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デイリーレポート
デイリーレポート

2010年2月26日

●平時への道程の険しさを認識させる春の嵐

 昨日の為替マーケットは、ギリシャの格下げ懸念を引き金とする欧州ソブリンリスクの再燃や、米経済指標の悪化を受けた世界景気の腰折れ懸念からリスク回避姿勢が強まり、欧州通貨や資源国通貨が全面安となる一方、日本円が全面的に買い戻される展開となった。
 リスク回避による資本フローの基本は、「キャッシュ化(⇒手仕舞い)」「質への逃避(⇒安全志向)」「ホームバイアス(⇒母国回帰)」であり、手仕舞い相場ではファンディング通貨の位置付けにある日本円に最も強い上昇圧力が掛かることになる。 
 昨日の場合は、欧州主要3通貨に対して日本円が年初来高値を更新するに至っている。
 質への逃避(Flight to quality)が促される局面では、グローバル・マネーは流動性や信用力の高い米国債などに向かい、昨日行われた320億㌦の米7年債入札は、応札倍率が2.98倍と7年債が再導入された過去1年間で最高を記録している。
 世界経済は、①リーマン・ショック後の流動性危機というパニックの解消、②在庫調整の進捗、③各国の大規模な景気刺激策の実施、に支えられ、急速に持ち直している。 しかし、今回の危機に至る根本的な原因である欧米諸国における信用バブル崩壊に伴うバランスシート調整という問題は依然として残っており、日本の失われた10年の経験が示すように経済には慢性的な下押し圧力が掛かり続けている。
 ここにきて米国の主要経済指標が軒並み悪化しているのはこのためであり、バーナンキFRB議長が半期・議会証言で「異例の低金利を長期間維持する」と繰り返す理由もここにありそうだ。
 また、こうした事情は欧州も同様に抱えており、欧州委員会が昨日発表した2010年のユーロ圏のGDP経済予測は、1-3月期から7-9月期までの3四半期連続で0.2%増と、年率で1%にも満たない低成長が続くと想定している。 
 米欧経済はともに低成長を余儀なくされる状態が予想されているものの、大規模な財政出動を行った歪みからソブリンリスクが高まっており、景気下支えはもっぱら金融政策に頼らざるを得ない状況となっている。 
 こうした状況が、昨年のマーケットの流行語となった「ニューノーマル(新たな標準)」であり、「米国の役割縮小」、「潜在成長率の低下」、「構造的失業率の上昇」、「財政状況の悪化」、「超低金利政策の長期化」、「インフレ圧力の低下」―――といった市場環境のなかで主要通貨相場は"不人気(不美人)投票"の勝者選び的な値動きとなってこよう。

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 さて、昨日のユーロ/ドルは東京終盤に1.3451㌦まで続落幅を拡大したものの、ユーロ/円が119.66円まで急落したNY中盤は1.3458㌦で下げ渋り、このあと急速に切り返す格好となっている。
 とはいえ、現状では下向きで推移する日足-転換線がNYクローズのレジスタンスとなっており、同線を上抜かない限り、昨日のような急落に対する警戒は怠れない。
 週足均衡表では、『雲の下限』(=1.3598㌦処)が本日週末のNYクローズで破られるかどうかが焦点となり、ここが破られる場合は『遅行線』が基準線を下抜く可能性も高まるため、この局面では<C波-3>が値幅および日柄を延長する事態を想定したい。

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(2月26日 11:30記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月25日

●米金利先高観後退もリスク選好ムード盛り上がらず

 今週最大の注目イベントであったバーナンキFRB議長による金融政策運営および経済見通しに関する半期・議会証言(1日目は下院金融サービス委員会)は、危機対応の金融政策を平時に戻す「出口戦略」について、時間をかけて慎重に進める考えを示した。
 米経済の動向に関して、個人消費が上向き、設備稼働率や輸出などが改善してきたと指摘する一方、住宅・不動産市場に懸念を表明したほか、雇用情勢は依然としてかなり弱いとの認識を示している。
そのうえで、当面の金融政策運営について「長期間、異例の低金利を維持することが正当化される」と言明し、市場の早期利上げ観測を打ち消している。
 市場の金利観を反映するFFレート先物市場では、9月までの25bpの利上げ織り込み度合いが19日時点の64%から30%へ低下している。
 それでも、年内の利上げを124%の確率で織り込んでおり、年後半の景気回復期待が根強く維持されていることを示している。
 もっとも、足下の米経済指標では1月の消費者物価指数のコア指数が1982年12月以来の前月比マイナスとなったほか、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が2009年4月以来、10ヶ月ぶりの水準に落ち込み、昨日発表された1月の新築一戸建て住宅販売は前月比11.2%減の年率30.9万戸と、1963年1月の統計開始以来で最も低い水準となっている。 また、FDIC(米連邦預金保険公社)が四半期ごとに発表する金融機関の経営状況に関する報告によれば、資本や収益に問題があると判断された金融機関が昨年12月末時点で702行に増加していたことが明らかになっている。 「問題行」(破たん予備軍)の資産総額は4,028億㌦と1年前の約2.5倍に急増しており、経済のバックボーンでもある金融機関の不良資産問題がなお途上にあることを示している。 このため融資残高は6四半期連続で減少しており、資金需要の低迷や資産圧縮を続ける金融機関の実態を示している。 

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 こうした状況からは、FEDによる異例の低金利政策が予想以上に長期化する可能性も否定できず、3月末に終了予定のエージェンシー債や住宅ローン担保証券の買入れプログラムについても延期される可能性も浮上してこよう。 実際、NY連銀ダドリー総裁は「何でも杓子定規には行わない」と述べ、FRBが3月の資産買い取りプログラム終了後に住宅ローン担保証券を買い取る可能性に含みを持たせている。
(昨日は英中銀のポーゼン委員が「必要になれば量的緩和政策を拡大する」と述べ、ポンド安を促す手掛かり材料とされている)
 いずれにしても、バーナンキFRB議長が改めて異例の低金利政策を長期間にわたり維持することができるとの見解を示したため、米主要3株価指数は安心感から買われていたが、為替マーケットでは株高がリスク選好トレードを促すには至らなかった。 
 それは、主要各国がそれぞれ不安要因を抱えているためでもあり、当面は不人気投票の勝者選び的な相場動向を想定しておきたい。
 この場合、不人気通貨が徹底して売られる一方、ファンディング通貨の位置付けにある日本円が買われるため、値頃感は排除して臨むこととしたい。

