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デイリーレポート
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2010年2月 4日

●ドル/円、「基準線」を巡る上抜け攻防が焦点に

 昨日の為替マーケットは、欧州通貨高が加速する場面もみられたが、欧州序盤からは米ドル買いの流れに転じ、円は対ドルで91.28円まで上昇した。
 この日は欧州委員会がギリシャの「財政健全化計画」を支持したことで、財政赤字問題を巡る市場の標的がポルトガルとスペインに向けられ、リスクプレミアム(将来の不確実性に対する上乗せ金利)の上昇がユーロ安を促す格好となっている。
 ユーロ圏各国は、欧州経済通貨同盟の信認維持のため財政再建が急務となっており、マクロ経済政策ではECBによる低金利政策の長期化が避けられない情勢となっている。
 伝統的な経済理論であるマンデル・フレミング・モデルに従えば、金融緩和と財政引き締めのポリシーミックスは、大幅な通貨安を誘発することになり、足下のユーロ安は整合的な動きといえよう。
 一方、米国では民間調査会社ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)が発表した1月の米民間部門の雇用者数が前月比2万2000人減少と、市場予測を上回ったため、労働省が明日発表する1月の雇用統計に対する期待が高まっている。
 ADP報告には、公的機関による雇用が含まれていないため、明日発表されるNFP(非農業部門雇用者数)がプラスとなる可能性が指摘されている。
 これにより、米金利先高観も浮上しており、FFレート先物市場では9月までの25bpの利上げの可能性を76%の確率で織り込んでいることを示している。 ドル/円は、2年債利回りとパラレルに推移しており、足下では利回り上昇に連れてドル高・円安方向に振れていることがわかる。
 もっとも、米政府部門の雇用が2.2万人を上回ればNFPはプラスとなるが、失業率が継続して低下するには毎月13万人程度の雇用増が必要とされており、利上げ期待を背景とするドル高は持続不能といえるかもしれない。 現状はユーロなど他通貨が弱いため相対的にドルが買われている側面があり、ドル/円の上値は限定的とみておきたい。
 米供給管理協会(ISM)が昨日発表した1月の非製造業景気指数は、50.5と前月の49.8から改善し、景気判断の分かれ目となる50を3ヶ月ぶりに上回った。 しかし、注目の雇用指数は44.6と前月の43.6からは改善したものの、拡大・縮小の分かれ目となる50を2008年1月から25ヶ月連続で下回っており、非製造業部門の雇用がなお縮小していることを示している。 1月のISM指数では、製造業が2004年8月以来の高い水準となっていただけに、米経済の約9割を占める非製造業(サービス業)の回復が今後のポイントとなりそうだ。

※チャートやグラブはクリックすると拡大します。
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 こうしたなか、昨日のドル/円はNYクローズ=90.97円で21日平均線=90.96円処を1月12日以来初めて上回っている。 上回ったとはいえ、+0.01円は誤差の範囲であり、21日平均線が下向きで推移している点に鑑みれば、ダマシとなる可能性には留意したい。
 日足均衡表では、厚みを増す抵抗帯の『雲の上限』がサポートの役割を果たしており、『遅行線』が上向きの転換線に同調して推移している。 『遅行線』が引き続き転換線に同調して上昇し続けるためには、NYクローズが『基準線』の91.41円処を上抜く必要があり、これが実現できない場合は『遅行線』は転換線を下抜けることになる。 さらに、『遅行線』が基準線を下抜く場合には、強力な"売りシグナル"を点灯することは念頭に置いておきたい。

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(2月4日 11:00記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。