●欧州中央銀行(ECB) トリシェ総裁
定期的な経済および金融分析に基づき、本日の理事会で主要政策金利の据え置きを決定した。これまでに入手した情報から、前回の金利据え置き決定の根拠が一段と裏付けられた。今後も強く警戒していくこと「(strong vigilance)」が引き続き重要であることを確認した。長期的インフレ期待を物価安定と一致した水準に抑制していくことは、ユーロ圏の持続可能な経済成長と雇用創出を支援していくうえで、金融政策が引き続き寄与するための前提条件である。われわれの金融政策は依然として緩和的で、金利は引き続き低水準だ。あらゆる経済指標からみて、信用の伸びは力強く、ユーロ圏の流動性は潤沢だ。中期的物価安定を確実にするため、将来を見据え、適切な時期に断固とした行動をとることが依然として正当化される。物価動向については中期的側面を重視するとともに、2007年のインフレ変動の可能性を見据えることが不可欠。この点において、インフレ変動の可能性を一段と詳細に考慮することが役立つかもしれない。1月の物価は(ドイツの)付加価値税(VAT)の変更は完全に反映されていないもよう。現在の原油価格、原油先物、これまでの原油価格動向に基づき、かなり良好な基底効果により、インフレ率は春と夏に漸進的に低下する可能性がある。ただこれらの影響は一時的で、年内には良好ではない基底効果により、インフレは再上昇が見込まれる。既に流動性が潤沢な環境のなかマネーと信用の伸びが強いことから、経済および金融分析の結果を併せて確認した結果、物価安定への上向きリスクが中・長期にわたるとの評価が支持される。中期的物価安定へのリスクが現実化しないことを確実にするため、われわれは、強く警戒(strongly vigilant)していく。(警戒という文言は)それ自体が語っている。この文言について他に言うことはない。われわれのいかなる決定も、中期的見通しに基づいている。(声明での警戒という文言の使用が全会一致の決定かとの質問に対し)その通りだ。一般的に、世界的なレベルでのキャリー取引については、われわれの通貨よりも他の通貨において一段と見られる現象であることは明らか。世界的な金融市場での低ボラティリティがおそらく促進している。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で他の金融当局者に話す内容を事前に述べることは私流ではない。シンガポールの会合後に円について述べたことを撤回するつもりはない。非常に重大で深い問題であることから、非常に真剣で奥深い討議になるよう望んでいる。われわれは物価を安定させるよう求められている。協定によりこの目的がわれわれの主要な使命と定められており、この主要な使命のみがわわれの指針だ。外為レートの目標はない。われわれは主要使命を遂行する義務があり、完全に独立している。われわれはうわさ、匿名によるいかなる情報にも決してコメントしない。決してそれらについて発言しない。われわれのコミュニケーションは透明で、非常に明瞭な公式発表によるものだ。ECB理事会に、匿名によるコミュニケーションという概念は全く存在しない。前回(うわさで市場が動いたとき)、全くの誤りだったことが証明された。われわれは、匿名によるいかなる種類の伝達も必要としない。賢明なことではない。私が理事会を代表して総裁として伝達する。
