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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第602回 基本ドル強気の展開が続く…

2017年11月06日

 結局、10月のドル/円の月足・終値は31カ月線(現在は113.46円に位置)を辛うじて上抜ける格好となった。年初からずっと同線に上値を押さえられ続けてきたことを考えれば、だいぶ強気の流れになってきたと言えよう。
 当座は、まず「この31カ月線が今度は下値サポートとして機能するようになるかどうか」に注目しておきたい。とりあえず、11月に入ってから先週3日までは同線が位置するところを下抜けることなく推移している。もちろん、同線を下抜けるケースも大いにあり得るわけで、その場合は21日線が目先のサポートとして意識されよう。

 また、ドル/円が一段の上値を試す展開となった場合は、やはり直近(10/27)高値が位置する114円台半ばの水準が意識されやすいと見られる。先週末3日も一時は114.43円まで上値を伸ばす場面があったが、そこは目先の上値抵抗とも言えるところであり、案の定、同水準あたりで上値が押さえられる格好となった。
 周知のとおり、ドル/円の114円台半ばの水準というのは、今年5月高値や7月高値が位置するところでもあり、一つの重要な節目として注目度は高い。それだけに、仮に同水準を上抜けた場合には、そこから一段の上値余地が拡がりやすくなるだろう。目先は、まず115円前後の水準が意識されるだろうし、上抜ければ今年3月高値の115.51円が視野に入ってくることになるものと見られる。
 先週末3日も、米株市場では主要3指数がすべて過去最高値を更新しており、突発的な悪材料が飛び出したりしなければ、ドル/円の115円台乗せはさほど難しいことではないと思われる。ただ、今週は米大統領が日本やアジア各国を訪れる予定となっており、ことに7日はトランプ氏が韓国に飛ぶことから、北朝鮮の出方はやはり気になる。
 なお、このほど次期FRB議長にFRBパウエルFRB理事が指名されたが、そのこと自体が今さらドル売り材料視されることはなかろう。事前はハト派な人物像が取り沙汰されることもあったが、議長就任後の政策運営は現実路線で行くと見ておけばいいだろう。タカ派とされるウォーシュ元FRB理事やテイラー教授に比べれば目先的な対応姿勢は緩和的に映るかもしれないが、その方が少し長い目では景気刺激的であるとも言える。
 ちなみに、今週は7日に9月分の「米求人・労働異動調査(JOLTS)」の結果が発表される。米企業による「求人」の件数は依然として過去最高水準での推移を続けていると見られ、また自発的な「離職」の件数も高止まりを続けている模様である。結果、この年末年始あたりから米国における賃上げの傾向が一層明らかになってくることが期待される。

 一方のユーロ/ドルについては、前回指摘したとおり、今年7月下旬あたりから形成してきたと見られる「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊天井)」のネックライン水準=1.1660-70ドル処を下抜けて以来、テクニカル分析のセオリーどおり、同水準が当面の戻りの限界として意識されているように見える。
 一方で足下の下値は1.1600ドル処でサポートされており、意外なほど底堅いといった印象もないではない。良くも悪くも、ここもとはユーロ固有の材料に乏しいことがユーロの値動きを小幅なものに終始させている要因であると言え、今後あらためて欧州政治の混迷にスポットがあたる機会などが訪れると、そこで再び「中期的な目線は下」と再認識させられることになるのではないだろうか。
 前回も述べたように、三尊天井が完成した後の中期的な下値の目安は、セオリーに基づいて計算すると1.1200ドル台前半あたりということになる。考えてみれば、今年1月安値から直近(9月)高値までの上昇に対する50%押しの水準が1.1217ドルで、やはり1.1200ドル台前半であり、当面の目安と見なされやすい。
(11月06日 08:50)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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