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デイリーレポート
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2010年1月29日

●米成長戦略はウォールストリート(金融)からメインストリート(企業)へ

「米国が世界第2位になることは受け入れられない」――― オバマ米政権の内政・外交の施政方針を示す一般教書演説(01/28)は、まるで選挙戦のような演説となった。
オバマ大統領による就任2年目の演説の特徴は、「雇用創出」に照準を合わせたことであり、その中心的役割を中小企業に託し、成長の原動力として「輸出を5年で倍増させる」との考えを示した。
つまり、米国経済は企業重視で成長を目指すということであり、換言すれば「金融立国」からの脱却ということになる。
先週の新金融規制案は「オバマショック」などと報じられているが、08年秋の未曾有の金融危機は金融バブルを主導した米投資銀行による無謀なリスクテイクが背景にあり、オバマ大統領は昨日の施政方針演説で金融危機を再発させないとの決意を改めて表明している。 何より、昨年の米財政赤字は金融機関救済も含め危機後の景気対策などで過去最悪の1兆4千億㌦に拡大しており、二度と金融危機は許されないという事情がある。 
したがって、金融機関は、本来の金融仲介機能という役割を果たすべく、黒子に徹しろということであり、極論すれば米国は「金融立国」から「輸出立国」へ大きく舵を切ったということになる。
オバマ大統領は昨年11月14日に訪日した際に行った講演で、「今回の景気後退が私たちに教えた重要な教訓の一つは、主に米国の消費者とアジアの輸出業者に依存しながら成長を促進することの限界です」と述べている。 そのうえで、「米国の新戦略は、貯蓄を増やし、支出を減らし、金融システムを改革し、長期的債務と借入れを削減することを意味します」、「私たちが構築し生産し、世界中で販売できるように"輸出"に重点を置くことを意味します。これは私たちの雇用戦略です」と述べている。
金融危機前の過剰消費頼みではなく、アジアなど新興市場国の外需を取り込む考えから、「輸出」に重点を置くことを明確にしている。 また、現在一部の市場関係者が非難している新金融規制案がこの「金融システム改革」に含まれているのである。


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今朝の日経新聞の社説は昨日のオバマ演説について、「為替政策には触れなかったが、過去、多くの大統領が強いドル政策を掲げたのに対し、オバマ政権はドル安を容認している」と述べている。
そのうえで「輸出を倍増させるなら、基軸通貨ドルの減価を容認するという危険な政策を続けるとみるべきだ」、「各国に一層の市場開放を働きかけることにもなろう」と断じている。
確かに、米国の輸出促進にはドル安と市場開放が必要との考えは理解しやすいが、バーナンキFRB議長は昨年11月16日の講演で「雇用の最大化と物価安定という2つの責務に対するリスクを防ぐためFRBはドルの価値の変化が及ぼす影響を注視している」と異例の「ドル安監視」発言を行い、広範なドル安に歯止めをかけているのである。 これは、超低金利政策の継続のためには全面的なドル安は放置できないということであり、2010年のドル相場は二極化(⇒貿易黒字国に対してはドル安)するとみる必要があろう。
一方、昨年9月のG20首脳合意により「均衡ある成長」に向けた政策の枠組みなどをまとめることになっており、経常黒字国は内需主導による成長戦略を強化する必要がある。
注目の中国は2009年に貿易黒字が34%縮小したにもかかわらず、同年のGDP成長率は8.7%を達成している。 (IMFが今月26日に発表した世界経済見通しによれば、2010年の中国の成長率は10.0%、2011年は9.7%が見込まれている)
中国政府は今後5年以内に貿易黒字を対GDP比で半減させると述べており、この過程では人民元の切り上げもしくは変動幅の拡大が想定されるため、日本円は人民元をはじめとするアジア通貨高のなかで上昇圧力を受け続けることになろう。

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(1月29日 11:40記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月28日

●FOMC、長期に亘る低金利政策の継続に初の反対票

中国当局の金融引き締め策に対する懸念が市場のリスク回避姿勢につながるなど、世界経済における存在感を一段と高めている。
一方、ユーロ圏ではギリシャの財政規律問題など、金融危機後の景気低迷が域内の景気や信用力の格差を一段と拡大しており、欧州通貨同盟の負の側面が炙り出されている。
ユーロ加盟国は、ECBによる域内共通の金融政策の下で経済運営を行うことになり、財政政策が安定協定という厳格な財政規律の縛りによって柔軟性を欠くとなれば、景気下支えに唯一残された政策は自国通貨安となってくる。
(⇒ECBの政策金利は年率1.0%と日米英と比較して最も高く設定されている)
こうしたなか、ユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相)は、ユーロの過大評価やドルと人民元の過小評価につながった不均衡に不満を表明し、「欧州ではこの問題が十分に理解されていない」と問題提起をしており、一段のユーロ安を望んだ発言とみることができよう。

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昨年のマーケットの最大のテーマは、リスク資産ラリー(株高演出)であったが、ユーロは米国の事実上のドル安誘導によって高金利・資源国通貨と同様に押し上げられており、足下ではその反動調整が促される格好となっている。 
実際には昨年11月16日のバーナンキFRB議長による「ドル安監視」発言から地合いが転換している。 この時のバーナンキ議長の発言内容は、「雇用の最大化と物価安定という2つの責務に対するリスクを防ぐためFRBはドルの価値の変化が及ぼす影響を注視している」というものであった。 つまり、現在の経済状況からは引き続き「異例の低金利政策」を継続する必要があり、ドル安がその障害となりかねない状況になり始めたため、「ドル安黙認」から「ドル安監視」へと舵を切ったといえよう。 

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こうしたなか昨日のFOMCでは、FFレートの誘導目標水準をゼロ─0.25%に据え置き、低水準の資源利用や、抑制されたインフレ基調、安定的なインフレ期待といった経済状況により、「FFレートを長期間異例に低水準とすることが正当化される可能性が高いと引き続き予想する」との文言を踏襲している。 しかし、今年1月からFOMCメンバーに加わったカンザスシティ地区連銀ホーニング総裁が経済および金融状況が大きく変化したため長期間FF金利を異例に低い水準に据え置くとの見通しはもはや正当化されないとして、反対票を投じている。
とはいえ、先のFOMCメンバーのフィロソフィー・チャートに示したように、ホーニング総裁はタカ派(インフレ警戒派)メンバーの筆頭であり、これによってハト派とタカ派のバランスが崩れることはなく、むしろドルの安定(=ドル安回避)が維持されることで、異例の低金利政策を継続することができると解釈したい。
市場の金利観を反映するFFレート先物市場では、今年9月FOMCでの利上げの確率が84%と、前日の72%から12ポイント上昇したことを示しており、為替マーケットは素直にドル高で反応している。
一方、米株式市場は低金利政策の継続を好感して上昇しており、市場がリスク回避モードからリスク選好へと回帰し始める場合には、資源国通貨への打診買いが出始めるタイミングとみることもできよう。

