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市場養生訓

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第814回

2020年05月19日

 金価格が上昇している。昨日はリスクオン取引が広がる中で30ドル以上下落して直近では1オンス1,731ドル(COMEX,先物)だが、依然として先月の年初来高値に近い水準だ。金は年初来高値($1775)を付けた後$1700前後まで下落したが、再上昇してきた。
 金上昇の背景には、世界景気の後退と不確実性の長期化、大幅な金融緩和と低金利の広がり、新型コロナウイルスによる採掘制限に由来する供給不足、通貨体制への不信,などが挙げられる。
 しかしすべてが金価格の上昇を支える要因ではない。金は一般的にはインフレヘッジの手段として認識されている。だが現在はデフレ懸念が台頭している。デフレの時は現金が王様だ。現金の価値が上がる。金もキャッシュに換えられる。実際に先月の高値から1700ドル前後まで下落した理由の一つはキャッシュ化の動きだ。
 そこから再上昇してきたのは、上記の金上昇の要因に加えて米中対立の再燃などによるリスクオフ取引の増加がある。金価格の方向性を決めるベクトルはこのように多様だが、今後もそうしたベクトルのいくつかが市場で取り上げられ、その総和が金価格を決定する。
 以上は主に短期的な要因だが、次に中長期的な要因について考えてみたい。通貨体制の不信が金価格に与える影響についてだ。
 昨年あたりからロシアや中国は金のポートフォリオを増やしている。現在のドル基軸体制への不信からだ。これは米国が基軸通貨ドルを経済制裁の手段として外交、国際政治に利用し始めたからだ。
 こうした米国の外交。政治姿勢に対する反発はロシア、中国に限ったことではない。両国のように明確にドル基軸体制に反発する国々は多くはないが、不満を持つ国は多い。EUもそうだ。
 それは何よりも世界の外貨準備に占めるドルの割合の低下傾向に反映されている。ドルの割合は現在60%程度だが、長期低減傾向にある。遠くない時期に50%台になる可能性は高い。50%台はしばらく続くだろうが、低減傾向がなおも続き、50%割れの可能性が見えてくると、その過程でドル離れやドル不信それに現行通貨体制の修正や改革の機運が急速に盛り上がる可能性がある。
トランプ政権の内部でも金本位制に前向きな論者がいる。その実現性は大いに疑問はあるものの、そうした問題が浮上すること自体が金の需要を増すことになる。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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