新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【地政学的リスクでリラ最安値】
25日にエルドアン大統領は米独仏など10か国の大使を好ましからざる人物として追放すると発言、欧米との関係悪化でドルトルコリラは9.836リラ、リラ円は11.484円とリラは史上最安値まで下落しました。
駐トルコの10大使館は18日に、トルコの人権活動家のオスマン・カバラ氏の釈放を求める共同声明を発表しました。これに対しエルドアン大統領が大使追放に踏み切りました。しかし25日に米国大使館などが18日の声明に関して外交関係に関するウイーン条約41条順守を留意するとツイートしました。これは外交官が受け入れ国の内政には干渉しない義務を定めている条項で、これによってエルドアン大統領は内政干渉だと非難していた18日の声明が撤回されたとの見解を示したことで大使追放が回避されました。
USD/TRY 1時間足BIDチャート
大使追放が回避されたことでリラは買い戻され、ドルトルコリラは9.4113リラまで下落、リラ円は12.087円まで上昇しました。
ただ利下げによるリラ売りのレベルまではリラは回復していないので、9.4リラ付近が短期的なサポートになり9.4~9.8リラのレンジを予想します。
TRY/JPY 1時間足BIDチャート
リラ円は利下げの時に下抜けした12.20円付近が中期的なレジスタンスとなり11.60~12.20のレンジを予想します。
【資源価格の下落でランドも下落】
26日にドルランドは20.1097ランド、週の安値(ランドの高値)まで下落、ランド円は7.76円と週の高値まで上昇しましたが、貴金属価格の下落や、国営電力会社エスコムが発電能力不足で計画停電を延長したことで20.20ランド付近まで上昇、7.678円付近まで下落しました。
南アフリカの主要輸出品であるプラチナは今週1063ドルから1026ドルに、パラジウムは2078ドルから1991ドルまで下落しています。
南アフリカは11月1日に地方選挙を控えており、与党のANC(アフリカ民族会議)の支持率が注目されます。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは20日に14.3442ランドまで下落後に15.1717ランドまで上昇しています。前回高値の15.385ランドがレジスタンスとなり14.34~15.38ランドのレンジを予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
20日に7.949円まで上昇したランド円は7.499円まで下落しています。7.45円に一目均衡表の雲の下限、7.376円に250日移動平均線が位置し、このレベルがサポートとして意識されます。7.35~7.8円のレンジを予想します。
【メキシコペソは小動き】
28日に発表された米第3四半期GDPは前期比年率2%となりました。第2四半期の6.7%を大きく下回りました。29日に発表されるメキシコの第3四半期のGDPも注目されていますが、米国のGDPの動きから見ると期待はできないかもしれません。
USD/MXN 日足BIDチャート
今週のメキシコペソは小動きとなりました。ドルペソは10月12日の高値20.8933ペソから26日は20.1097ペソまで下落しましたが、そこがサポートされて20.32ペソまで反発しています。20.11ペソの一目均衡豹の雲の上限が位置し、ここが維持されれば20.11~20.60ペソのレンジを予想します。
MXN/JPY 日足BIDチャート
20日に5.665円まで上昇したペソ円はダブルトップとなり5.574円まで下落しています。5.549円に25日移動平均線、5.505円に75日移動平均線が位置し、このレベルがサポートとして意識されます。5.5~5.55円のレンジを予想します。