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(2月25日 11:35記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月24日

●悪材料の続出でリスク回避モード強まる

 昨日のマーケットは、豪準備銀副総裁が資源ブームにおけるインフレ抑制策としての豪ドル高を容認する発言を行ったことで、豪ドル主導でリスク選好トレードが強まる場面がみられたが、欧州タイムに入って相場の地合いが一変した。
 まず、2月の独IFO企業景況感指数の予想外の低下をきっかけにユーロ売りが誘発された。
 また、IFOのエコノミストが独経済は第1四半期にマイナス成長に陥る可能性があると指摘したことや、ゴンザレスパラモECB専務理事がユーロ下落は不当とは言えないと述べたことで、ユーロ安に拍車が掛かった。
 ゴンザレスパラモ専務理事は、「ユーロ相場は、過去の平均に向かうというひとつの曲がり角に来ている」と指摘しており、ECB算出の実効為替相場によれば現在のレートは過去15年の平均レートを7.2%も上回っていることを示している。
 そのうえで、同専務理事は「為替相場は変動し、ファンダメンタルズを反映すべきものであることから、この動きは完全に不当ではない」と述べ、足下のユーロ安に理解を示す発言を行っている。
 ユーロ加盟国は、厳格な財政規律が求められる一方、金融政策はECBが一手に運営しているため、景気低迷期には経済格差の拡大に拍車が掛かるといった構造問題が指摘されてきた。
 「PIIGS諸国」のソブリンリスクは、こうした不均衡や歪みの象徴と捉えることができ、現在の経済状況やこれから余儀なくされる緊縮財政の下では、ECBによる超低金利政策とユーロ安が重要なポリシー・ミックスの組合せとなってこよう。
 こうした事情は「STUPID諸国」に名前を連ねる英国(UK)も同様に抱えており、昨日はキング英中銀総裁が「国内景気の回復はぜい弱で、緩やかな景気回復という金融政策委員会の基本シナリオには引き続き下振れリスクがある」と述べたことや、マイルズ政策委員が「経済見通しが悪化すれば量的緩和を拡大する強い根拠がある」と指摘したことで英ポンドの急落を招いている。

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 一方、米国では12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数が、主要10都市・20都市ともに前月から下落しており、昨年10月が戻り高値となって再び下落基調に入っていることを示唆している。
(12月の主要10都市の住宅価格指数は、前月比▲0.20%、前年比▲2.46%、主要20都市では前月比▲0.26%、前年比▲3.16%となっている)
 さらに、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が、46.0と前月の56.5から予想外に低下し、2009年4月以来、10ヶ月ぶりの水準に落ち込んだことで、リスク回避が促される格好となった。
当然の帰結として、為替マーケットでは日本円が全面高となっており、典型的な「ショート・スクイーズ(売り方の締め上げ)」とみることができよう。

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 もっとも、投機的なポジションについては、昨日のレポートで採り上げたように米ドルのロングも過去最高水準に積み上がっており、次なる焦点はロングのアンワインドが促されるタイミングとなってくる。
 ちょうど、本日から2日間の日程でバーナンキFRB議長が金融政策運営と経済見通しに関する半期・議会証言を行う予定となっている。
 市場の関心は「出口戦略」の次なる一手に集まっているが、1月のFOMC議事録や2月10日の証言原稿など、一連の流れからはバーナンキ議長が描く平時までの距離感は予想以上に長く遠いとみられることから、膨大なドルロングの利食い(持ち高解消)を促すきっかけになるとみておきたい。

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(2月24日 11:30記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月23日

●米ドルが2002年型の変動パターンとなる場合は・・・

 今週は世界中のファンドマネジャー等が注目するFRB議長の金融政策運営に関する半期・議会証言が行われるほか、来週3日からは中国の最高権力機関である全人代が開催されるため、二大大国の政策運営方針を見極めたいとの姿勢から、市場参加者にとっては動きづらい局面にあるといえよう。
 週明けのマーケットは、こうした事情もあって全般的に持ち高調整を主体とする方向観に乏しい値動きに終始しており、前週に大幅反発した主要株価指数が利食いで軟調となるなか、為替マーケットではクロス円主導の売りで日本円が全面的に買い戻される展開となっている。

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 こうしたなか、昨日のマーケットで注目されたのはサンフランシスコ連銀イエレン総裁の講演であった。 イエレン総裁は、今年のFOMCの投票権を持つメンバーではないものの、次期FRB議長の候補に挙がるほどの実力派であり、米金融当局内では知的パワーハウスと呼ばれ一目を置かれている綺麗なおばちゃんである。
 イエレン総裁は昨日の講演で「出口戦略」について、「経済は潜在力を大幅に下回る状態にあり、インフレは望ましくないほどに低水準にあるため、緩和的な金融政策は適当であると考えている」とし「今は金融刺激策を終了させる時ではない」と述べている。
 同総裁がハト派寄りのメンバーであることを割り引いて解釈する必要はあるものの、米経済が潜在成長率を大幅に下回っているということは、日本と同様に「需給ギャップ」を抱えているということであり、この結果として構造的な失業率の高止まりや、インフレ率の低下(=デフレ)が懸念されているわけであり、バブル崩壊後の敗戦処理は未だ完了していないということである。
 現在のFRB執行部も同様のスタンスにあるとみられ、24-25日に行われる半期・議会証言ではバーナンキ議長が描く"平時までの距離感"が予想以上に長く遠いことを訴えることになろう。
 前回の米景気後退局面(2001年3月~11月)では、失業率がピークを付けたのが景気底入れから19ヶ月目の03年6月であり、利上げが開始されたのは失業率低下から12ヶ月目の04年6月であった。
 今回の米景気後退局面は2007年12月から始まり、昨年6月に底入れしたとみられているため、失業率がピークを付ける時期は前回に倣えば19ヶ月目の2011年1月となる。 そして、利上げ開始時期は2012年1月にズレ込むことになる。 
 先週末には、FOMCメンバーでタカ派として知られるセントルイス連銀ブラード総裁が、年内に利上げされるとの市場の観測について「行き過ぎ」だと述べ、利上げ時期は2011年になる可能性がはるかに高いとの見方を示している。
 タカ派メンバーが利上げ時期について2011年を想定しているということは、実際の利上げ時期が前倒しされるよりも、後ズレする可能性の方が高いと読むことができよう。