(1月28日 11:40記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月27日

●「出口戦略」の一環としての健全な調整局面

昨日の為替マーケットは、前日から一転して日本円が全面的に買い戻される展開となり、主要通貨に対して年初来の高値を更新するに至っている。 米ドルもほぼ全面的に買われており、株安を伴っていることからリスク回避の動きと捉えることができよう。
リスク回避フローの基本は、「キャッシュ化(=手仕舞い)」「質への逃避(=安全志向)」「ホームバイアス(=母国回帰)」であり、ファンディング通貨の位置付けにある日本円と米ドルに通貨高圧力が掛かることになる。
リスク選好のメルクマールとなってきたNYダウは昨年3月の安値から1月3週の高値まで約60%の上昇率を達成したが、この間に10%を超える調整は一度も経験していない。

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株価調整が比較的軽微なものにとどまってきたのは、世界規模での財政出動および金融緩和といったリフレ政策があり、過剰流動性がリスクラリーの原動力になってきたからである。
これにより、主要各国の企業景況感や消費者マインド指数が大きく改善し、PMI(購買担当者)製造業景気指数(米国はISM)などはV字型の回復を示している。
しかし、リフレ政策はインフレ期待を高めるため、成長著しい新興市場国では景気の過熱や資産価格の高騰をもたらし、先々の調整圧力(=バブル崩壊)となるリスクを孕んでいる。

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現在のマーケットで起こっている調整は、中国当局による金融引き締めやオバマ大統領の金融規制案に対する警戒感に起因しているが、こうした動きはリフレ政策の副作用による"バブル崩壊リスクの未然防止"と捉える必要があり、大きな意味での出口戦略といえよう。
昨日は、オーストリア中銀ノボトニー総裁がFT紙(ドイツ語版)のインタビューのなかで、現在の欧州株式市場について「昨年3月に記録した数年ぶりの安値から急反発しているが、2008年から2009年初めにかけて下げた分を回復しているにすぎない」として、バブルの段階にはないとの考えを示している。
また同総裁は、このような潜在的バブルへの中心的な対策は規制だとした上で、オバマ米大統領が打ち出した金融規制案の主要な規制対象となっている銀行の自己勘定取引がバブル発生の一因となる可能性を指摘している。 
実体経済に比べ肥大化した金融が、リーマン・ショック後の危機の深刻化を招いたとの反省に立てば、預金を取り扱う金融機関は再びリスク投資に傾斜するのではなく、金融仲介業として黒子に徹するべきということである。 
いずれにしても、米欧経済が長期化するバランスシート調整の下で景気を回復させるためには、資産効果を高める株高が重要な政策の一つであり、一連の金融規制の動きは足下の株高が金融相場から業績相場へ移行し、持続的なものとするための政策とみることができよう。 IMFが昨日公表した世界経済見通しによれば、2010年の世界経済は3.9%の成長が見込まれており、09年にマイナス成長に落ち込んだ先進国も軒並みプラス成長へ回帰すると見込まれており、金融相場から業績相場へ移行する環境は整っているとみることができよう。
そして、中国の金融引き締め策については、過去2回の預金準備率引き上げ局面では当初1~2ヶ月に5~10%程度の調整局面がみられているとの指摘があり、当面の焦点は旧正月明け(2月16日)の動きとすることができよう。  

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尚、ユーロ/円は週足均衡表の『遅行線』が基準線を下抜けようとしており、今週末のNYクローズが同線を下抜く場合はN-計算値の123.20円処(=134.37-【138.49⇒127.32】)を目指す展開を想定しておきたい。 

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(1月27日 11:40記)

2010年1月26日

●リスク忌避的な動きはひとまず落ち着いたが・・・

 週明けのマーケットは、先週後半に強まったリスク忌避的な動きが落ち着きを取り戻し、米主要3株価指数は4日ぶりの反発となった。 
為替マーケットでは、日本円と米ドルが全面的に売り戻される展開となった。
バーナンキFRB議長の再任承認の可能性が高まり、同問題を巡る不透明感が後退したことや、ギリシャの5年債発行(資金調達)に対する強い需要がみられたことで、財政悪化を巡る懸念がひとまず和らげられる格好となった。
前者については、オバマ大統領が改めて「最大級支持」を表明しており、今週中に採決される見通しとなっている。 もっとも、先週後半に強まった株価急落を起点とするリスク回避の背景には、オバマ大統領による新金融規制案に対する不透明感があり、株価反発は小幅にとどまっている。
また、この日発表された12月の米中古住宅販売件数が前月比16.7%減の年率545万戸と、過去最大の減少率となったことが重しとなっている。

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 市場では、初回住宅購入者向け税控除措置の当初期限を控えて駆け込み需要が高まった前月の反動が出たとの見方がなされているが、先行指標となる住宅着工件数(一戸建て)が9月の50.8万戸をピークにして12月には45.6万戸まで減少している。 また、中古住宅販売成約指数は10月の114.3をピークにして最新データとなる11月には96.0まで急落している。
本日は、S&Pケース・シラー住宅価格指数の11月データが発表されるが、同指数の開発者である米エール大教授のロバート・シラー氏(01/12)は、米住宅価格は向こう数ヶ月でさらに下落し、経済全般への懸念が高まるとの見方を示している。
同氏は、住宅価格がさらに下落すれば、多くの金融機関を破たんに追い込み、貸し渋り対策が急務とされている中で、一層の融資縮小を引き起こし、ぜい弱な米経済の回復の腰を折りかねないと指摘している。 先週末には米地銀5行が破たんし、今年に入ってからの破たん件数はすでに9行となっている。 (ご参考: 昨年の米銀破たん件数は合計140行に達している)

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足下の住宅市場の低迷は失業率の高止まりに起因しており、MBA(米抵当銀行協会)によれば7-9月期の住宅ローンの延滞率と差し押さえ率の合計は14.41%と過去最高を更新している。
本日からFOMC(米連邦公開市場委員会)が2日間の日程で開催されるが、3月末に終了予定の住宅ローン担保証券(MBS)の購入が継続される可能性も高まっているといえよう。
仮に「信用緩和策(Credit Easing Policy)」が4月以降も継続されることになれば、FRBの出口戦略は一段と後ズレすることになり、市場では「過剰流動性相場」の延長戦をテーマとするリスクトレードが活発化することになろう。

