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為替の話・トレンドを掴め!

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第443回 2012年2月9日~15日までの為替見通し

2012年2月9日

 ユーロが対円で102円まで戻してきました。現在のところは101.78円前後ですが97円から相当戻った印象を受けます。
 今後も波乱材料が無いわけではありませんから楽観は禁物ですが、ギリシャの債務問題交渉や第2次支援策問題を、マーケットは過度に不安視していないようです。9日のECB(欧州中央銀行)理事会での政策金利引き下げあるなしでどの程度、レートに影響するか、注目したいところです。
 
 そもそもユーロ各国の信用状態を過度に不安視する必要は全くなく、強欲資本主義が不安に乗じていろいろ投資した点に注目すべきだと私は思っています。
 今回のユーロ危機の背景には米ドル資産防衛の意志の存在を強く感じますし、危機に際して誰が一番潤ったかを考えると、不安に思うのではなくチャンスだととらえるべきでしょう。
 ユーロ危機旋風が吹き荒れ、対円で97円をつけた時にユーロ建て商品を買いまくった投資家がいたことやアメリカのドル基軸通貨の地位死守の動きがこの不安を梃子の原理でうまく利用して景気回復につなげていると見れば、投資のヒントがたくさん得られます。

 ちなみに、ドルが世界の基軸通貨であり続けることで、アメリカはお金が足りなくなれば輪転機でドルを刷り増すことができます。
 アメリカがニクソン大統領時代に金本位制を停止して以来、金の裏づけのない中で、ドル依存一辺倒は不安だということで第二の基軸通貨としてユーロが登場したいきさつがあります。しかし、今般のユーロ加盟国ギリシャ等への信用不安から第二の基軸通貨ユーロへの信認は後退しました。
 この信用不安に伴い、ユーロ安円高が起こり、ひいては円高ドル安になって、アメリカは潤ったと見ることができます。
 ドル安によって円との競争力が増し、雇用者数への影響力が大きい自動車産業は復活傾向を見せ、それが失業率8.3%への改善につながり、ニューヨーク株式市場は活況を呈しています。消費マインドの改善も時間の問題でしょう。

 そうした中でオバマ大統領の支持率が50%台の回復を見せたこと、オバマ大統領がアメリカ覇権下における次のリスク要因は中国だというスタンスを示したことでオバマ大統領再選の可能性は強まったと私は見ています。

 すでに中国からは投機マネーの流出が始まったと一部では報道されていますが、中国は日本同様、アメリカ国債の大量保有国です。日本のバブル崩壊後のように今後、「失われた数十年」コースを緩やかに辿るならば、その過程でアメリカはかつて不況下の円高が起こったように、元高の可能性も考えられます。これでドル安、ひいてはドル安円高という形でなお展開するかもしれず、そうなるとアメリカはなお、潤うことができます。

 バブル崩壊のプロセスで日本の長銀などが次々と外資によって市場原理にさらされたようにアメリカ流のビジネス展開によって利益を得ていくコースを展開する可能性も考えられます。

 いずれにしてもアメリカ大統領選挙の結末がつくまではドル安によるアメリカ経済回復という流れが続くものと予想します。若干、ドル高方向に転換するなら大統領選挙後ではないでしょうか。

 そうしたことを踏まえて、チャート分析中心に今週も各レートを想定してみましょう。

●ドル円
下値サポート 76.676
上値抵抗   78.305

●ユーロ円
102.433で買い転換示唆
下値サポート 101.485
上値抵抗  103.682

●オーストラリア円
金利引き下げ懸念が後退したことを好感。
下値サポート 82.451(利確続けば80.9613あたりも意識)
上値抵抗 83.442(場合によっては84.204)

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プロフィール

  • 著者近影木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家
     (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。
    ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事)
    ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/
    ・国家資格/一級FP技能士
    ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA

    日本短波放送(現 ラジオ日経社)で13年間、経済情報番組のキャスターを経験。現在、アナリスト、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。2010年春、多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA

    《HP》 木村佳子のHP:『木村佳子のマネープラン

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