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 ここで注目されるのが米ドル相場の行方となるが、ドルの総合的な実力を示すFRB算出の実効為替相場(FRBインデックス)の「シーズナル・サイクル・選挙の年のパターン」によれば、1-4月までドル高で推移したあと、7月に向けて大きなドル安が進展するが、8月に急反発したあと揉み合いとなっている。
 今年の場合は、右グラフに示したようにドル高基調を踏襲する格好で推移している。 但し、前回の景気後退が終了した2001年11月の翌年の2002年(中間選挙の年)の変動パターンを見ると、3月からドルの下落が始まっている。
 足下では、ファンド筋が膨大な米ドルのロングポジションを抱えた状態にあり、これらポジションの行方次第では今年が2002年型の変動を踏襲するシナリオも念頭に置いておきたい。

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(2月23日 11:20記)

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2010年2月19日

●FEDの公定歩合引き上げは本線の金融引き締めとは次元が異なる

 日本時間の今朝6時半、米金融当局による公定歩合の引き上げ発表が伝わり、市場は米ドル買いで反応した。
 しかし、こうした公定歩合の引き上げを手掛かりとするドル買いは一過性の動きと捉える必要がありそうだ。
 今月10日、バーナンキFRB議長による下院金融委員会での証言はワシントンの豪雪により延期されたが、証言原稿だけはわざわざ公表され、そのなかで「遠くない将来に、公定歩合とFF金利との格差を緩やかに拡大させることを検討するだろう」と述べていた。
そもそも、FEDは何のために公定歩合を引き上げたのか・・・。

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 今月初めには、特別流動性供プログラム(⇒CPFF=Commercial Paper Funding Facility等の危機下の流動性供給策)が打ち切られており、公定歩合の引き上げはこうした措置に合わせた連銀貸し出しの正常化に向けたステップと解釈することができる。
 証言原稿では、公定歩合の引き上げについて、金融政策の見通しの変更や金融引き締めに向けた動きとして受け止めるべきではないと強調しており、FOMC(連邦公開市場委員会)ではなく、通常の会合のなかで決定されると述べている。 これは、本線の金融政策と明確に区別するための配慮であり、17日に公表された1月のFOMC議事録で示されたFRBの経済見通しは昨年11月時点の予測からほとんど変化していないことが示されている。
 つまりFOMCメンバーは、失業率が9%半ばで高止まりする一方、インフレ率は引き続き2%以下の安定圏で推移するという経済状況を想定しており、これは「異例の低金利政策を長期に亘って維持する」ことを正当化する3つの条件(「低水準の資源利用」「抑制されたインフレ基調」「安定的なインフレ期待」)から逸脱するものではなく、FFレートの引き上げが近いという議論にはつながらない。
 むしろ、世界経済の持ち直しに伴って"流動性危機というパニック"が解消されているため、危機対応で導入された特別流動性プログラムの打ち切りや、公定歩合の引き上げにより連銀貸し出しを通常の状態に戻すことで経済のブレを抑え、引き続きFFレートを異例の低金利に維持しようというものである。
 裏を返せば、米国経済がそれだけ厳しいということであり、需給ギャップの解消や家計部門のバランスシート調整が終わるまでは、FFレートを低位に安定させる必要があると考えられているということである。
 こうした観点からは、公定歩合の引き上げによるドル買いは一過性の動きとみておきたいが、テクニカル的な観点からは21日平均線が上向きに転じていることや、日足均衡表で『遅行線』が日々線を上抜けつつあるため、目先的には上昇余地を試す可能性に留意したい。 尚、許容できる上値の限界値は92.46円処(=76.4% of 93.67⇒88.55)であり、ここをクリアに上抜けする場合は「ショート・スクイーズ(売り方の締め上げ)」が促されるため、戻り売りではなく追随買いとなる点は念頭に置いておきたい。 

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(2月19日 11:15記)

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2010年2月18日

●米金利先高観を背景とするドル高は一過性の動きに

 ギリシャのソブリン債リスクは、1ヶ月の猶予期間が与えられる格好となり、ひとまずメインテーマから外れ、米金融規制改革の行方については、欧州委員会がEU内で銀行の自己勘定取引は禁止しない方針を明らかにしたことで警戒感が緩和され、中国の金融引き締めの影響については、春節明けの香港市場でハンセン指数が反発したことでひとまず安心感が広がっている。
 これら市場を覆っていた3つの不透明要因が一時的に後退する格好となり、足下ではリスク資産を選好する相場の地合いが戻っている。
 とはいえ、これら不透明要因が完全に払拭されたわけではなく、昨日はギリシャ以外のユーロ圏周辺国にも意図的な債務隠匿が存在するとの噂などでユーロが売り込まれており、リスク資産選好の持続性が試されそうな情勢にある。
 一方、米ドルは世界的な株高が進展するなかほぼ全面高になるという、昨年までとは異なる相場展開となっている。 

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 確かに、この日発表された米経済指標は1月の住宅着工件数が過去6カ月で最大となったほか、1月の鉱工業生産が前月比+0.9%と市場予想の+0.7%を上回り、FEDが重視する設備稼働率も72.6%と08年11月以来の高水準へ回復している。 これらの指標を受けて、米景気の先行きに対する楽観的な見方や、金利先高観が強まっても不思議ではない。
 ちょうど、この日公表された1月のFOMC議事録では、緊急流動性対策の解除手段など出口戦略に向けた議論が活発になされていたことが明らかになっている。 このなかで、一部メンバーが、「早い段階での資産売却開始」を主張していたことが明らかになり、これが一段のドル高を促す手掛かり材料とされたようだ。
(解説:「資産売却の開始」とは、FEDが信用緩和策によって購入したMBSなどの資産をバランスシートから外すということであり、これは利上げ開始前の重要な出口政策の一つとなる)
 もっとも、現段階で出口戦略について議論する最大の目的は、中期的なインフレ期待を抑制することであり、これによってFEDの現在の金融政策スタンスである「異例の低金利政策を長期に亘って維持する」ことが引き続き正当化されることになるわけである。 
 このため、市場の米金融政策見通しを反映するFFレート先物市場では、議事録公開によっても金利先高観は高まっておらず、利上げ開始は早くても中間選挙後とみているようだ。
 出口政策の総仕上となる利上げ開始までには、大まかに次の4つのステップを踏むことになり、実際の利上げは2011年にずれ込む可能性が高いといえよう。
 ○FRBの出口戦略の段階
 1.公定歩合の引き上げ (FFレートとの金利差を拡大する)
 2.リバース・レポや定期預金の受け入れで資金を吸収
 3.準備預金の金利引き上げ 
 4.MBSなどの資産売却
 こうした観点からは、米国の早期利上げ期待を背景とするドル高は一過性となる可能性があり、トレーディングにおいては追随買いではなく戻り売りのチャンスとして捉えていきたい。