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一方、ユーロ圏ではギリシャ問題が周辺国も巻き込んでリスクプレミアムの拡大につながっていたが、ムーディーズが昨日のギリシャ5年債入札の結果を受けて同国の2010年の借入れ能力に問題がないことを示したと述べており、長期金利上昇による悪循環はひとまず断ち切る格好となっている。
強い需要が示されたギリシャの5年債入札については、ECBによる買いで順調に消化したとの憶測がでている。 これにより、ユーロ圏周辺国の長期金利の安定を促しているが、"ECBの裏口支援"との見方が広がれば、財政規律を全面に打ち出してきたユーロの信認が揺らぎかねず、ユーロの売り材料となってくる点は念頭に置いておきたい。(ご参考: 「安定成長協定」によりECBはいかなる加盟国の救済も禁じられている)

(1月26日 11:40記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月22日

●リスク忌避の典型・円全面高に

 昨日のマーケットは、NY午後中盤にオバマ大統領が発表した金融機関に対する新規制提案を受けて大荒れの展開となった。
新規制案は、金融機関に対して投機的取引の禁止やヘッジファンドなどへの投資・出資の禁止を求めており、米株式市場は金融株主導で全面安となった。 19日に昨年来高値を更新した米主要3株価指数は年初からの上げ幅を吐き出す格好となり、NYダウとNASDAQは年初来のマイナスに転落している。
米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数(別名「恐怖指数」)は、3連休明け19日の17.58がボトムとなり、昨日は22.27まで26.6%跳ね上がっている。 本来、同指数は20超が"悲観の領域"とされていただけに、投資家心理が一気に冷やされてしまったことを示している。

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為替マーケットは、米ドルと日本円が全面的に買い戻されるなど、リスク忌避の典型的な変動パターンとなっている。
ドル/円は、昨日のNY中盤までジリ高で推移し、91.88円まで続伸幅を拡大したが、『転換線』で跳ね返される格好となり、一気に90.11円まで急落している。 この急落局面では、1時間足・均衡表チャートの『遅行線』が基準線を下抜いて売りシグナルを点灯している。
昨日の急落により「21日平均線」が昨年12月11日以来の"下向き"に転じており、相場の地合いが"戻り売り"に転換していることを示唆している。 これにより、21日平均線-3%乖離ライン(⇒21日時点で88.96円処)に向けた一段安を想定しておきたい。

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ユーロ/ドルは、<C波>の下落波動(五波構成)の3波(=衝撃波impulsive)が進行しているとみられ、昨日は1.4029㌦まで下値を伸ばしている。 同水準は、1.4015㌦処(=50.0% of 1.2885⇒1.5145)に応答水準であるほか、本日01/22が1.5145㌦(11/25)から「一期二節」(42日目)の節目となるため、自律反発を想定する必要もありそうだ。
その判断のシグナルとしては、1時間足・均衡表チャートの『遅行線』が終値ベースで転換線を上抜くこととし、これによって短期買いシグナルが点灯するため、Minor Fibonacci retraceの1.4239㌦処(=38.2% of 1.4580⇒1.4029)を目指す展開を想定しておきたい。
但し、大勢では<C波>を構成する3波の下落波動のなかの小勢波による自律反発の位置付けとなるため、基本は戻り売りであることを念頭に置いておきたい。
尚、ユーロ/円は本日のNYクローズが127.00円処のネックラインを維持するかどうかが重要となり、仮に破られる場合は<C波>の下落波動へ移行するもとみたい。

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(1月22日 10:50記)

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2010年1月21日

●EURUSD、<C波>を構成する下落波動の3波が進行中

昨日の為替マーケットは、ギリシャの財政赤字問題を巡る混迷や、中国の金融引き締め強化による世界景気への懸念からリスク回避姿勢が強まり、米ドルと日本円が全面的に買い戻される展開となった。 ドル/円は、ドル高とクロスベースの円高に挟まれ、91円Lowを中心とするチョッピーな値動きに終始した。 昨日のレポートで採り上げた1時間足・均衡表チャートでは、『遅行線』が時間足との衝突を直前で回避して上昇しており、買いシグナルを点灯した状態に変わりはない。
 一方、ユーロ/ドルは、01/15のレポートで指摘した通り、同日のNYクローズ(=1.4385㌦)が『転換線』(=1.4422㌦処)を下抜いたことで、下落波動を再開しており、日足均衡表で『雲のねじれ』が発生した01/20に重要なチャートポイントを下抜いて1.4080㌦まで急落している。
昨日の安値1.4080㌦は、波動論から導かれる1.4107㌦処(=1.4626-【1.4626⇒1.5145】)を達成するものであり、Retrace pointの1.4078㌦処(=76.4% of 1.3748⇒1.5145)の寸前で下げ止まる格好となっている。 足下では、突っ込み警戒感から自律反発期待が醸成されやすくなっているが、エリオット波動分析では1.5145㌦(11/25)から<C波>の下落波動を構成する3波の下げが始まったばかりであり、基本的なトレード戦略は戻り売りであることを念頭に置いておきたい。
但し、日柄面からは1.5145㌦(11/25)から「一期二節」(42日目)の節目を01/22に迎えるため、同日前後の値動きには注意を要したい。

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さて、本日最大の注目は中国国家統計局が発表する2009年のGDP伸び率や昨年12月の主要経済指標であり、足下の金融引き締め策強化の行方を占う上で、極めて重要となっている。
11時に発表された中国の昨年10-12月期GDPは+10.7%となり、事前予想中央値の+10.9%を若干下回ったものの、3四半期連続による急回復が確認された。
一方、注目された昨年12月の消費者物価指数は前年比+1.9%と、事前予想の+1.5%を上回り、11月の+0.6%から上昇率が加速していることが確認された。
これにより、金融引き締め策が一段と強化される可能性も否定できなくなってきた。
中国人民銀行は、昨年12月29日と31日に公開市場操作で予想外の資金吸収を行い、過剰流動性を容認しない姿勢を明確に示している。 そして、今年に入ってからは1年物手形入札の落札利回りの引き上げや、預金準備率の引き上げ、一部銀行の融資抑制といった引き締め策を講じている。
いずれ、利上げに踏み切らざるを得なくなるとみられているが、景気の過熱を抑制するには実質的なドルペッグ制となっている人民元相場の変動幅拡大や切り上げが必要となってくる。
マクロ景気とのミスマッチ拡大が景気過熱という歪みをもたらしている以上、人民元の変動幅拡大は時間の問題とみることができよう。 

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(1月21日 11:30記)

