FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第910回 週明けの日本株安の影響に要警戒!
外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第910回 週明けの日本株安の影響に要警戒!

2024年09月09日

 先週末6日に発表された8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)の前月比の伸びこそ予想を下回ったものの、失業率は前回より低下し、平均時給も前回よりアップしていたことから、雇用統計自体への市場の反応は比較的落ち着いたものとなった。
 ところが、その後に米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーラー理事が「適切であれば利下げの前倒しを支持」、「現在の一連のデータは行動を必要としている」などと発言したことで、俄かにドル売りが加速。一時的にもドル/円が141.76円処まで下押す場面も垣間見られた。
 この日の安値は、直近(8月5日)安値=141.68円に顔合わせとなるもので、当面は同安値水準、あるいは一目均衡表の週足「雲」下限(現在は140.77円)が下値の目安として意識されやすくなるものと見られる。なお、この週足「雲」下限の水準は23年1月安値から今年7月高値までの上昇に対する61.8%押しの水準にも近く、その下方には昨年12月安値=140.25円も位置する。
 つまるところ、140円半ば前後の水準というのは複数の節目が重なるところとして意識されやすく、基本的には下値サポートとして機能しやすいと見られる。ただ、ウォーラー理事の発言を受けて6日の米主要株価指数がいずれも大きく値を下げ、連れてCME日経平均先物も大幅安となったことは週明けの日本株市場に暗い影を落とす。
 日経平均株価は先週2日に一旦3万9080円まで値を戻したが、そこには「予想PER=16倍の壁」が立ちはだかり、もともと目先的に戻り一巡との感が強まっていた。また、8月6日以降の戻りがかなり急ピッチであったため、先週は騰落レシオ(25日)が一時130を超えるなど、短期的な高値警戒シグナルが灯っていた。
 そんななか、CME先物が大幅安となったことで、週明けの日経平均株価は一旦大きく値を下げる公算が大きい。先週末まで下値を支えていた52週移動平均線などの節目を明確に下抜ければ、仕掛け的にドル/円にも売りが浴びせられやすくなると見られる。

 今週発表される8月の米消費者物価指数(CPI・11日)や生産者物価指数(PPI・12日)の結果に対する市場の反応にもよるが、今のところ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利下げ幅は0.25%ポイントに留まるとの見方が優勢となっている模様。仮にそうなれば、市場は一旦“安堵の表情”を示す可能性が高いだろう。
 足元の市場は、あまりにもリスクに過敏になっており、それだけ大幅利下げの実施決定はハードルが高いと思われる。むろん、目下の米国経済がそこまで深刻な状況にあるわけではないだろうし、年内に追加利下げの決定を下す機会はあと2回ある。
 再認識しておきたいのは「金融政策は常に景気(実態)の“後追い”となるのが宿命」ということである。誤って“先回り”してしまえば、その政策自体が景気を冷やす役回りを務め、むしろ政策意図とは逆の方向に景気が走り出してしまうからである。
 もちろん、政策担当者らも「そんなことは百も承知」であろうし、今回のFOMCにおいても冷静かつ適切な判断が下されるものと個人的には期待する。

 今週12日の欧州中央銀行(ECB)理事会における追加利下げの実施は既に織り込み済みとなっており、そのこと自体が対ユーロでのドルを強気に傾かせる可能性は低い。6日のユーロ/ドルは長めの上ヒゲを伴う陰線となったが、それは同日の米株の大幅下落に伴う一時的なリスク回避のドル買いであったと解釈される。
 今週、ドル売り・円買いの流れに歯止めをかける可能性があるものと言えば、金融経済懇談会に出席する中川日銀審議委員(11日)と田村日銀審議委員(12日)の発言ということになろうか。タカ派とされる田村氏は、3月に予想外のハト派発言で円売りを誘った“実績”があり、その注目度は高い。

(09/09 07:00)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第910回 週明けの日本株安の影響に要警戒!