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 昨日のドル/円は、50% retrace pointの91.11円処を達成して91.39円まで上昇したが、NYクローズは日足-雲の上限(=91.36円処)で抑えられ、91.27円で着地している。
 これにより、『遅行線』は日々線の上方へ抜け出ることができず、このあと日々線に同調する場合は90円割れを試す展開が想定されるため、NYクローズの着地点を注視していきたい。

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(2月18日 11:15記)

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2010年2月17日

●ギリシャ問題は03/16へ事実上の先送りに

 昨日のマーケットは、リスク資産が全面的に買い戻される展開となり、世界の主要株株価指数は大幅反発、原油や金などコモディティー市場も全面高となっている。 為替マーケットは、欧州主要3通貨やオセアニア通貨が急伸する一方、日本円と米ドルが売り戻される展開となった。
 EU財務相理事会は、ギリシャの財政再建計画をひとまず承認し、2010年中に実施する具体的な財政再建策の行程表を3月16日までに提出させ、同日開催の理事会で詳細に点検するとした。  
 事実上の問題先送りとなり、欧州債券市場では、ギリシャ国債と独連邦債の10年物利回り格差が一時339bpに拡大、ポルトガル国債と独連邦債の利回り格差も拡大した。 また、ギリシャ国債やポルトガル、スペインの保証料が上昇するなど、信用不安が解消されたわけではないことを示している。
 しかし投機的な売買動向の指標とされるIMMファンド筋のユーロの持ち高が、過去最大に積み上がっていたことや、短期的な収益の目安とされる5%を達成していたことで、ひとまず利益確定による買い戻しが入ったと解釈することができよう。
 こうした動きは株式市場も同様であり、米株式市場全体のベンチマークとされるS&P500種株価指数のファンド筋の先物ポジションは、過去最大の売り越しとなっていただけに、悪材料の織り込み進捗とリスクイベントの終了がショート・カバーを促すきっかけになったといえよう。

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 とはいえ、南欧諸国のソブリン債リスクは解消されたわけではなく、問題が先送りされただけであるため、持ち高調整以上のユーロ買いは制御されることになろう。
 事実、昨日のユーロ/ドルの高値は1.3780㌦と、Minor Fibonacci retraceの1.3779㌦処(=23.6% of 1.4580⇒1.3532)を達成したに過ぎず、戻り上値の重さを意識させている。
一方、日足均衡表では1月14日以来はじめてNYクローズが『転換線』を上抜いており、短期的にはN-計算値の1.3894㌦処を目指す展開を想定しておきたい。
 波動面からは、4波の修正波により「下降チャネルライン」の上限に到達する高値を示現したあと、5波による下落波動を再開するというのが理想的な動きとなるが、カギを握る『遅行線』がどのタイミングで日々線に衝突するのかをしっかり見極めていきたい。
 尚、日柄面では今週は1波のボトム1.4218㌦(12/22)から「一期二節」(42日目)の節目を02/18に迎え、来週は昨年来高値1.5145㌦(11/25)から「複合6」(65日目)の節目を02/24に迎えるほか、2波の戻り高値1.4580㌦(01/13)から「一期一節」(33日目)の節目を02/26に迎えるため、同日前後の値動きには特に注意を要したい。

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(2月17日 11:10記)

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2010年2月16日

●ギリシャ財政問題は信認回復が最優先課題

 週明けの為替マーケットは、中華圏の春節祭による休暇入りと米国のプレジデンツデーによる休場で、動意の乏しい値動きとなった。
 もっとも、市場では南欧諸国の財政赤字問題や中国の金融引き締めの影響、ドバイ・ワールドの債務返済問題など、"波乱の火種"が山積しており、嵐の前の静けさを予感させる不気味さが漂う。 昨年末から引き継いだはずの世界的な株高の流れは、1月3週を境にして調整局面入りの様相を呈しており、好材料よりも悪材料に反応しやすい地合いとなっている。

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 こうしたなか、市場の関心はギリシャ支援を巡るEU財務相会合の議論の行方に集まっている。 前日までに伝わっている要人発言を総合してみると、現段階ではユーロ圏による救済ではなく、ギリシャの自力再建を促すというスタンスにあるようだ。 「まだ緊急事態ではない」との認識であり、ギリシャの財政問題を解決するうえで最も重要な"信認の回復"に向けて、財政再建の実施状況を厳しく監視する方針を打ち出すようだ。
 ギリシャ政府が「中期財政再建計画」を打ち出したのが今月初めであり、財政再建に着手し始めた段階での資金支援は選択肢にないのが実情のようだ。 ユーロ圏各国の財政状況は、世界的な金融危機後の財政出動により大きく悪化しており、ドイツでも09年の財政赤字がGDP比で3.2%に達するなか、国内世論が厳しく他国への資金支援はできない事情がある。
 14日付の独紙ビルト日曜版に掲載された世論調査によると、必要であればギリシャをユーロ圏から除外すべきとの回答が過半数に上ったほか、3分の2以上がギリシャ支援に反対すると答えている。  また、複数の独政府高官がギリシャ支援に懐疑的な見方を示すなど、メルケル首相率いる連立政権内でも支援に反対する声が高まっているようだ。
 結局、ギリシャの財政問題の当面の落とし処は、3月に実施される10年物国債の入札を成功させることであり、これによって4月と5月に満期を迎える約250億ユーロの国債の利払い・償還を乗り切ることができるのである。 
 ギリシャへの資金支援は、経済通貨同盟の信認を揺るがしかねない悪しき前例をつくることになるため打ち出せないが、3月のギリシャ10年物国債の入札状況次第では、ユーロ圏加盟国が応札することは十分有り得るということになる。 それ故に、ギリシャ政府に対しては市場の信認を回復すべく財政再建計画の着実な実行を求め、欧州各国は連帯に対する政治的な強いコミットメントを提供するということになろう。
 こうした状況下、IMMファンド筋のユーロの持ち高(02/09時点)は、昨年12/08以来10週連続の売り越しで、ポジション的な過熱感を測る取組高占有率は28.94%と過去最高を更新している。
 IMMユーロ先物市場では、市場エネルギーのバロメータである取組高の増大を伴ってユーロ安が進行しており、ショート構築のための資金が積極的に流入していることを示唆している。

