今週は全般的にリスク選好の流れとなりドル売りで欧州通貨、オセアニア通貨、新興国通貨が買われました。22日に日銀の臨時金融政策委員会開催が決まったことで金融緩和期待から円も売られました。
新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【トルコリラの材料と予測】
トルコリラは7日にトルコ中央銀行が外銀3行に対してリラの取引を禁止する措置を下したことで1ドル=7.2687の高値からドル売りリラ買いのトレンドが続いています。
トルコ政府の高官がリラの急落に備えて日本、英国、中国、カタールに対して通貨スワップ通じた支援を要請したこともトルコの外貨準備の改善につながるとの期待からリラの上昇をサポートしました。
20日にトルコ政府はカタールと通貨スワップ協定に関して従来の50億ドルから150億ドルに規模を拡大したことを発表し、これを受けてドルトルコリラは一時1ドル=6.7541リラと週の安値(ドルの安値リラの高値)まで下落しました。
この日リラ円も週の高値である15.929円まで上昇しました。
21日にトルコ中央銀行は予想通り政策金利を0.5%引き下げました。1週間物レポレートを8.25%、翌日物借入金利を6.75%、翌日物貸出金利を9.75%としました。
9会合連続の緩和となりましたが感染拡大の影響の最悪期は脱したとの考えを示しました。中銀は声明で緩やかな緩和が実施される可能性を示しながらも、緩和サイクルを一時的に終了させる可能性を示唆しました。
利下げ後のリラは小動きとなっており利下げの影響は限定的となっています。
TRY/JPY 日足BIDチャート
リラ円は下落前の4月2日の安値15.894円円付近がレジスタンスになっています。ここを上抜けると一目均衡表の雲の下限の16.18付近への上昇が想定されます。
おしめの目途としては転換線の15.45、基準線の15.27円付近が想定されます。
RSIも80%付近まで上昇しており、いったん天井圏を予想します。
【南アフリカランドの材料と予測】
南アフリカ準備銀行は21日に主要政策金利のレポレートを0.5%引き下げ3.75%としました。
中銀は今年の南ア経済が7%のマイナス成長に陥ると予想し、消費と雇用をサポートするための利下げと説明しました。決定は全会一致ではなく5人の委員のうち3人が0.5%、2人が0.25%を主張しました。
ハニャホ中銀総裁は消費者物価の上昇は中銀の目標レンジの中間値を大きく下回る。金融政策だけでは潜在成長率を改善させたり、財政リスクを低減したりすることはできないと述べました。
ドルランドはリスクオンの流れを受けて週初の1ドル=18.58ランドから利下げ後は一時17.518ランドまで下落(ランドの上昇)となりました。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は4月6日に5.595円まで下落後は5.595~5.921円のレンジで1か月以上もみ合っていましたが20日にレンジの上昇減を上抜けして利下げを好感して一時6.136円まで上昇しました。
ここからは5.92円付近がここまでのレジスタンス、一目均衡表の転換線が5.915円に位置しており短期的なサポートとなります。ここが維持できれば下落前のサポート5.15円付近を再度試しにいくものと思われます。ここを上抜けできれば一目均衡豹の雲の上限6.53円付近が短期的な目標になります。
【メキシコペソの材料と予測】
ドルメキシコペソも今週はリスク選好の流れを受けて週初の1ドル=24ペソ付近から21日には一時22.7563ペソまで下落(ドルの安値、ペソの高値)しました。
MXN/JPY 日足BIDチャート
ペソ円は4月6日に一時4.22円まで下落し、その後4.22~4.655のレンジで推移していました。21日にこのレンジの上限を上抜けして4.725円まで上昇しています。
4.554円に一目均衡表の転換線が4.486円に基準線が位置しており、このレベルがサポートとして意識されます。
短期的には3月27日の高値4.79円を上抜けできれば、一目均衡表の雲の上限の5.12円付近がターゲットになります。