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2010年1月20日

●楽観に傾斜した米投資家センチメントの持続性が焦点に

昨日のドル/円は、JALの会社更生法適用が正式に発表されたことで、燃油先物取引のヘッジ玉などデリバティブ解消に伴う円買い戻しへの思惑も手伝って一時90.31円まで下落した。
しかし、欧州序盤からのユーロ急落をきっかけとする広範なドル買い戻しがドル/円を押し上げる格好となり、NYダウが上げ幅を拡大したNY中盤には91.27円まで反発幅を拡大している。
注目のNYクローズは91.11円となり、先週末にブレイクした『基準線』(=91.00円処)を再び上抜いて、下落リスクを回避する格好となっている。
昨日のレポートでは、50% retraceの89.38円処をターゲットとする"戻り売り戦略"を掲げたが、Fibonacci pointの90.39円処(=38.2% of 85.09⇒93.67)を達成したあと反発してしまい、90円Lowの底堅さを認識させられている。
もっとも、昨日の高値は戻りの目処となる91.59円処(=38.2% of 93.67⇒90.31)の手前で抑え込まれており、戻り上値の重さも顕著となっている。 但し、1時間足・均衡表チャートでは、昨日20時時点で『遅行線』が基準線を上抜いて"買いシグナル"を点灯しており、現段階では上昇余地を見極める必要がありそうだ。 
次なるポイントは、『遅行線』が時間足に急接近する局面となり、『遅行線』が時間足との衝突を回避できるかどうかが焦点となってくる。 『遅行線』が時間足との衝突を回避できずに下抜け、さらに転換線を終値ベースで下抜ける場合は"打診売り"とし、基準線も下抜ける場合は"追撃売り"で臨みたい。 この場合のロスカット水準は、前日の高値91.27円+α、もしくは91.59円処+αとしておきたい。
下値ターゲットについては、90円Lowの底堅さが示されているため、昨日の安値(=90.31円)の手前、もしくは89日平均線(=90.20円処)の手前に設定しておきたい。
足下ではユーロ/ドルが重要なチャートポイントであった1.4218㌦(12/22)をブレイクしているため、ユーロ/ドルおよびユーロ/円の動向も注視していく必要がありそうだ。

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さて、今週の注目ポイントの一つであった3連休明けの米株式市場は、シティグループが4四半期ぶりの赤字決算となったものの、想定内の結果として冷静に受け止められ、米主要3株価指数は大幅反発となり、昨年来高値を更新している。
米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数は、17.58と楽観の領域に位置しており、リスクトレードが促されやすい地合いとなっている。
とはいえ、本日発表される米銀大手の決算は、個人向け部門の比重が高いバンク・オブ・アメリカとウェルズ・ファーゴであり、楽観に傾斜した投資家センチメントの持続性が試されることになりそうだ。 
また、本日はNY連銀ダドリー総裁の講演が行われるほか、12月の住宅着工/建設許可件数が発表される予定となっており、前者はFOMCメンバーの中でもハト派の中心的な存在であり、米ドルの上昇力が試されることになりそうだ。
後者の住宅着工/建設許可件数については、昨日発表された1月の住宅建設業者指数が予想外に低下し、2009年6月以来の低水準となっていたことから、下振れの可能性に留意する必要がありそうだ。
この住宅市場指数(住宅建設業者の景況感指数)は、米住宅市場の変化を最も敏感に反映するといわれているだけに注意を要したい。

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2010年1月19日

●USDJPYは89.38円処をターゲットとする戻り売り戦略

 週明けの為替マーケットは、リスク回避姿勢が優勢となる場面もみられたが、米市場の休場に伴う様子見姿勢もあって一方的な動きに発展することなく、小幅なレンジ取引に終始した。
 また、リスクトレードのメルクマールとなっている株式市場は、日経平均の1%超の下げを除いて概ね小幅なプラス圏で推移するなど、3連休明けの米市場待ちといった状況となっている。
 市場の関心は本格化する米主要企業の09年4Q決算発表に集まっており、先週末に下落した米国株の行方がリスクトレード巻き戻しの持続性やマグニチュードを見極める上で重要となってくる。
 先週末に発表されたJPモルガン・チェースの決算では、個人部門の貸倒引当金の増加が示されたことから、今週目白押しとなる大手金融機関や有力地銀の決算発表に対する警戒感が浮上している。 
 米個人部門の貸倒引当金は、主に住宅ローンやクレジットカードの損失であり、失業率が4%台半ばから後半で推移していた2006-07年当時から10%へ上昇し、高止まりしていることの影響が表面化するとみられる。

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 住宅価格については、S&Pケース・シラー住宅価格指数が昨年4月に前月比ベースで下げ止まる一方、商業用不動産価格は下落に歯止めが掛からない状況が続いているが、来週27日に発表される11月データでは住宅価格が再び下落に転じると指摘されている。 
 米エール大教授でS&Pケース・シラー住宅価格指数を開発したロバート・シラー氏(01/12)は、米住宅価格は向こう数ヶ月でさらに下落し、経済全般への懸念が高まるとの見方を示している。
同氏は、住宅価格がさらに下落すれば、さらに多くの金融機関を破たんに追い込み、貸し渋り対策が急務とされている中で、一層の融資縮小を引き起こし、ぜい弱な米経済の回復の腰を折りかねないと指摘する。 
 これは、金融機関がさらなる貸倒引当金の計上を迫られることを意味しており、今週の金融機関決算はリスクイベントと位置付ける必要がありそうだ。

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 世界の主要株価指数は、米国をはじめとする先進国のリフレ政策により株高が演出され、昨年3月1週をボトムにして軒並み50%超の上昇率を記録している。 そして、為替マーケットでは高金利・資源国通貨が選好されるリスクトレードが活発化した経緯がある。 仮に株価が調整色を強めれば、リスクトレードの巻き戻しを通じて高金利・資源国通貨が売られる展開が想定されるが、昨年11月末のドバイショックの経験に倣えば、売られた通貨は絶好の買い場となってくる。
 こうした背景には、超緩和的な金融政策の存在があり、先進国の中銀は緊急措置としての流動性供給策を今年3月に終了する予定となっているものの、本丸の金利政策は引き続き異例の低金利を維持する姿勢であり、リスクトレードが再び促されることになろう。

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 さて、昨日のドル/円は下値90.63―上値91.07円の小幅レンジの揉み合いに終始し、NYクローズは90.78円と前週末と同値で着地している。 しかし、日足均衡表ではNYクローズの重要なサポートとみられた『基準線』が破られる格好となっており、続落リスクが高まっている。
 焦点の『遅行線』は、薄い雲の中に位置するものの、NYクローズで『基準線』を上抜けない限り、雲の下限や日々線を下抜く可能性が高まってくる。 チャート上では昨年4月の高値101.45円を起点に下降チャネルラインが形成されており、『遅行線』が日々線を下抜く局面でチャネル下限に向けて下落波動を加速していることがわかる。
 現状は、下降チャネルライン上限の(NYクローズによる)上抜けに失敗した1月8日の93.67円を起点に下げ始めたばかりであり、再び切り返す可能性も残されている。 この場合でも、NYクローズが『転換線』を上抜けない限り、『遅行線』と日々線の衝突は免れず、日々線を下抜く可能性が高まってくる。
 すでにNYクローズは21日平均線を下回った状態にあり、今週は50% retrace pointの89.38円処(=50.0% of 85.09⇒93.67)をターゲットとする戻り売り戦略としておきたい。 