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 もっとも、通貨型のヘッジファンドやCTAファンドが短期で為替を仕掛ける場合、「5%の収益が一つの節目」といわれており、1月半ば前後に構築されたショートポジションは6%超の含み益を有している計算となるため、手仕舞いが始まる可能性は念頭に置いておきたい。 

(2月16日 11:35記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月12日

●EU首脳、ギリシャ支援で合意も金融支援に踏み込めず

 今週最大の注目イベントであったEU首脳会合は、ギリシャ問題について「ユーロ加盟国は域内の安定を保護する必要が生じた場合には一丸となって協調的に断固たる行動を取る」との声明を発表した。  EU首脳会合では、ギリシャの経済状況をより厳重に監視することが必要との見解で合意したが、同国の債務危機に対する具体的な支援策を提示するには至らず、金融支援策を期待した市場の失望を招き、欧州主要株価指数は金融株主導で続落、為替マーケットではユーロが全面安の展開となっている。
 EU首脳らは政治的な強いメッセージは発信したが、リスボン条約による「非救済(no bail-out)条項」の制約があり、安易な金融支援に踏み込めず、支援の詳細は来週初めに開催されるEU財務相会合へ持ち越される格好となっている。
 そもそもユーロ加盟国は、「財政安定協定」という厳格な財政規律をクリアして参加しているはずであり、こうした財政面の縛りが経済通貨同盟の信認となってきた経緯がある。(⇒当然のことながら、日本はこの財政安定協定の条件を満たすことができず、ユーロに加盟することすらできない)
厳格な財政規律が域内のインフレと通貨の安定をもたらすとして、ユーロは第2の基軸通貨として各国外貨準備高の組入れ比率を高めてきたが、その信認が根底から崩れようとしている。
 しかし、ユーロ加盟国の厳格な財政規律がギリシャ問題によって揺らぎ、同国のドイツ連邦債に対するリスクプレミアム(金利上乗せ)やCDS信用保証料の急騰がPIIGS諸国へ波及するなど、悪循環を断ち切る必要に追い込まれているのである。 また、今朝の日経新聞が報じているように、欧州各国の金融機関はPIIGS諸国向けに巨額の与信を行っており、一国が行き詰ると危機が独仏など大手銀にも波及する恐れがあったわけだ。
 さらに、ギリシャは4月と5月に国債償還が集中する予定となっており、投資家の信認が得られない場合は円滑な借り換えが行えず、長期金利の急騰によって事態は金融危機に発展するリスクを孕んでいる。 来週開催のEU財務相会合では、ドイツ政府系金融機関の復興金融公庫(KfW)によるギリシャ国債の買い入れが検討されるとの報道がなされているが、財政問題を抱えているのはギリシャだけではなく、一国が金融支援を受ければ市場は次なる標的を炙り出すことになり、際限のない救済劇がユーロの信認を揺るがすことになりかねない。 独仏も金融危機後の財政出動により、財政赤字はGDP比で3%超に膨らんでおり、他国を支援する余裕はなく、同問題が決着をみるまでには紆余曲折がありそうだ。

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 さて、ユーロ/円は重要な日柄で示現した安値120.70円をボトムにして自律反発に向かうとみられたが、戻り上値は日足均衡表の『転換線』で見事に抑え込まれている。 エリオット波動分析では、トリプルトップの最後の高値138.49円を起点に<C波>の下落波動(五波構成)が進行しており、現状は小勢4波に位置するとみられる。 4波は一般的に、三波構成の修正波となるが、時として複雑な継続パターン(三角保ち合いなど)を形成することがあり、目先的には形状の見極めが必要となりそうだ。
 NYクローズが引き続き『転換線』で抑え込まれる場合は、『遅行線』が日々線に衝突するまでの間、日柄調整的な中段揉み合いが想定されるが、直近安値120.70円が破られる場合は小勢3波が延長している可能性が高まるため、この局面ではN-計算値の117.36円処に向けた一段安に留意したい。

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(2月12日 11:30記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月10日

●ギリシャ救済の場合は中長期的なユーロ売りへ!?

本日2月11日は、祝日の為休載とさせて頂きます。

 昨日のマーケットは、深刻な財政問題に直面するギリシャへの支援を巡る観測報道により、リスク忌避に傾斜していたセンチメントが好転し、世界の主要株価指数はほぼ全面高の展開となった。
 為替マーケットでは、ユーロが大幅反発となり、日本円と米ドルが全面的に売り戻されている。
 南欧諸国のソブリン・リスクについては、「EUはいずれ救済に乗り出さざるを得なくなる」との見方が暗黙のコンセンサスとなっていたわけであり、市場が政策催促相場の様相を呈していただけに、ひとまず悪循環を断ち切る格好となっている。
 とはいえ、これで問題が解決したわけではなく、仮にEUまたはドイツ政府が支援に乗り出す場合でも、厳格な財政規律を前提とする条件が付されることになり、支援を受け入れる側は国民世論を説得する必要がある。 ギリシャ国内では、財政赤字削減策に反対して、最大規模の労組GSEE(ギリシャ労働総同盟)が今月2 回目のストライキを計画しているほか、税務署員が48 時間ストに突入し、公務員の主要労組も10 日にスト実施を表明しているのが実情である。
 欧州委員会(EUの行政執行機関)は、今月3日にギリシャがまとめた「中期財政健全化計画」を承認したが、ギリシャ国債のリスクプレミアムが跳ね上がったのは、「財政再建は実現困難」と市場が見限ったためである。
 こうした状況のなかでEUがギリシャ救済に乗り出す場合は、欧州経済通貨同盟の最も重要な「財政規律」の規範が失われないよう、財政再建を強制する監視体制を敷く可能性もあり、最終的な救済の決定が下されるのは来週以降になるとの報道がなされている。 
 メルケル首相率いるキリスト教民主同盟の副党首で財政問題の報道担当を務めるマイスター議員は、「我々は(ギリシャに対する)支援を検討している」としながらも、「支援が実施される場合でも、厳しい条件の下でのみだ。ギリシャ政府が抜本的な改革に着手すればの話だ」と述べている。
 昨日の為替マーケットは、ユーロの買い戻しで反応しているが、それはユーロショートに大きく傾斜したポジション状況も影響しており、実際に救済策の詳細が明らかになった時点では、"噂で買って事実で売る"といった展開を想定する必要もありそうだ。 今回、「PIIGS諸国」の財政問題が表面化したことにより、ユーロ圏各国の政策ミックスはこれまでの「積極財政+超低金利」から「緊縮財政+超低金利」へ移行することなり、伝統的な経済理論であるマンデル・フレミング・モデルに従えば、大幅な通貨安が促されることになる。

