FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

市場養生訓

最新の記事

第806回

2020年03月03日

 リーマンショック以来の市場の混乱と言われる、確かに先週の株の下げはそうだった。だがリーマンショックの時はマネーマーケットで金利が急騰し、流動性に問題が生じ、信用危機の連鎖が起きた。
 だが今回のコロナウイルスショックでは金利の急騰はないし、流動性問題も発生していない。むしろ金利は低下傾向にある。
 米国の10年債のイールドは昨日1.03%まで低下した。もちろん史上最低だ。英国の10年債も0.41%水準と低い。ドイツや日本の10年国債はそれぞれ-0.61%、-0.10%とマイナス金利に沈んだままだ。
 今後の米国の短期金利の見通しも低下傾向が強まるばかりだ。今月予定されているFOMC(米国公開市場委員会)では、利下げが確実視されている。直近のフェドファンドの先物レートから類推する可能性では、利下げは100%になっている。しかも0.5%の幅だ。普通は0.25%だが、それだけ利下げの強い必要性を金融市場の参加者は見ている。
 6月のFOMCでも再度の0.25%以上の利下げの可能性が87%と高い。12月にも3度目の利下げをする可能性が65%もある。現行水準から1%以上の金利低下になる。
 こうしたドル金利の低下見通しは為替にも影響を与える。ただ現状を見ると円やユーロには影響はあるが、新興市場国通貨に対しはそれほどでもない。それは現状の為替市場が他の要因の影響も受けているからだ。
 一つはリスクオフの取引だ。ドル、スイスフラン、円などの安全通貨を買い、新興市場国通貨を売る取引になる。もう一つはキャリートレードの巻き戻しだ。ユーロ、円、スイスフランなどの低金利通貨を売って、高金利の新興市場国通貨を買うキャリートレードのポジションが積み上がっていた。そのポジションの巻き戻しだ。これはリーマンショックの時もあった。(正確にはサブプライムローンの破たん時だ)
 この三つのベクトルの総和で現状の為替レートは動いている。今後はその中でもドル金利のベクトルが強まる可能性がある。但し現在のコロナウイルスショックがグローバルな信用危機に繋がる事態になるなら別なシナリオになる。その場合はドル需要が高まるからだ。

このページの先頭へ

2021年07月27日
2021年07月20日
2021年07月13日
2021年07月06日
2021年06月29日

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会