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2007年6月 8日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

中央銀行は引き続きインフレ圧力を警戒する必要がある。(世界経済については)今年と来年の見通しは良好だ。中央銀行が予防的に行動することは正しい。中央銀行はインフレ圧力を警戒すべきだ。

2007年6月 7日

●主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット) 声明

世界経済は良好。世界不均衡は安定化の兆しを示している。主要国、ヘッジファンドへの「警戒」が必要と再確認。巨額の経常黒字抱える新興市場国は、不均衡是正につながる為替動向を確保することが必要。

2007年5月24日

●経済協力開発機構(OECD) 半期見通し

経済協力開発機構(OECD)は、24日発表した半期見通しで、ユーロ圏について、景気は拡大、インフレには上方リスクがあるとして、欧州中央銀行(ECB)の追加利上げは正当化されるとの見解を示した。OECDは「予測期間のインフレに関するリスクの均衡点は、上方向にある。このため、リスク管理の観点から若干の追加引き締めは正当化される」と表明した。OECDでは、ユーロ圏のインフレ率が、2006年の2.2%から2007年は1.8%に低下するものの、2008年になると2.0%に上昇すると予想。企業活動の活発ぶりを背景に失業率は、2006年の7.8%に対し、2007年に7.1%、2008年は6.7%へと低下基調をたどると予想。賃金の伸びがインフレ圧力となる可能性を示している。2007年の域内総生産(GDP)伸び率は2.7%と予想。6年ぶりの高水準だった2006年の2.8%を0.1%ポイント下回る見通し。「見通しは明るい。今後の景気回復を支えるのは、企業の設備投資や住宅投資よりも消費と予想される」としている。GDP伸び率は、2008年には2.3%に減速すると予想。これまでと今後予想されるECBの利上げの影響が表れるとみている。ユーロ相場については「これまでのユーロ高は、ユーロ圏の景気見通しの改善で正当化されるが、ユーロ急伸の原因は、成長率や他国との金利差でなく、世界の経常収支不均衡で、より深刻な波及効果をもたらすことが予想される」と指摘した。

●国際通貨基金(IMF) 2007年対日4条協議の声明

国際通貨基金(IMF)は24日、2007年対日4条協議の声明において、日銀の金融政策運営は、低インフレの中で緩和的であり適切と位置づけながらも、追加利上げについては、今後のCPI上昇率見通しが確実にプラス基調になることが見込まれるまでは見送るべきとの見解を表明した。また日本の成長率見通しについては、07年に2.3%、08年は1.9%になるとの予測を公表した。声明では、日本経済について「短期見通しは良好であり、上振れ・下振れリスクは均衡しているとの点で、日本の当局と同見解である」とした。具体的な実質国内総生産(GDP)成長率は2007年は2.3%を見込み、08年はやや減速の1.9%と予測した。また、消費者物価指数(CPI)上昇率は07年0.0%、08年0.5%を予想。「上昇率は加速するが、国際競争圧力や低インフレ期待、緩慢な賃金上昇の継続を背景にペースは穏やかなものになる」と見ている。日本経済の下振れリスクについては、1)米国経済のハードランディング、2)原油価格の上昇、3)国際的なリスク逃避行動に伴う金融市場のボラティリティ増大――など対外要因を指摘。上振れリスクは「労働市場のひっ迫による賃金上昇や消費の加速」などを挙げている。日銀の金融政策運営について「非常に低いインフレ環境下にあって緩和的であり、適切である」と評価した。その上で「財政、インフレ率もゼロ近辺で推移する中、日本の金融政策は引き続き、国内の物価の安定と持続力ある成長を確たるものとすることに重点を置くべき」としている。金融政策スタンスに関しては「今後、数カ月に出てくる様々な指標を吟味し、柔軟に政策を調整していくとの日銀の意図を支持している」との見解を示し、「短期的なインフレ見通しが一段と沈静化し、金融面でのバランスにも懸念が見られないことを考えると、インフレ期待が復活して今後のCPI上昇率見通しが確実にプラス基調となることが見込まれるまでは利上げは見送るべき」と慎重な対応を求めた。また、会見したジョン・リプスキーIMF筆頭副専務理事は、大都市の一部で地価が大きく上昇していることや、円キャリー・トレードが活発化している点と金融政策運営の関連について「資産価格や為替などをベースにすることは、日銀の金融政策の焦点が大きく変わることになる。そのような路線変更は不適切だ」との認識を示した。また、日本の現行の為替政策については「市場主導の為替政策は引き続き適切」とし、「円の為替相場は経済のファンダメンタルズを反映すべきであり、過度な変動や無秩序な動きに対してのみ適切な行動をとるという日本の政策を支持する」と表明。その上で「円高誘導を目的とする介入を支持しない。こうした介入は当局の政策に対する信頼を損ねる可能性がある」と指摘した。「円に上昇圧力が生じた場合には、日本経済はすでに円高に十分対応可能であるため、我々は、円高を容認するよう提案するだろう」との見通しを示した。財政政策に関しては「今が財政再建を加速する好機」と位置づけた。「過去3年間、財政赤字は予想以上に削減された」としながらも、「公的債務残高が依然適切とはいえないほどの高水準に止まり、高齢化による圧力も高まる中、課題は残っている」と財政再建に対する取り組みの加速を求めた。具体的には、一段の歳出削減努力のほか、「追加的な歳入増加策は不可避」とし、消費税の引き上げも選択肢にあげた。社会保障関連政策の財源として消費税を目的税化することも、「現実的な観点から検討するに値する」としている。

