FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

YEN蔵の外国為替見聞録

最新の記事

新興国通貨もドル下落の恩恵を受け上昇

2021年04月16日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【トルコ中銀据え置き】

トルコ中央銀行15日の金融政策委員会で政策金利の1週間物レポレートを19%に据え置きました。前アーバル総裁の矢継ぎ早の利上げを嫌ってエルドアン大統領が自身の主張に近いハト派のカブジュオール総裁を3月20日に電撃的に就任させました。
カブジュオール総裁はエルドアン大統領同様に金利を下げればインフレ率は下がるという持論を持っていますが、さすがにインフレ率が上昇する中で持論の利下げには躊躇したようです。
トルコ中銀の声明文では価格安定という目的のために利用可能なすべてのツールを断固として使用するとしましたが、必要とあれば追加の引き締めを行うという前回の文言は削減したことでリラは売られた可能性があります。

USD/TRY 4時間足BIDチャート

ドルリラは3月30日に8.4477リラまで上昇後は緩やかにドル安リラ高が続いています。新任総裁の手腕を注目しているようですが4月2日の安値7.98リラが短期的なサポートレベルになり、このレベルは3月20日の安値7.1891~3月22日の安値8.4573の38.2%戻に当たります。ここが下抜けできないと7.98~8.22のレンジが想定されます。

TRY/JPY 4時間足BIDチャート

リラ円は4月に入り13.40円を中心に13.288~13.792円の狭いレンジで推移しています。特に最近は13.288~13.557の狭いレンジでの推移で、引き続き狭いレンジでの動きが想定されます。
チャートは4時間足、一目均衡表、RSI、MACDです


【ドル安の下落の恩恵を受けるランド】

南アフリカの経済指標は緩やかに改善しています。14日に発表された2月の小売売上高は前月比6.9%、前年比2.3%と1月の-3.7%、予想の-1.8%を大きく上回りました。小売売上高は前年比では2020年3月の2.7%以降1月まで-が続きそれ以降で初めてのプラスの数字でした。
13日に発表された2月の鉱業生産も前月比3.8%、前年比0.8%と対前年比で小幅にプラスまで回復しました。
一方で15日に発表された自動車販売は前月比3.4%増加ですが前年比では3.7%の減少となりました。
今週発表された南アフリカの経済指標をみると回復の兆しはありますが、まだ本格的な回復には程遠い状況です。

USD/ZAR 4週足BIDチャート

一方でドルランドはドル下落の流れに乗ってサポートされていた14.43ランド付近を下抜けして2019年12月30日以来の14.1433ランド付近まで下落しランド高となっています。
ここからサポートレベルは12月30日の安値13.9326,2019年7月15日の安値13.8140付近が意識されます。


ZAR/JPY 4週足BIDチャート

ランド円は2018年2月の高値9.28円から2020年4月の安値5.595円の50%戻しの7.44円付近を上抜けし7.681円まで上昇しています。7.44円付近をサポートすれば61.8%戻しの7.87円付近への上昇を予想します。
チャートは4週足、一目均衡表、RSI、MACDです。

【重要法案が下院通過】

14日にメキシコ下院は燃料市場の規制を強化することによって国営企業のペメックス(国営メキシコ石油公社)を優遇する炭化水素改正法案を可決しました。
メキシコはガソリンの小売価格が自由化することによって外資系石油大手の投資を呼び込みました。この改正法案によってペメックスが外資系企業に対して有利になるようです。
法案によって燃料の流通、輸入、販売に対する規制が強化されて民間企業の許認可を一時的に取り消したり、許認可が停止された施設の管理をペメックスが管理することが可能になります。
ロベスオブラドール大統領はエネルギー産業の民営化などの市場の改革に反対しており、ペメックスやCFE(メキシコ電力公社)などの国営企業を盛り立てようとしています。
法案は上院に送られ承認される可能性が高まっています。

USD/MXN 日足BIDチャート

ドルメキシコペソはサポートされていた20ペソ付近を下抜けして19.891ペソまで下落しました。2月15日の安値19.8824ペソがサポートされましたが一目均衡表の転換線の位置する20.1310がレジスタンスとして機能しており、ここを上抜けできないと下落トレンドは継続と思われます。
19.8824を下抜けした場合は1月21日の安値19.5406を試す流れを予想します。

MXN/JPY 週足BIDチャート

ペソ円はレジスタンスになっていた5.334円付近を上抜けして上昇が継続しています。短期的には5.4円付近がサポートになっており、ここが維持されれば5.6円付近への上昇、下抜けした場合は5.334円のサポートを試す展開を予想します。
チャートはドルメキシコペソは日足、ペソ円は週足、一目均衡表、RSI、MACDです

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > YEN蔵の外国為替見聞録 > 新興国通貨もドル下落の恩恵を受け上昇