FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

YEN蔵の外国為替見聞録

最新の記事

地政学的なリスクが懸念されるトルコリラ

2020年02月21日

先週に引き続きドルが上昇するトレンドが続いています。ユーロドルでドル高が進んでいましたが、ドル円が112円台に上昇したことで一段とドルの上昇が進み、ドルインデックスは99.90となり節目の100に近づきました。
ドルの上昇は新興国通貨でも進み、ドルトルコリラは0.61%、ドル南アランドは1.14%、ドルメキシコペソは0.74%上昇しています。
対ドルでは新興国通貨は下落していますが、ドル円が112円台に2%ほど上昇しているために、対円でトルコリラは1.2%、南アランドは0.7%、メキシコペソは1.2%上昇しています。

19日にトルコ中央銀行は政策金利の1週間物レポレートを0.5%引き下げて10.75%としました。6会合連続の利下げとなりましたが、利下げ幅が縮小され緩和局面が最終局面を迎えたのではないかとの観測が広まっています。
事前予想では0.5%の利下げが大勢でした。
声明では「インフレ見通しに影響を与えるすべての要因を考慮して、政策金利をより抑制された幅で引き下げることを決定した。インフレ見通しはおおむね一致していると」と述べました。
中銀はインフレ報告で2020年末のインフレ見通しを8.2%になると予測しています。しかし、1月のインフレ率は12.15%となっており1週間物レポレートを上回っているため実質金利(政策金利から前年比のインフレ率を引いたもの)のマイナスが継続しています。

トルコリラは金融緩和だけではなく地政学的リスクの高まりも下落要因になっています。19日にエルドアン大統領は、シリアのアサド政権軍が反体制派の拠点の北西部のイドリブ県への侵攻を阻止するために、トルコ軍が作戦を開始するのは時間の問題だと語りました。
2月3日にトルコ軍が砲撃を受けて民間人を含む8人が死亡したことで、トルコはイドリブ県の54か所で報復攻撃を行いました。

シリア内戦の解決に向けて協力してきたトルコとロシアですが、イドリブ県ではロシアが支援するアサド政権軍が攻勢をかけており、トルコが支援する反体制派が窮地に追い込まれておりトルコとロシアの関係が険悪になっています。
解決に向けてロシアとトルコの協議は続いていますが、外相会談で即時停戦を求めるトルコに対してロシアとの隔たりは大きく、シリアでロシアとの妥協によって停戦が成立しなければリラの下落材料として続きます。

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント

TRY/JPY 4時間足BIDチャート


チャートはトルコリラ円の4時間足です。18.05円がサポートされ、18.377円がレジスタンスとなり2月以降このレンジがつづいていました。
昨日この18.37円を上抜けして一時18.402円まで上昇しました。
しかしそのレベルを維持できずドル円が112円台に上昇していますが、トルコリラ円は終値で18.336円をつけました。
18.40付近がレジスタンスになると、18.22円付近(一目均衡表の雲の上限)に下落するのではないかと思われます。
18.40付近を抜けられるか否かが上昇の継続を左右するポイントになります。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > YEN蔵の外国為替見聞録 > 地政学的なリスクが懸念されるトルコリラ