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デイリーレポート
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2010年3月 9日

●煮詰まりつつある米10年債利回りチャート

 週明けの為替マーケットは、米経済指標の発表がなかったことや、翌週に日米金融政策イベントやギリシャ財政再建の行程表提出期限となるEU財務相理事会を控え、模様眺めムードに覆われた。
 こうした地合いにより、積極的な持ち高形成は想定しづらいものの、投機的なポジションが「ドル買い・欧州通貨売り」に大きく傾斜しているだけに、持ち高解消の動きには注意しなければならない。
本日03/09は米主要3株価指数が金融危機後の最安値を付けたアニバーサリーとなる。
 米株式市場全体のベンチマーク・S&P500種株価指数は、この1年間に66.60%の上昇率を達成している。(NYダウは59.24%の上昇率)
 先月までは米経済指標の変調や南欧諸国のソブリン・リスク、中国の金融引き締め、米金融規制改革案(ボルカー・ルール)など、不透明要因により調整色の強い値動きが続いたが、足下では強気論が復活しつつある。
 2月の米雇用統計が警戒されたほど悪化しなかったことや、1月の消費者信用残高が昨年1月以降初めて増加したことで、米景気の先行きに対する楽観論が浮上したことが支援材料となっている。 
 また、ギリシャの財政問題を巡る懸念が、同国政府の追加緊縮財政措置の発動により国債発行(資金調達)を成功させたことや、サルコジ仏大統領が「ユーロ圏はギリシャを救済する用意がある」とEU首脳の中では最も明確に発言したことで、ひとまず和らぐ格好となっている。 そして、中国からは温家宝首相が「積極的な財政政策」と「適度な金融緩和政策」を継続する方針を示したことで、過度な引き締めに対する懸念は後退している。
 米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数(別名「恐怖指数」)は先週末に17.42と、リーマン・ショック後の最低水準を更新している。 これは投資家心理が"大きく楽観に傾斜"していることを示唆するものであるが、同指数は"コントラリー・オピニオン"の側面も有していることから、今年1月後半のような急激な上昇(⇒悲観ムードの高まり)を警戒する必要もありそうだ。

※チャートやグラフはクリックすると拡大します。
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 足下のリスク選好の動きは、昨年3月半ばから11月(ドバイ・ショック前まで)にみられたような、あらゆるリスク資産が一方的に買い進まれる相場展開とはなっていない。
 つまり、リスク資産を選別する傾向が強まっており、その条件として「成長期待」、「出口戦略」(平時までの距離感)、「ソブリン・リスク」(国家の信用リスク)―――などが意識されているのである。
 資源国通貨である豪ドルとカナダドルは、この3つの条件を満たしつつあり、通貨選好の対象として大きく売り込まれることなく買われている。 昨年まで資源国通貨と並んで買われてきた欧州通貨は、ソブリン・リスクをテーマに大きく売られる構図となっている。
 しかし、ある一つのテーマを持った相場の終焉は、多数派がそのテーマに基づいて ポジションを大きく傾斜したときに始まるものであり、警戒すべきは膨大な財政赤字を抱えながら安全通貨として買われてきた米ドルといえるかもしれない。
 今週は米財務省が総額740億㌦の国債入札を行う予定となっているが、早期利上げ観測が再燃していることや、翌週にFOMCを控えている状況下では、十分な需要が期待できない事態も想定されよう。 
 先月末までは、ギリシャの債務危機を背景とする"Flight to safety"(安全への逃避)により米国債市場に資金が集まり、膨大な国債入札は長期金利の上昇を伴うことなく消化されてきた。 
 しかし、今回の入札は様子見姿勢も手伝って不調となる可能性は否定できず、米長期金利の上昇が株安・ドル安を伴う「トリプル安」に発展するリスクは少なからず存在するといえよう。
 米財務省は9日に3年債(規模400億㌦)、10日に10年債(同210億㌦)、11日に30年債(同130億㌦)の入札を実施する予定となっており、特に10年債と30年債の入札が要注意となる。
 米10年債利回りのチャートは、"アセンディング・トライアングル"を形成しており、パターン完成時には金利の急騰が想定されることになる。
 バーナンキFRB議長は2月の半期・議会証言で、「財政赤字を縮小することに議会が真剣であると債券市場に確信させることができなければ、明日にでも問題となる可能性がある」と警告していたが、米10年債利回りチャートも警告を発しているのである。 

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 こうしたなか、米ドルの総合的な実力を示すFRB算出の実効為替相場(FRBインデックス)は、選挙の年のシーズナル・サイクルを辿りつつある、
 特に前回の景気後退直後の2002年の変動パターンを辿っており、ドル急落に対する警戒は怠らないようにしたい。 

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(3月9日 11:15記)

※当レポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。記載された意見や予測等は、作成時点における森好治郎個人の見解であり、その正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく変更されることもありますのでご留意ください。