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為替の話・トレンドを掴め!

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第456回 2012年5月17日~23日まで為替見通し

2012年5月17日

 「もし」というのは投資には必要な戦略思考です。

 5月6日のフランス大統領選挙で、もし、サルコジ氏が勝利していたらどうなっていたかと考えると投資作戦のヒントが得られそうです。サルコジ氏勝利でもギリシア組閣は不調に終わっていたでしょうから、いずれにせよユーロは今日のように変動していたはずです。ただ、サルコジ氏敗退は通貨ユーロの為替市場におけるボラティリティを高める役割は果たしたといえるでしょう。だから、現在のユーロ安はやや安値に振れ過ぎではないかという視点も持てるのではないでしょうか。

 ユーロ大変動のきっかけとなったフランスの新大統領誕生ですが、選ばれたオランド氏はこの度、ドイツ・メルケル首相と初会談に臨みました。初対面ということもあり、ぎくしゃくとしたムードはあったようですが、それでも双方一致した見解として「ギリシアはユーロ圏にとどまるべきだ」との表明が出されたことは注目すべきでしょう。今後はメルケル氏が「あってはならない」としているユーロボンド創設についてそれについて前向きなオランド氏との間でどう進展していくかに注目です。

 さて、台風の眼となっているギリシアでは6月17日、再選挙の方向です。
これが再度、ぐずぐずと改革の足をひっぱる方向でくすぶると12月に控えるスペイン大統領選挙の動向とあいまって、またぞろボラティリティの源泉となりそうです。

 スペインでは国債入札において金利が急上昇していますが、ラホイ首相は緊縮財政を重ねて表明しています。しかし、ラホイ首相の支持率がここにきて急落していることから、年末に実施される首相選挙で緊縮策が後退すれば、フランス「サルコジ氏対オランド氏」で見た構図が再燃しユーロのボラティリティに寄与する可能性は考慮しておいていいでしょう。

 では、USドルはどうでしょうか?日本の消費税問題の今後の行方に影響される面がありますが、当面はアメリカ経済再生のための経済政策の影響から、しつこい円高が続くものと思います。
ユーロ安→円高→ドル安
ドル安→円高→ユーロ安

 いずれにしても円高に効き、円安に振れる材料が、見当たりにくい状況です。

 これだけ円高が進んで低金利が長引いても、国内で暴動一つ起きないのは国民に豊かなバックボーンがあるからです。現在のところ、ざっくりベースの数字ですが、個人資産が負債と相殺して1100兆円、対外純資産250兆円(このうち米国債83兆円)持つお金持ち国ニッポン。この豊かな資産はバブル期にサラリーマン資産家となったかたや昔から営々黙々と受け継いできた何らかの事業資産、不動産や動産資産を持つかたのもの。一方、今の20歳から35歳くらいの人は日本経済に勢いがあった時のことをほとんど体感していないといえます。日本の株価は1989年12月に大天井をつけ、以降、延々と右肩下がり。その後の複合不況で終身雇用や定期昇給体制は崩れ、リーマンショック以降は2003年の就職氷河期を上回る厳しさです。団塊退職とぶつかったので採用される新卒がいますが、それとて、2014年でピークアウトします。

 あと10~20年もしたら、団塊世代は後期高齢者に入り、人口減少も進みます。すると年金や退職金など、親や祖父母の代とはまったく状況が違う今の若者世代はどんな状態になっているでしょうか。厳しい未来がやってくる前にぜひ、今のうちに自らの相場感を持ち、運用能力を磨き、いざというときにその力を役立てたいものですね。

 さて、今週の各通貨の私の想定レンジは以下の通りです。ご参考になれば幸いです。相場が荒れているのでトレンドはつかみにくいです。ただ、円高は目先、チャートパターンでボトルアウトの可能性があります。トレンドはまだ見つけることができません。
そのため短いレンジでの往来が続く可能性
急落する可能性
の両方を意識し、短い時間だけのトレードが望ましいと思います。あるいは余裕資金運用なら時間と価格分散で買う価格タイミングの中にいると思います。

★ドル円
下値支持
80.399
上値抵抗
81.538

★ユーロ円
下値支持 101.157
上値抵抗
103.169、これを越えたら中期106円あたりまで戻せるレンジの中にいると思います。

★オーストラリア円
下値支持
77.654 (場合によっては70円台前半に)
上値抵抗
81.622

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プロフィール

  • 著者近影木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家
     (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。
    ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事)
    ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/
    ・国家資格/一級FP技能士
    ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA

    日本短波放送(現 ラジオ日経社)で13年間、経済情報番組のキャスターを経験。現在、アナリスト、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。2010年春、多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA

    《HP》 木村佳子のHP:『木村佳子のマネープラン

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