2007年5月21日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(中国が18日発表した一連の措置について)正しい方向への一歩だ。人民元相場の一段の柔軟性を促すものであり、中国のマクロ経済の安定にとってカギとなるとみられる金融引き締め措置への依存度も高まった。この2つの措置にはつながりがある。為替相場の一段の柔軟化なしに、今後、中国が必要なマクロ経済の引き締め措置を講じることは非常に難しいだろう。こうした追加措置がない場合、中国経済は、特に投資の伸びなどが過熱するリスクがある。

2007年5月19日

●G8声明

主要8カ国(G8)財務相会合は19日、声明を発表し、世界経済の見通しは良好で、以前に比べてリスクが減退しているとの認識を示した。声明はまた、成長著しいヘッジファンド業界について、実務慣行の基準を見直し、強化すべきだと表明した。今回のG8は6月に開かれる主要国首脳会合(ハイリゲンダム・サミット)の準備会合。財務相らはまた、世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンドの妥結に向けた責任はすべての参加者が有するとあらためて指摘するとともに、保護主義的な風潮に対抗する必要性を強調した。気候変動への対応については、エネルギー多様化の一例として原子力の促進を挙げ、高く不安定な原油価格が依然懸念され、引き続き警戒を要するとの認識を示した。声明は為替相場については言及していない。声明は「世界経済の成長は引き続き堅調であり、地域的にもG8各国国内においても、より均衡のとれたものになっている」とし、「経済成長へのリスクは減退しているものの、高く不安定なエネルギー価格は依然として懸念事項であり、引き続き警戒する」と述べている。

2007年5月15日

●G8声明草案

今週末ドイツで開かれる主要8カ国(G8)財務相会合の声明草案によると、インフレ上昇圧力は緩和しつつあり、世界経済成長見通しへのリスク減退につながるとの文言が盛り込まれる見通し。草案では、世界経済不均衡の秩序ある是正を確保するため、各国が必要と判断される経済的戦略を推進すると表明。「世界成長は依然として力強く、地域および各国間で一段と均衡がとれている。インフレ圧力が緩和するなか、見通しへのリスクは減退したが、高水準で不安定なエネルギー価格が依然懸念材料であり、われわれは引き続き警戒していく」とした。そのうえで「われわれは持続的で均衡のとれた成長を促し、世界不均衡の秩序だった調整を支援する堅実な政策を今後も引き続き進めていく」との姿勢を示した。草案では、ドーハ開発ラウンドについても触れ、世界の経済成長を支援し、貧困削減に寄与すると指摘。確実に成功を収めるためにすべての参加国に責任があるとした。

2007年4月26日

●南アフリカ中銀 金融安定に関する四半期報告書

南アフリカ中銀は25日、金融安定に関する四半期報告書を公表し、円キャリー取引の巻き戻しは南アフリカ市場にとってリスクになる恐れがあるものの、同国の金融システムは同様のショックに対処する上で以前に比べると優位な立場に置かれている、との認識を示した。報告書では、円キャリー取引の世界的規模について明らかではないが、通貨ランドが円キャリー取引の恩恵を受けた可能性があると指摘。「円キャリー取引の急速かつ大規模な巻き戻しは、南アフリカの株式・債券・商品市場にある程度のボラティリティを引き起こす可能性がある」とした。一方、1990年代後半に国際金融システムを直撃したアジア危機の頃と比較すると、南アフリカ市場は、同様のショックに対処する上で優位な立場にあるとも述べた。