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 昨日のユーロ/ドルは1.3840㌦まで急伸したが、日足-転換線の1.3819㌦処がレジスタンスとなり、NYクローズは1.3796㌦へ落とされている。 エリオット波動分析では、1.5145㌦を起点に<C波>の下落波動(五波構成)が形成されており、先週末の安値1.3585㌦(02/05)は下降チャネルの下限に到達するものであったほか、小勢1波のボトム1.4218㌦(12/22)から「一期一節」(33日目)の節目で示現した安値となっており、小勢3波のボトムとすることができる。 これにより、現状は小勢4波の修正波が進行中であるとみられ、値幅調整となる場合はMinor Fibonacci pointの1.3965㌦処(=38.2% of 1.4580⇒1.3585)を目指す展開が想定されるが、『転換線』がレジスタンスとなる場合は、日柄調整となる可能性に留意したい。
 この場合は、『遅行線』が日々線に急接近または衝突するまで、「三角保ち合い」などの継続パターンの形成をイメージすることができよう。 日柄面では、1.5145㌦(11/25)から「複合6」(65日目)の節目を02/24に迎えるため、同日前後を変化日としておきたい。
 当面は逆張りスタンスで臨むことになるが、『遅行線』が日々線に接近する局面は、日足が下降チャネルの上限に接近すると予想されることから、この局面では小勢5波への移行を念頭に戻り売りで攻めてみたい。  

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(2月10日 11:15記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月 9日

●EURUSD、1時間足・均衡表チャートで買いシグナル点灯

 週明けのマーケットは、南欧発のソブリン債リスクの広がりや、金融機関に対する規制強化の懸念が払拭できず、米主要3株価指数は揃って続落、NYダウは昨年11/04以来3ヶ月ぶりに1万ドルの節目を割り込んでいる。
 この日の株価下落は2.2%安となったS&P金融株指数が主導しており、ギリシャのソブリン債問題に絡んだエクスポージャーを抱えている可能性から圧力を受ける格好となっている。 
 米主要3株価指数先物のファンド筋の持ち高状況(02/02時点)をみると、米株式市場全体のベンチマークとされるS&P500の売り越し幅が急拡大している。 また、NASDAQが20週ぶりの売り越しに転じ、NYダウは買い越し幅が半減している。
 つまり、南欧のソブリン債リスクの二次的被害が意識されているわけであり、米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数は27.11まで跳ね上がっている。
 一部報道では、ギリシャのGDP規模に鑑みれば影響は限定的との見方がなされていたが、国際金融筋によればギリシャの対外債務は約3,000億ユーロに達しており、昨年11月末のドバイ・ショック(⇒ドル/円は一時84円台に突入)の比ではないことがわかる。

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 そして、最も警戒されているイベントが4~5月に満期が集中する債務の借り換えであり、同問題を巡る懸念の長期化は必至といえよう。
 こうしたなか、投機的な売買動向を見る際の指標となるIMMファンド筋のユーロの持ち高は、昨年12月2週から9週連続の売り越しで、02/02時点の売り越し額は過去最大を更新している。
 現状では、市場エネルギーのバロメータである取組高の増大を伴っているため、ポジション的な過熱感は指摘されていないが、売り越し額の取組高占有率は23.4%と過去最高の28.6%に急接近している点は注意が必要だ。 このあとユーロ安の進行が止まり、自律反発に向かう局面では、持ち高解消ニーズが一気に高まることになる。
 また、市場の標的がギリシャ債のエクスポージャーを抱える投資主体に向けられる場合は、一時的にユーロ売りから米ドル売りへ転換することになる。 主要6通貨に対するICE(インターコンチネンタル取引所)のドル指数は、昨年11/24から11週連続の買い越しとなり、その額は過去最高を更新している。 ドル指数のウェイトは、欧州通貨が77.3%(ユーロが57.6%、英ポンドが11.9%、スウェーデンクローネが4.2%、スイスフランが3.6%)を占めており、欧州通貨に対する指数とみなすことができる。
したがって、上述したような局面では過去最高に積み上がったドルロングのアンワインド(持ち高解消)が促されることになろう。

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 1時間足・均衡表チャートでは、ユーロ/ドル、そしてユーロ/円の『遅行線』が今朝10時の足で転換線および基準線を上抜いて"買いシグナル"を点灯している。
 11日開催のEU臨時首脳会議に向けた一時的な持ち高調整とみることもできるが、投機的ポジションの偏りが大きくなっているだけに、相応の揺り戻しが生じる可能性にも留意したい。

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(2月9日 11:35記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月 5日

●南欧発のソブリン・リスクが本格的な調整局面入りを促す

昨夜は午前2時過ぎに自然に目が覚めてしまい、i-phoneの為替レートとチャートの画面をチェックして、ユーロ急落に思わず歓喜の声をあげてしまった。この時点で完全に目が覚めてしまい、このあと世界の主要株指数をチェックして、「ついに来たか!?」と小さくガッツポーズ。

―――というわけで、本日は少々寝不足ではあるが、市場がみせてくれるエキサイティングなドラマの続きを参加者として楽しんでいきたい。

さて、2日付けのレポートでは、「NYダウは昨年3月1週の安値から326日間も10%超の調整を経験していないため、クラッシュ発生に対する備えは万全にしておきたい」と述べたが、昨日の株価急落によりNYダウは01/19の高値水準から約7%下落したことになる。

現時点では、本格的な調整局面入りを示唆する10%超の下落率には達していないが、南欧発のソブリン・リスクが予想以上の広がりをみせているため、調整度合いが深まる可能性には留意したい。(⇒20%超の下落率で弱気相場入り)

米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数(別名「恐怖指数」)は26.08と前日から20.7%も跳ね上がり、不安心理が一気に高まっていることを示している。

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為替マーケットでは、日本円と米ドルが全面的に買い戻され、主要通貨に対して年初来高値を更新するに至っている。

