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ギリシャ党首協議の再々延長は国民向けの政治的ポーズ
昨日のユーロ/ドルは、ギリシャの第2次支援の受け入れを巡る交渉が最終合意に近づいているとの見方から、欧州序盤に1.3289㌦まで続伸したが、具体的な協議内容が報告されないため一段の上値追いにはつながらず、イタリア経済が第4四半期に2四半期連続のマイナス成長に陥った公算が大きいとの報道で一時1.3221㌦まで反落するなど、チョッピーな値動きとなった。
最大の関心事となっているギリシャ連立与党党首による再協議は7時間に及んだものの、「年金給付削減」の1点で合意に至らず、同問題を解決するため党首協議は9日に再開されると報じられ、本日東京序盤に1.3215㌦まで反落した。
4月に選挙を控える状況下、「年金給付削減」は国民の反発を招く問題であり、9日への再々延長は政治家としてギリギリまで抵抗をしているとの国民向けのポーズとみることができよう。
つまり、最終的には受け入れざるを得ない条件であり、市場参加者はこうした政治的な駆け引きを幾度も目の当たりにしているため、現時点ではユーロの失望売りは限定的となっているようだ。
実際、本日10時現在のユーロ/ドルは、1時間足・均衡表チャートの『遅行線』が時間足を下回った状態にあるものの、終値ベースで転換線(上向き)やボリンジャー・センターライン(上向き)を下抜く(⇒打診売りのシグナル)には至っていない。
いずれにしても、ギリシャの政治指導者らの協議は年金給付の削減問題を残すだけとなっており、本日はユーロ圏財務相会合やECB理事会が開催されるため、事態が後退するより進展する可能性が高いとみておく必要がありそうだ。
さて、本日の注目イベントはECB理事会であり、今月末29日に第2回目の期間3年の流動性供給オペ(=「LTRO」(=裏口量的緩和))が実施される予定となっているため、今回は金融政策の変更は想定されていない。 とはいえ、ユーロ圏では域内景気のリセッション入りが避けられないとの見方が根強く、3 月に追加利下げが実施されるとの予想も多いため、ドラギ総裁の記者会見が次なる一手を探る手掛かりとして注目されている。
ドラギ総裁は、昨年12月の理事会後の会見で「ユーロ圏経済は再びリセッションに陥る可能性がある」との認識を示していたが、前回1月の理事会後の記者会見では「ユーロ圏経済は低調なレベルながら安定化の初期的兆候がみえてきた」との評価に代わっている。
実際、経済の重要先行指標であるPMI(購買担当者)景気指数は昨年10-11月がボトムとなり、1月時点では総合指数とサービス部門が50.4と好不況を判断する分岐点となる50を上回っている。
また、金融資本市場ではイタリアとスペインの10年物国債利回りが、昨日の終盤時点でそれぞれ5.60%、5.27%と、より持続可能な水準に回復しつつあり、最近実施された国債入札は総じて堅調な需要を集めている。
さらに、短期金融市場では指標となる3ヶ月物欧州銀行間取引金利(EURIBOR)が1.077%と、昨年1月下旬以来の低水準となっているうえ、日銀やFRBの政策金利誘導目標に当たるユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)は0.367%と過去最低水準に張り付いている。
このように、欧州銀にとっては1ヶ月物資金さえ確保するのが困難となっていた昨年末からは著しい改善であり、信用不安の改善に向け大胆な流動性供給(LTRO)に踏み切ったドラギ・マジックの効果が浸透しているといえよう。 とはいえ、域内経済の成長率や失業率の格差は財政緊縮策の影響も手伝って一段と拡大しており、ドラギ総裁がこの点についてどのような認識を示すかが注目されよう。
3月の理事会では、ECBスタッフによる四半期経済見通しが発表されるため、次なる一手は最新の景気認識とインフレ見通し次第となりそうだ。 LTROによって金融資本市場の安定が引き続き維持されれば、「ポリシー・ミックス」(政策の組合せ)の観点からは「厳格な財政緊縮策」の痛みを和らげるため、ECBの「低金利政策」と「良いユーロ安」がベスト・ミックスとなってくる。
金融資本市場が緊張状態にある状況下での通貨安は、トリプル安など悪循環を引き起こす元凶となるが、市場が安定している局面では景気浮揚効果が期待されるため、早晩、ユーロ安を促す誘導発言がなされるものとみておきたい。
尚、本日は英中銀が量的緩和の拡大に踏み切るとの見方が大勢で、コンセンサスは500億ポンドの追加的資産購入(⇒計3,250億ポンド)が決定されると予想されている。
7日の豪中銀理事会では、予想外の金利据え置きが決定された経緯があり、本日の英中銀のMPCでは追加資産購入額が500億ポンドを下回る可能性(250億ポンド)にも留意したい。
(2月9日 11:45記)





プロフィール
- 森 好治郎(もりこうじろう)
日本テクニカルアナリスト協会
認定テクニカルアナリスト(CMTA1)会員番号200762
米国CTA(商品投資顧問)出身の異色ストラテジストフューチャーズアナリスト時代に培った独自分析手法を武器に外国為替ストラテジストに転身、現在に至る。"国内外の新聞・テレビ・ラジオ"出演多数。
1993年
全米証券取引業協会(NASD)商品投資顧問(CTA)
資格NFA ID:0260098
1994年
日本ファイナンシャルプランナーAFP資格
ライセンスNo.30078027
1998年
金融先物取引業協会内部管理責任者資格
2001年
証券内部管理責任者資格


