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(1月19日 11:30記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月15日

●欧州通貨同盟の構造問題を突いた根深いユーロ売り

昨年末から引き継いだはずの強気ムードは、米雇用統計で挫かれ、足元では煮え切らない相場動向が続いている。 リスクトレードのメルクマールとなるNYダウは連日の昨年来高値更新となっているが、今週の上げ幅はわずか0.87%にとどまる。
為替マーケットは、再びドル安基調となっているものの、昨年とは様相が異なってドル売りの対象は資源国通貨に集中するなど、リスクトレードは二極化している。 (ご参考: IMMファンド筋の対ドルポジションは、「豪ドルなど資源国通貨買い」、「欧州通貨売り」と明確に二極化している。)
 昨日発表された米経済指標は、年末商戦の個人消費動向を占う上で注目された12月の小売売上高が予想外に減少したほか、新規失業保険申請件数が前週から増加し、米景気回復の強さに疑問を投げかけるといった解説がなされていた。
とはいえ、米雇用市場の基調をより正確に示すとされる新規失業保険申請件数の4週間移動平均が12週連続の改善で450,750件に低下したことや、12月の小売売上高の前年比が株高など資産効果も手伝って5.4%増加したこと、さらに11月の企業在庫が予想以上に増加しており、この日の投資家センチメント指数は若干ながら改善を示している。

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これにより、米景気回復に対する過度な不安が強まることなく、米ドルも独歩安を免れる格好となっている。 むしろ、気になるのはユーロの反発力の鈍さであり、ユーロ参加国間の景気格差の歪みが景気低迷によって炙り出され、潜在的なユーロ売り圧力となっている。
その典型は、ギリシャの財政赤字問題であり、昨日はギリシャのパパコンスタンティヌ財務相が「3カ年財政健全化計画」を明らかにしたものの、ギリシャ国債と独連邦債の利回り格差が拡大したほか、ギリシャのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドも過去最大に拡大するなど、市場の信認を得るには至っていない。
市場は景気低迷下での緊縮財政は不可能とみており、ギリシャの資金調達コストが一段と高まるなど、悪循環に陥っている。
とはいえ、EMU(欧州経済通貨同盟)設立時に締結された「安定成長協定」の下では救済の手を差し伸べることはできないことになっている。 この「安定成長協定」によれば、いかなる加盟国も他の加盟国を救済することは認められておらず、これはEU(欧州連合)の機関やECBも同様にいかなる加盟国も救済してはならないと定めているのである。
昨日のマーケットでは、トリシェECB総裁が「ユーロ加盟国が深刻な経済危機に直面した場合であっても、ECBの特別な待遇を期待してはならない」と述べたことが、ユーロ売り材料とされていたが、こうしたユーロ売りは欧州通貨同盟の矛盾を突いた催促相場と解釈する必要がありそうだ。
現行制度のままであれば、ギリシャのデフォルトリスクは高まる一方であり、仮に公的債務危機に陥った際の対応や影響が読みきれず、第2のギリシャ探しなどで域内経済格差が一段と拡大し、ユーロ離脱が現実味を帯びてくる。
こうした観点からは、足下のユーロ売りは欧州経済通貨同盟の構造問題を突いた根深い動きといえ、2010年の為替マーケットではリスクトレードの二極化がより鮮明になる可能性を想定しておきたい。
エリオット波動分析では、ユーロ/ドルは昨年来高値1.5145㌦(11/25)を起点に<C波>の下落波動(五波構成)が進行しているものとみられる。 現在地は<C波>を構成する小勢2波の修正波に位置するとみられるが、戻し上値は日足-基準線で抑え込まれており、チャート・ギャップと転換線をサポートとする日柄調整的な中段揉み合いとなっている。 
問題は小勢2波から3波の下落波動へ移行するタイミングとなり、来週01/20には急変動につながることの多い『雲のねじれ』が発生するほか、<C波>の起点となった1.5145㌦から「一期二節」(42日目)の節目を01/22に迎える予定となっている。 さらに、『遅行線』は来週にも日々線に衝突する重要局面を迎えることになり、日々線を上抜くことができない場合は急降下の可能性が高まることになる。
今朝のマーケットでは1.4400㌦割れを試す動きとなっているが、本日のNYクローズが転換線を下抜く場合は3波への移行を念頭に下落波動の再開を想定していきたい。

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(1月15日 11:25記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月14日

●過剰流動性を背景とするリスクトレードは継続へ

 13日のマーケットは、前日の中国の預金準備率引き上げを受けた世界景気への懸念は行き過ぎとの見方や、米企業決算に対する期待感の回復により米欧主要株価が小幅ながら買い戻される展開となった。 
為替マーケットは、前日に大きく買い戻された日本円が小幅に反落する一方、英ポンドがM&A絡みの資金流入観測や英中銀政策委員のタカ派的な見方が材料視され急伸している。

 市場での大きなテーマは、過剰流動性を背景とするリスクトレードの継続であり、今年は景気回復ペースの格差や出口戦略を巡る動きが主要通貨相場の優劣を左右することになろう。
主要中銀は、非伝統的措置の解除で足並みを揃えているものの、過剰流動性は一夜にして枯渇することはなく、株式などリスク資産を選好する動きは調整を交えながらも継続することになる。
2009年は先進国経済が戦後初となる同時マイナス成長に陥ったが、2010年は中国など新興国がけん引役となりプラス成長への回帰が期待されている。 とはいえ、先進国経済は未曾有の金融危機の後遺症により、構造的な失業率の高止まりに直面しているが、この失業率が経済の需給ギャップの代理変数と位置付けられる点に鑑みれば、異例の低金利政策が予想以上に長期化する可能性に留意する必要があるといえよう。
この点は、IMFが「日本の金融危機」に学ぶ3つの教訓として指摘しており、日本の「失われた10年」では景気回復期待から不良資産の抜本処理を先送りしたため、問題の長期化を招くと同時に超低金利政策の継続を余儀なくされている。
加えて、今年は多くの先進国で金融危機対応で膨張した公的債務(財政赤字⇒ソブリンリスク)が問題になっており、景気に対して抑制的な財政政策に転換する可能性があることから、各国で低金利政策の長期化プレッシャーが強まる可能性も想定されそうだ。 

