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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第594回 寛容なECBはユーロ高を容認?

2017年08月28日

 先週25日、米ワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウムにおいて、FRBのイエレン議長とECBのドラギ総裁がともに講演した。その結果、市場ではドル売り優勢の色合いが俄かに強まり、ユーロ/ドルは一時1.1941ドルと、2015年1月6日以来およそ2年7カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準をつけるに至った。
 イエレン議長が年内の利上げ観測を後押しするような発言を行わなかったことと、ドラギ総裁が足下のユーロ高をけん制するような発言をしなかったことが主な理由となった模様。無論、それでユーロを買い、ドルを売ったのは市場の勝手であり、それが必ずしも正しい判断であったとは言えないだろう。
 周知のとおり、毎年8月下旬に催される「ジャクソンホール(会合)」は、米カンザスシティ地区連銀が世界中から中央銀行関係者やエコノミストを招いて行う年次経済シンポジウムであり、主に世界経済全体が抱える問題や課題について、その解決策などをともに議論する、やや“高尚”な場である。実際、2017年のテーマは『ダイナミックな世界経済の促進』で、世界的な生産性の伸び悩みや保護主義の高まり、更なる緊縮財政が求められる局面での経済成長促進などという難解な課題と向き合うことを主眼に置いている。
 そのような場において、個々の国や地域の金融政策の現状や今後の方針などについて細々(こまごま)と言及するのは、少々“下衆”なことではある。だからこそ、イエレン氏やドラギ氏もFRBやECBの個々の政策についての言及を極力避けたのだろう。
 それにも拘らず、とにかく市場は「(ある特定の注目事項に関わる)言及がなかった」と大騒ぎして、ただ刹那的にユーロ買い・ドル売りという行動をとった。これは、ともすると本質からかけ離れた行動となりまねない。「それも相場なのだから仕方がない」と言ってしまえばそれまでだが、ここはしっかり考察しておくことが必要であろう。

 そもそも、今足下でそれほど強くユーロを買い進む確たる理由が一体どれほどあるだろうか。もちろん、為替は相対的なものであるから、これはドルが弱過ぎる結果と言える部分もある。少し振り返ると、7月開催のECB理事会の声明文には「見通し悪化の場合、量的金融緩和(QE)の規模と期間を拡大する」との文言が残され、さらに「金利はQEの終了後もかなりの期間現行水準に留まる」などと記されていた。
 また、理事会後の会見でドラギ総裁は「景気拡大はまだ物価に波及していない」、「基調インフレ圧力は引き続き抑制されている」など、かなりハト派寄りの発言を繰り返していたのである。さらに、8月17日に公開されたECB理事会議事要旨では、理事会メンバーらが足下のユーロ高の悪影響を危惧していることも明らかにされた。
 危惧するのは当然のことであり、確かにユーロ高の状態を長らく放っておけば、域外への輸出が徐々に先細って行きかねない。その結果、域内の景気拡大が足踏みする可能性も大いにあろう。何より、ユーロ高なら域内における輸入物価は下がりやすくなり、結果として域内のインフレ圧力が低下傾向を辿ることで、ECBが金融政策を引き締め方向に見直す必要性も低下する。とどのつまり、ユーロ高を放置しておくと、いずれは見る見るユーロ買いの材料が目の前から消えて行くこととなるのだ。
 あらためて確認しておくが、参加メンバーらが足下のユーロ高に対する危惧を示した直近のECB理事会は、7月20日に行われたばかりなのである。その約1カ月後に行われた「ジャクソンホール」で、たとえドラギ総裁がユーロ高をけん制する姿勢を示さなかったからといって、それで「もはや(寛容な)ECBはユーロ高(に伴う悪影響)を危惧していない」とはならない。
(08/28 08:50)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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