。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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