主要中銀は昨年秋以降の政策決定会合で、国債買入れなどの非伝統的政策の解除で足並みを揃えているが、これは来るべき"ソブリン・リスク"に備えた動きでもあった。

FRBは昨年10月末で国債買入れを終了し、BOEが昨日の会合で英国債などの資産買入れ枠の増額を見送っている。

ECBは直接的な資産購入は行っていないが、昨年6月・9月・12月に実施した3回の無制限の資金供給オペ(非標準的措置)により、資金を調達したユーロ圏の金融機関がECBに代わって自国の国債に投資しており、裏口の量的緩和がなされていたわけである。

そこに、ギリシャの財政規律問題が勃発して、ユーロ周辺国にもリスクが波及しており、足下の国債相場の急落(=金利は急騰)が今月半ばからのユーロ圏金融機関の決算発表に対する警戒感を高めている。
この問題は、ユーロ圏の金融システム不安に発展するリスクを抱えており、一段のユーロ下落に対する警戒は怠らないようにしたい。
(⇒テクニカル的な観点からは、ユーロ/ドルは波動目標の1.3653㌦処に応答する安値を今朝付けている。また、ユーロ/円は波動目標の123.20円処を昨夜の急落局面で達成しており、目先的には自律反発の可能性を想定しておきたい。)

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さて、本日は毎月第1金曜日の恒例イベントである米雇用統計が発表される。

1月のADP全米雇用報告・民間雇用者数が予想を上回ったことで、本日発表されるNFP(非農業部門雇用者数)がプラスになるとの期待感が浮上していたが、昨日発表の米新規失業保険申請者件数が予想外に上昇したため、期待感はやや後退している。

米雇用市場の基調をより正確に示すとされる新規失業保険申請者件数の4週間移動平均は、3週連続の増加で468,750件となっている。

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これはNFPが4万人程度の減少となることを示唆する件数であり、1.5万人程度の増加を見込む市場関係者にとってはネガティブな数字となってこよう。

また、今回の雇用統計では2007年12月に始まった景気後退期の失業者数が改定される予定となっており、ギブズ米大統領報道官はこれまで示されていた水準を上回る見通しと述べているだけに、改定される度合いに注意したい。今回の改定では「雇用者数が82.4万人下方修正される」との情報もあり、ネガティブ・サプライズとなる可能性は念頭に置いておきたい。
(2月5日11:30記)

2010年2月 4日

●ドル/円、「基準線」を巡る上抜け攻防が焦点に

 昨日の為替マーケットは、欧州通貨高が加速する場面もみられたが、欧州序盤からは米ドル買いの流れに転じ、円は対ドルで91.28円まで上昇した。
 この日は欧州委員会がギリシャの「財政健全化計画」を支持したことで、財政赤字問題を巡る市場の標的がポルトガルとスペインに向けられ、リスクプレミアム(将来の不確実性に対する上乗せ金利)の上昇がユーロ安を促す格好となっている。
 ユーロ圏各国は、欧州経済通貨同盟の信認維持のため財政再建が急務となっており、マクロ経済政策ではECBによる低金利政策の長期化が避けられない情勢となっている。
 伝統的な経済理論であるマンデル・フレミング・モデルに従えば、金融緩和と財政引き締めのポリシーミックスは、大幅な通貨安を誘発することになり、足下のユーロ安は整合的な動きといえよう。
 一方、米国では民間調査会社ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)が発表した1月の米民間部門の雇用者数が前月比2万2000人減少と、市場予測を上回ったため、労働省が明日発表する1月の雇用統計に対する期待が高まっている。
 ADP報告には、公的機関による雇用が含まれていないため、明日発表されるNFP(非農業部門雇用者数)がプラスとなる可能性が指摘されている。
 これにより、米金利先高観も浮上しており、FFレート先物市場では9月までの25bpの利上げの可能性を76%の確率で織り込んでいることを示している。 ドル/円は、2年債利回りとパラレルに推移しており、足下では利回り上昇に連れてドル高・円安方向に振れていることがわかる。
 もっとも、米政府部門の雇用が2.2万人を上回ればNFPはプラスとなるが、失業率が継続して低下するには毎月13万人程度の雇用増が必要とされており、利上げ期待を背景とするドル高は持続不能といえるかもしれない。 現状はユーロなど他通貨が弱いため相対的にドルが買われている側面があり、ドル/円の上値は限定的とみておきたい。
 米供給管理協会(ISM)が昨日発表した1月の非製造業景気指数は、50.5と前月の49.8から改善し、景気判断の分かれ目となる50を3ヶ月ぶりに上回った。 しかし、注目の雇用指数は44.6と前月の43.6からは改善したものの、拡大・縮小の分かれ目となる50を2008年1月から25ヶ月連続で下回っており、非製造業部門の雇用がなお縮小していることを示している。 1月のISM指数では、製造業が2004年8月以来の高い水準となっていただけに、米経済の約9割を占める非製造業(サービス業)の回復が今後のポイントとなりそうだ。

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 こうしたなか、昨日のドル/円はNYクローズ=90.97円で21日平均線=90.96円処を1月12日以来初めて上回っている。 上回ったとはいえ、+0.01円は誤差の範囲であり、21日平均線が下向きで推移している点に鑑みれば、ダマシとなる可能性には留意したい。
 日足均衡表では、厚みを増す抵抗帯の『雲の上限』がサポートの役割を果たしており、『遅行線』が上向きの転換線に同調して推移している。 『遅行線』が引き続き転換線に同調して上昇し続けるためには、NYクローズが『基準線』の91.41円処を上抜く必要があり、これが実現できない場合は『遅行線』は転換線を下抜けることになる。 さらに、『遅行線』が基準線を下抜く場合には、強力な"売りシグナル"を点灯することは念頭に置いておきたい。

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(2月4日 11:00記)

