昨日はトルコ中央銀行と南アフリカ中央銀行の政策金利発表があり、どちらもサプライズな結果となりました。
トルコ中央銀行は政策金利の1週間物レポレートを0.75%下げ11.25%としました。予想は11.5%への利下げでした。12月のインフレ率が11.84%だったことで、実質マイナス金利を避けるために小幅な利下げが予想されていましたが、それを上回りました。
12月の通貨安から据え置きの観測もあったのでややサプライズ感はあります。
声明文では「インフレ見通しは引き続き改善し、インフレ予想は広範囲にわたる低下を維持した」「インフレの経過は年末のインフレ予測と概ね一致していると考えられます。したがってインフレ見通しに影響を与えるすべての要因を考慮して、委員会は政策金利を慎重に低下させることを決定した」と述べています。
トルコのインフレ率は2018年10月に25.24%まで上昇しましたが、その後は低下し2019年10月に8.55%に低下しました。その後11月は10.56%、12月は11.84%に上昇しています。インフレ率の低下がトルコ中央銀行の利下げ余地を生み出しました。これによって2019年7月の利下げをはじめ24%から19.75%、9月に16.5%、10月に14%、12月に12%と4回利下げしましたが利下げ幅は縮小しており、そろそろ据え置きに転換するのではないかと思惑もありました。
ただここで大幅な利下げをすると実質マイナス金利になるとともに通貨安の引き金になることも懸念されました。そこで0.75%と予想の0.5%は上回りましたが、最近では小幅な利下げになったことは為替市場でトルコリラ買いの材料になりました。声明文で政策金利を慎重に低下させると宣言したことも好感されました。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
TRY/JPY 4時間足BIDチャート
チャートはトルコリラ円の4時間足、一目均衡表、RSI(上がデイリーベース、下が4時間足ベース)です。
短期的には利下げがリラ円を上昇させています。1月14日の高値18.775円を上抜けしつつありますが、4時間足のRSIが80.956と80を超えてきています。また日足ベースでも74.616まで上昇しています。もう一段の上昇余地はありますが高値圏の警戒感が必要と思われます。
ここを上抜けできれば12月13日の高値18.95円への上昇が予想されます。一方でこのレベルが高値圏になれば18.60~18.80のレンジ継続と思われます。
SARB(南アフリカ中央銀行は予想外の0.25%引き下げで政策金利を6.25%としました。
インフレ率の低下が利下げ環境を整えたようです。
南アフリカに関しては、経済及び物価状況を考えると利下げ期待も一部にはありましたがコンセンサスは据え置きでした。
2月に行われる財政演説で財政赤字の削減の方向性が示されるまでは据え置きが予想されていました。
利下げを受けてランド円は一時7.599円まで下落しましたが、再び7.645エ円に上昇しました。ここのところランド円は7.6~7.66円のレンジで推移しています。トレンドが出てこない中で今しばらくこのレンジでの動きが想定されます。