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 こうした傾向は選挙を控えた国で強まるものとみられ、総選挙が行われる英国では財政赤字が突出しているため、財政立て直しが争点の一つとなっており、英ポンドの波乱要因となる可能性には留意したい。 
昨日のポンド/ドルは、Fibonacci pointの1.6232㌦処(=38.2% of 1.6874⇒1.5836)を達成して、一時1.6302㌦まで急伸している。 エリオット波動分析では07年11月の高値2.1159㌦を起点に下落波動A-B-Cを形成しており、昨年8月の高値1.7044㌦から<C波>(五波構成の下落波動)が進行しているとみられる。 現在地は<C波>を構成する小勢2波の修正波に位置し、日柄調整的な中段揉み合いを形成しているとみられる。 目先的には、週足均衡表の『転換線』の1.6355㌦処や『基準線』の1.6378㌦処を巡る上抜け攻防が焦点となってくる。 特に1.6355㌦処は50% retrace pointと一致しており、同水準をNYクローズで上抜くことができるかどうかが注目されよう。
但し、週足に同調して上昇している『遅行線』が同じ時間軸の転換線を下抜く場合は、急落を示唆するシグナルと受け止めたい。 2波の修正波から3波の衝撃波へ移行する可能性もあり、この局面ではNYクローズによる「雲の下限」を巡る攻防に期待したい。

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(1月14日 11:40記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月13日

●リスクトレードの巻き戻しは一時的に

昨日のマーケットは、米アルミ大手アルコアの昨年10-12月期決算が期待はずれの内容となったことや、中国人民銀行が市中銀行の預金準備率の引き上げを発表したことで、昨年来の高値圏にあった世界の主要株価指数はほぼ全面安となった。
国際商品市場では世界最大の資源輸入国である中国の需要低下観測から原油が2ヶ月ぶりの大幅安となるなど、こちらも全面安の展開となった。
為替マーケットは、株式や原油などを選好する"リスクトレード"の巻き戻しが炸裂するなか、資源国通貨が大幅安となり、豪ドルなどクロスベースの円買い戻しで日本円が全面高となった。
米株価の動向は、昨年末から引き継いだリスクトレードの持続性を見極める上での重要ポイントの一つであったが、この間の株高が大幅な業績改善を先取りして上げてきただけに、高められた期待値の更なる引き下げが必要かどうか、14日発表のインテルの決算が注目されよう。
また、15日のJPモルガンを皮切りに米銀行セクターの決算発表が相次ぐ予定となっているが、「米政府は金融機関の救済コストを回収するため、金融機関に対し1,000億㌦超の手数料を課す可能性がある」との報道が金融株の売りを誘発している。 
ただ、米政府関係筋は手数料の額を含めて詳細は流動的としており、昨日の株安は決算発表前の利益確定売りと捉える必要もありそうだ。
そして、中国人民銀行による預金準備率の引き上げについては、実施時期が大方のアナリストらが想定していた今年4月より前倒しされたためサプライズとなったが、裏を返せば中国経済が予想以上に強いということであり、こうした金融政策の微調整はむしろ健全な動きと捉えることができよう。
こうした観点からは、一部で指摘されている世界的な景気回復が鈍化するとの見方は行き過ぎの感があり、リスクトレードの巻き戻しも一時的な動きとみておきたい。
(ご参考:2005年7月の人民元切り上げは日本時間20時に発表されている。 昨日の預金準備率引き上げも20時であり、当面はこの時間帯に注意を要したい)

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さて、昨日のドル/円は一時90.73円まで急落し、「水星の逆行」期間中(12/26-01/16)の安値を更新している。 そして、ドル/円は米2年債利回りの低下に引っ張られるように急落している。
これまで米2年債利回りとドル/円のピーク(終値ベース)はほとんど一致していたが、今回は米2年利回りが12/31にピークを付けたにもかかわらず、ドル/円は菅財務相の応援(円安誘導発言)もあって01/07にピークを付けていた。 しかし、米2年債利回りの急低下にキャッチアップする形でドル/円も下げており、足元では順相関が復活している。 市場の金利観を反映するFFレート先物市場では、今年6月の利上げ観測が12%まで低下しているが、9月の25bpの利上げについては確実視しており、この点からは2年債利回りの低下余地は少なくなっているといえよう。
また、「水星の逆行」が今週末16日(土)で終了することや、昨日のレポートで述べた「一期一節」の節目が01/13であることから、昨日の安値もしくは本日更新するかもしれない安値が当面のボトムとなる可能性も念頭に置いておきたい。
ご参考までに、週足ベースでは2008年の高値110.67円(08/15)から「一巡」(76週目)の節目が1月3週、2009年の高値101.45円(04/06)から「一期二節」(42週目)の節目がやはり1月3週となっており、来週に大きな動意が生じる可能性もあり、今週はその前哨戦という位置付けとなるかもしれない。

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(1月13日 11:25記)

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2010年1月12日

●人民元の上昇期待が潜在的な円高圧力に

 週明けの為替マーケットは、米雇用情勢の緩慢な改善を受けた低金利政策の長期化観測からドル売りの流れを引き継いで始まった。
もっとも、米株式市場はFEDの低金利政策の長期化や企業業績発表への期待から昨年来高値圏で推移しており、悲観ムードはみられていない。
むしろ、中国税関当局が10日に発表した12月の貿易統計で、輸出が前年比+17.7%と14ヶ月ぶりに増加に転じたことや、輸入も同+55.9%と過去最高水準に増加したことが好感され、豪ドル買いなどリスクトレードを促す手掛かりとなった。
中国は2009年通年でドルベースの輸出額が首位のドイツを抜いて世界一になったほか、09年の自動車販売は前年比+46.2%の1,364万台と米国の約1.3倍となり、初めて世界一が確定しており、世界経済のけん引役としても存在感を増している。 (2010年の名目GDPは、日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位になるとみられている)
このことは、中国のマクロ経済指標や政策運営に対する注目度が一段と高まることを意味する。 
昨年12月の輸出入の予想以上の回復は、中国政府が景気刺激策を弱める根拠になるほか、事実上のドルペッグとなっている人民元相場の上昇を容認する根拠になるとの見方が浮上している。 事実、中国人民銀行は昨年12月29日と31日に公開市場操作で予想外の資金吸収を行い、  過剰流動性を容認しない姿勢を明確に示したほか、1月7日に実施された3ヶ月物手形入札では市場の予想に反して利回りを引き上げ、一段の市場流動性引き締めと受け止められた経緯がある。
こうしたなか、中国人民銀行が毎朝公表する人民元の対ドル相場の基準値は、2008年8月頃から6.8280元前後で維持されているが、昨日の人民元先物の対ドル1年物のNDF(ノン・デリバラブル・フォワード)は6.5990元と昨年11月以来の水準に上昇している。 中国当局が人民元相場の維持のために行っているドル買い・元売り介入は、市場に過剰流動性を供給することになり、急拡大する中国経済のマクロ政策と明らかにミスマッチ(不均衡)が生じている。
このため、市場では中国当局が人民元の上昇を容認するとの観測が再燃しており、2月の国際会議に向けて同じアジア通貨で流動性の高い日本円に通貨高圧力が加わる局面を想定しておく必要もありそうだ。