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2010年2月 3日

●株価続伸でリスク許容度改善もユーロの戻りは鈍い

昨日の為替マーケットは、RBA(豪準備銀)が市場期待に反して政策金利の据え置きを決定したことで豪ドル売りが誘発され、クロス円全般に波及したが、欧州中盤からは買い戻しの流れとなり、RBAを手掛かりとする売りは一過性の動きにとどまった。
むしろ、RBAが政策金利を据え置いたことで、金属価格の上昇や鉱山株の上昇が促され、欧米株の続伸がリスク許容度を高める格好となった。 もっとも、今週は重要指標やイベントが目白押しとなっているため、一方的な相場展開は想定しづらく、既存取引レンジを中心とするRange-Boundとなりそうだ。
さて、こうしたなか主要通貨中で年初来の下落率がトップのユーロが俄かに買い戻されている。 昨日は、ギリシャ国債と独連邦債の利回り格差が縮小する場面もみられたが、ギリシャの財政赤字削減計画を巡る欧州委員会の提言を本日に控え、利回り格差は再び拡大している。 また、ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相が、同国の財政問題はユーロ圏全体の問題であり、さらに多くの国がギリシャに続く可能性があるとの考えを示したため、ポルトガル・アイルランド・スペイン・イタリアの10年物国債が圧迫され、独連邦債との利回り格差が拡大している。
こうした事情もあり、昨日のユーロ/ドルの上値はMinor Fibonacci pointの1.4024㌦処(=23.6% of 1.4580⇒1.3852)の手前の1.3976㌦で抑え込まれている。
本日予定されている欧州委員会のギリシャ財政赤字削減計画に対する提言については、02/01にアルムニア欧州委員(経済・通貨問題担当)が「野心的な内容でさまざまなリスクを伴うが、達成は可能」との見解を示しており、波乱要因とはなりづらい。  
但し、今月のリスクイベントとしてギリシャおよび周辺国の銀行決算に注意する必要がありそうだ。 これら金融機関は、ECBが昨年3回行った非標準的措置による無制限・資金供給オペで調達した資金を自国国債に投資しており、足下の国債相場の急落(=金利は急騰)により膨大な損失を抱えている可能性が高く、新たなユーロ売り圧力となってくる。

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日足均衡表では、1.4024㌦処に位置する『転換線』を巡る上抜け攻防が焦点となり、同線をNYクローズで上抜く場合は38.2% retraceの1.4130㌦処や下降チャネルの上限を目指す展開を想定しておきたい。
しかし、『転換線』は今週末から再び下向きとなり、02/08には1.3974㌦処へ、02/11には1.3914㌦処まで降りてくる計算(02/02時点の暫定値)となるため、この局面では下降チャネルの下限を目指す展開を想定しておきたい。 エリオット波動分析では1.5145㌦(11/25)を起点に<C波>の下落波動(五波構成)が形成されており、現在進行中とみられるC-3波の当面の波動目標は1.3653㌦処(=1.4580-【1.5145⇒1.4218】)となってくる。

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(2月3日 11:20記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。

2010年2月 2日

●今週は日替わりメニューによる単発的な相場動向に

 2月初日のマーケットは、早朝取引でクロス円主導による一段の円高が進展したが、NYタイムでは円安方向への揺り戻しが生じている。
 この日は、経済の重要先行指標となる主要各国購買担当者(PMI)による製造業景気指数(米国はISM)が発表され、引き続き拡大基調を示したことから、米株式市場が3日ぶりの反発となり、原油など国際商品の反発も加わって資源国通貨が買い戻され、その裏返しで円が全面的に売り戻される展開となっている。
 東京午前中盤に発表された1月の中国製造業PMI景気指数は55.8と、20ヶ月ぶりの高水準だった12月の56.6から低下したうえ、予想を下回ったため、本邦株式市場では実体経済の減速を示す兆候としてネガティブに受け止められていた。 もっとも、景気過熱感が指摘されている状況下では、"強からず、弱からず"の中間が良いのであり、現状では拡大と縮小の分かれ目となる50を大きく上回って拡大基調を示しており、ベストな状況にあるといえよう。

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 続いて発表された1月のユーロ圏製造業PMI景気指数は、52.4と前月の51.6から上昇し、2年ぶりの高水準となった。 
 ユーロ圏では独製造業PMIが53.7へ、仏が55.4へそれぞれ上方改定されたが、スペインなどの出遅れが指摘されるなど、ここでも域内格差が表面化する格好となっている。
 そして、昨日の米株高・原油高・資源国通貨高・クロス円の上昇(円安)といった流れを加速したのが1月のISM製造業景気指数であり、同指数は58.4と2004年8月以来の水準へ上昇し、6ヶ月連続で景気判断の分かれ目となる50を上回っている。 
 さらに注目されるのが、ISM景気指数を構成する主要3項目の「雇用」「生産」「新規受注」であり、今後の製造業の活動の先行指標となる新規受注は65.9と2004年12月以来の水準へ上昇、雇用指数は53.3と2ヶ月連続で50を上回り、2006年4月以来の水準を回復している。 これにより、今週末に米労働省が発表する1月雇用統計に対する期待値が押し上げられる格好となっている。

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 もう一つ付け加えれば、主要国製造業PMI指数をまとめた1月の世界製造業景気指数は、56.1と、前月の54.6から上昇し、5年半ぶりの高水準となるなど、総じて拡大基調にあることが示されている。
 とはいえ、今週は主要各国の重要マクロ指標の発表が目白押しとなっているほか、金融政策イベントが開催されるため、一方的な相場展開ではなく、週末までは日替わりメニューによる単発的な相場動向を想定しておく必要がありそうだ。
 加えて、足下では市場での大勢テーマとして、リーマン・ショック後の「ニューノーマル(新たな標準)」を探る動きが生じており、具体像が描けるようになるまでは本格的なリスクテイクの動きは想定しづらく、当面の主要通貨相場の優劣は流動性や安全性を反映することになろう。
 ご参考: リーマン・ショック後の「ニューノーマル(新たな標準)」には、金融機関の事業範囲や規模を制限する米政府の新規制案に伴う世界的な金融再編、米国が輸出国に転じることに伴う世界経済のリバランス(⇒オバマ大統領は施政方針演説で輸出を5年で倍増させると宣言)、ギリシャの財政規律問題に起因する欧州通貨同盟の構造改革などを挙げることができよう。

 いずれにしても、市場のリスク選好のメルクマールとなってきたNYダウは、昨年3月1週の安値を示現したあと、一度も10%超の調整に見舞われておらず、今朝の日経CNBC「朝エクスプレス」では本格的な調整局面入りに対する警戒感が高まっているとの見方(NYからの生中継)を示していた。
 米調査会社よれば、1928年以降にNYダウが10%超の調整となった回数は93回で、322日に1回の割合で発生していることになる。 NYダウは昨年3月1週の安値から326日間も10%超の調整を経験していないため、クラッシュ発生に対する備えは万全にしておきたい。

(2月2日 11:40記)

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