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一方、米ドルについては早期利上げ期待の後退により、昨年11月半ばからの上昇の修正局面が想定されそうだ。
主要6通貨に対するICE(インターコンチネンタル取引所)のドル指数先物のファンド筋の持ち高は、昨年11/24に終わる週から01/05まで7週連続の買い越しとなり、その額は過去最大に膨らんでいる。 01/05時点の売買内訳をみると、売り買い双方の持ち高を縮小する動きがみられているが、総取組高の推移をみると昨年11/24時点の39,858枚から01/04には64,878枚まで増大したあと、最新の01/08時点では57,955枚と引き続き高水準を保っている。 つまり、思惑的に積み上げたドルロングの持ち高解消ニーズが高まっていると解釈され、当面はドルの戻り売り圧力の優勢な地合いが続くとみておきたい。
今週は昨年11/27の急激な円高局面から起算して「一期一節」(33日目)の節目を01/13に迎えるほか、01/16までは「水星の逆行」期間となるため、ドルの急落リスクには特に注意したい。

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(1月12日 11:10記)

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2010年1月 8日

●すべては「米雇用統計」次第の展開に

昨日のマーケットは、相場を動かす材料が盛り沢山でデイトレ派は充実した1日になったことと推察される。
こうしたなか、海外勢が大きく反応したのが菅財務相による就任後初の記者会見であり、為替市場の動向について「経済界では1㌦=90円台半ばが適切という見方が多い。もう少し円安の方向に進めばいいと思っている」と、具体的な水準に踏み込んだ発言を行った。
要人発言は時として"潮目の変化"をもたらすが、マクロ政策に裏付けられ、緻密な計算に基づいた発言でない限り、ボラティリティーを高める要因となり反動的な円高を招くリスクとなる。
昨年12月は、日銀が臨時会合で広義の量的緩和とされる「10兆円規模の新型オペ(別名:ウルトラ・モンスター・オペ)」を導入したほか、マイナスの物価を容認しない姿勢を明示することで事実上の「時間軸」を強化し、年末に向けて当座預金残高を20兆円台へ膨張させている。
日銀当座預金残高は資金余剰感を表す目安と解釈され、年末の円安を促す一因となったが、7日時点では14.94兆円まで急減している。
今後、新たな政策が打ち出されない場合は、デフレによる実質金利の高止まりから円ショート・カバー(売り持ち高の買い戻し)が誘発される可能性も浮上してくる。

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そして何より、1月末には昨年11月の英セントアンドルーズG20会合で合意した"均衡ある成長"のための「中期目標」をまとめることになっている。 米ピッツバーグG20首脳宣言は、「大幅な対外黒字を計上する参加国は、国内の成長の源を強化する政策の枠組みが必要」としており、昨日の菅財務相の為替発言は自国の輸出産業の利益を優先した"近隣窮乏化策"にほかならず、発言の軌道修正がなされる事態も想定しておく必要がありそうだ。 事実、米紙は菅財務相の為替発言を"政策に不慣れな危うい発言"と論評しており、反動調整的な円買い戻しのリスクには注意を要したい。
尚、筆者は円高を誘発するイベントリスクの一つとして中国人民元の切り上げを想定しているが、昨年末から中国当局による過剰流動性を容認しない姿勢が鮮明となっている点にも注意を要す必要がありそうだ。
昨年末は、中国人民銀行が29日と31日に公開市場操作で予想外の資金吸収を行っており、昨日は3カ月物手形の入札で市場の予想に反して利回りを引き上げ、市場の流動性を一段と引き締める姿勢を示している。 人民元先物の対ドル1年物のNDF(ノン・デリバラブル・フォワード)は、1㌦=6.6330元となり、再び人民元高の基調が強まっている。 人民元の切り上げ観測が高まれば、アジア通貨で最も流動性の高い日本円が代替通貨として買われる可能性があり、この局面が今年の円高ピークになると想定している。

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さて、本日は市場参加者にとって最もやっかいな米雇用統計が発表される注意日である。
12月のNFP(非農業部門雇用者数)は、コンセンサス中心が横ばいの見通しとなっているが、各エコノミストの予測は最大8万人の減少から10万人の増加まで幅広く、市場の反応を予測することが困難な状況となっている。
昨日発表された1月2日終了週の米新規失業保険申請者件数は、43.4万件と前週の43.3万件(⇒速報値は43.2万件)から0.1万件増加したが、トレンドをみるうえで重要な4週間移動平均が45.025万件と1年4ヶ月ぶり低水準となり、市場の期待値は高まっているようだ。 4週間移動平均から求めたNFPの理論値は3万人前後の減少となり、ガイトナー財務長官が述べているように雇用創出は春頃まで待つ必要がありそうだ。 
昨日は、FRBや連邦預金保険公社(FDIC)などで構成する米連邦金融機関検査協議会(FFIEC)が声明で、「現在の記録的な低金利水準の環境において、金融機関は金利上昇の可能性に備えてエクスポージャーの度合いを査定し、必要であればそれを軽減するしっかりとしたプロセスを確保することが重要だ」と注意喚起している。 本来であれば、金利先高観からヘッジの動きが加速しても不思議ではないが、市場の米金融政策見通しを反映するFFレート先物市場では、意外にも金利先高感が小幅ながらほとんどの限月で後退している。 明確な理由は不明であるが、仮に12月の雇用統計でNFPがプラスに転じたとしても、失業率が継続して下がるには毎月13万人程度の雇用増が必要とされており、FEDが利上げに踏み切る事態には至らないという解釈かもしれない。 
実際、金融緩和局面から引き締めに移行する時期は、失業率の低下が十分に確認された後で利上げが開始されており、2001年のリセッションの際は回復期に入って12ヶ月経つまで利上げは実施されていない。 こうした観点からは、仮に12月の雇用統計でNFPが数万人程度の増加に転じたとしても、"噂で買って事実で売る"といった反応に注意したい。

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(1月8日 11:20記)
※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月 7日

●12月・FOMC議事録は超低金利の長期化を示唆

昨日のレポートでは、冒頭の挨拶の中で「―――値動きの背後にあるストーリーを捉えるよう心掛け、マーケット分析を通じて経験則を積み上げていきたい」とのスタンスを紹介した。
こうした考えは、テクニカルアナリスト協会で専門知識を身につけ始めた頃から必要性を感じていたが、筆者の師匠である佐々木英信氏の相場に取り組む姿勢を拝見させて頂き、一段と深まっていった。 テクニカル分析の知識を活かすためにもファンダメンタルズ分析が重要なんだということを気付かせて頂いた。  
テクニカル分析の知識だけでなく、あらゆるマーケットを観察する能力を養い、自らが相場シナリオを描けるようになってこそ、プロフェッショナルということである。 プロのディーラーは経験則に裏付けられた直感力で動くといわれる。 
こうした直観力の精度を高めるためにも多くの経験則を積み上げていく必要があり、これは個人投資家も同じことである。 細かな技術を学ぶことも大切かもしれないが、様々なマーケットを自分の眼で観察し続けていると、記憶や経験則として刻まれた事柄が最良な判断力や決断力、直観力となってトレーディングに役立つ日が必ず訪れると確信している。 アナリストの情報に頼ることなく、自律した投資家としてやっていけるのである。

さて、前置きが長くなってしまったが、昨日のマーケットは再びリスク資産を選好する動きが顕著となり、NY原油先物は10営業日続伸で資源国通貨が一段高、そして世界の主要株価指数も概ね堅調を維持している。
NY原油先物は昨年10月半ば以来の高値水準となる83㌦台へ上昇しているが、市場ではインフレやコスト増を懸念するには至っていない。
米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数(別名「恐怖指数」)は、19.16と2008年5月末以来の水準へ改善している。

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つまり、米投資家センチメントが楽観に傾斜していることを示しており、その最大の要因として考えられるのは昨日公表された12月のFOMC議事録がFEDはすぐには利上げに踏み切らないとの見方を浮上させたことが挙げられよう。 まず、11月のFOMC議事録(11月24日)では異例の低金利を維持することで生じるマイナスの副作用について議論していたことが明らかになり、バーナンキ議長が「雇用の最大化と物価安定という2つの責務に対するリスクを防ぐためFRBはドルの価値の変化が及ぼす影響を注視している」と、異例の「ドル安監視」発言につながった経緯がある。 
そして12月のFOMCでは声明文の景気認識が上方修正されたこともあり、議事録はタカ派的な内容になるとの警戒があったが、実際は数人のメンバーが「大規模な資産購入計画の拡大および今年第1四半期以降への期限延長という一段の景気刺激策を提供するのが望ましいと判断される可能性がある」と発言していたことが明らかになっている。
これにより、市場の米金融政策見通しを反映するFFレート先物市場では、今年6月のFOMCでの25bpの利上げの確率が36%と、前日の46%から一段と低下している。 (⇒利上げ確率が最も高まったのは、昨年12月29日時点の78%)
こうした米金利先高観の後退が市場のリスク資産選好を後押しすると同時に、ドル安を促す格好となっている。
12月のFOMC議事録には、11月のようなドル安に関する記述は一切ないため、ひとまずドル安修正(=ガス抜き的なドル高)の目的は達成したと解釈することができるかもしれない。
裏を返せば、米経済は本格回復には至っていないということであり、昨日発表された12月のISM非製造業景気指数が50を挟む一進一退から明確に上放れない限り、異例の低金利政策が維持され、結果としてドル安が再開する可能性に留意する必要がありそうだ。
尚、ISM非製造業景気指数では、「雇用」が44.0と拡大・縮小の分岐点となる50を大きく下回っており、週末の雇用統計でNFP(非農業部門雇用者数)が増加に転じるとの見方を後退させている。

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(1月7日 11:30記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年1月 6日

●週末の米雇用統計までは神経質なRange-Boundの継続に

新年明けましておめでとうございます。
当レポートでは、目先的なテクニカル分析だけでなく、値動きの背後にあるストーリーを捉えるよう心掛け、マーケット分析を通じて経験則を積み上げていきたいと考えております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、年明けのマーケットは世界景気の回復期待を引き継ぎ、世界の主要株価指数は昨年来高値を更新する地合いで始まった。
 各国経済の重要先行指標であるPMI(購買担当者)製造業景気指数(米国はISM)は、右グラフが示すように拡大・縮小の分岐点となる50を上回り、リーマン・ショック後の最高水準を更新している。 こうした指標の改善がNY原油の9日続伸につながっており、資源国通貨の上昇を促す格好となっている。
CFTC(米先物取引委員会)が4日に発表した『Commitments of Traders Report』によれば、12月29日時点におけるファンド筋の米ドルに対する主要6通貨の持ち高は、「日本円」「ユーロ」「ポンド」「スイスフラン」が売り越し、「カナダドル」「豪ドル」が買い越しと、二極化の様相を呈していることが明らかになった。
2009年の最大のテーマは株式や原油などリスク資産選好の動きであり、その対極には広範な米ドル安があった。
しかし、昨年11月のバーナンキFRB議長による「ドル安監視発言」や11月FOMC議事録で低金利政策を維持することによるマイナスの弊害が議論されていたことが明らかになり、米ドルは一転して買い戻される展開となった。
主要6通貨に対するICE(インターコンチネンタル取引所)のドル指数先物のファンド筋の持ち高は、右グラフが示す通り11月24日の週から6週連続の買い越しで、買い越し額の取組高占有率は61.78%と過去最高を更新している。 つまり、買われ過ぎの領域を大きく上回っており、ファンド筋は持ち高解消ニーズを抱えた状態にあると解釈することができよう。

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こうしたなか、昨日のNYタイムでは11月の米中古住宅販売成約指数が予想以上に低下したことが米金利先高観の低下やドル売りにつながっている。
市場の米金融政策見通しを反映するFFレート先物市場では、今年6月の25bpの利上げ織り込みの確率が昨年12/29時点の78%から46%へ大きく低下している。
また、政策金利の動向に敏感な米2年債利回りは昨年12/31時点の1.1434%がピークとなり、01/05には1.0159%まで低下している。
右グラフが示すように米2年債利回りとドル/円はパラレルに推移しており、昨年末の急激な金利上昇の正当性を占う上で今週末の米雇用統計が重要となってくる。
それまでは、新たな動意や明確な方向性が打ち出される可能性は低いといえ、Range-Bound(既存取引レンジ内の乱高下)が続くものとみておきたい。
尚、米ドルの総合的な実力を示すFRB算出の実効為替相場は、2009年はシーズナル・サイクルが示す方向性を反映する動きとなっていた。
今年は米中間選挙の年となるため、シーズナル・サイクルでは5月に向けてドル安が進展したあと、6月に単発的なドル高を経て再びドル安が進展するが、11月に向けてドルが買い戻されるパターンとなっている。
注意したいのは4月半ばから5月に向けたドル安であり、この期間は「水星の逆行(04/18-05/13)」と重なるため、年間の最安値を付ける可能性を想定しておく必要があるかもしれない。 
いずれにしても、米中間選挙年のシーズナル・サイクルはトレーディングに適した乱高下とみることもできるため、前向きに捉えていきたい。

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(1月6日 11:10記)

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