2007年4月14日

●G7共同声明 為替に関する記述

われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

このところの強い成長を支えてきた生産性向上を阻害し得る数々の長期的トレンドに対応する早い段階での確固たる措置も正当化される。米国の金融政策は、今後出てくる経済指標が成長とインフレとのバランスにどのような影響を及ぼすかに左右される。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を据え置いているのは、いまのところ適切。政策金利が夏までに4%に上がることが正当化されるだろう。成長モメンタムがトレンドを上回る状態が続き、賃金や物価に関するリスクが高まれば、さらなる政策対応が必要になる可能性がある。(日本については)金融緩和の解除は、景気回復の本格化を確認したうえで徐々に進めていくべき。過去半年に複数のアジア通貨が上昇した。(と指摘する一方で、中国については)金融政策運営にさらに安全な礎を提供する。より柔軟な通貨から恩恵を受ける。欧州の新興国については、巨額な経常赤字や急ピッチな信用の伸びに関連したリスクを最小限に抑える必要がある。中南米は、公共部門の財政健全化に向けた最近の進展を強化することが重要。

2007年4月13日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

キャリートレードを行っている投資家は、為替相場が急激に変動する可能性があることを念頭に置くべき。外為市場の参加者は、取引を一定の方向に傾けすぎることにはダウンサイドリスクがあることを、認識する必要があるだろう。日本政府は同国経済の改革と潜在成長率の押し上げに向けて、するべきことを行っている。

2007年4月 6日

●経済協力開発機構(OECD) グリア事務総長

インフレ基調は、切迫した大きな危険がある可能性を示していない。しかし、各中銀がこれを注視するのは良いことだ。(ユーロ圏の金利が年末までに4.25%まで上昇すると予想するエコノミストが少数だが増加していることについての質問に)原油価格が再び何らかの影響を引き起こさない限り、現時点でそれ(4.25%までの上昇)はないと思う。過去3年は、生産能力の余剰分が緩衝材となり、原油高は物価(上昇)に転嫁されなかった。現在はこれが減少していることから、投入の増加がより早いペースで物価(上昇)に転嫁される可能性はある。

2007年4月 5日

●国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し

国際通貨基金(IMF)は4日、4月11日に公表される世界経済見通しの中で、米経済の減速について、引き続き住宅市場の冷え込みが主因となっているが、欧州経済が上向いているため、世界経済への影響は限定的なものにとどまるとの見方を示した。ただIMFは、米住宅市場の冷え込みが消費支出や企業の設備投資に波及すれば、他国への影響も大きくなる可能性があると指摘。「その場合、政策担当者は外需減退の影響を抑えるため、柔軟、前向きかつ時宜にかなった方法で対応する必要がある」としている。アナリストの多くは2007年第1・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率が年率で2%を下回る水準に鈍化するものの、伸び率は下半期に加速する可能性があるとみている。IMFは3月、07年の米GDP伸び率について昨年9月時点の予想から0.3%下方修正し、2.6%と予想。08年も9月予想を0.3%下回る3.0%と予測した。IMFは、米経済の減速が他国に波及した場合、中南米やカナダなど、米国と貿易・金融面での関係が密接な国々が主として影響を受け、対照的にアフリカ、中東諸国への影響はほとんどないとみている。

2007年3月30日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

われわれは(サブプライム問題が)再び起きると懸念するよりも、過剰な信用の伸びを注視することが必要だと認識すべきだ。より中立的な金利水準が好ましい。世界的に起こりうる最も危険なことのひとつは、リスクが低下したからといってリスクが消滅したと考えることだ。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

世界的な不均衡が抑制されない限り、世界的に市場で調整が起きる重大なリスクがある。米国は貯蓄率の引き上げ、中国は内需拡大にそれぞれ努める必要がある。保護主義の台頭により、世界の生産性の伸びが抑制されるリスクがある。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(今年の)米国の成長は9月時点の予想を下回るとみている。9月の予想は恐らく下方修正されるが、大幅な修正とはならないだろう。(米国のサブプライム(信用度の低い借り手向け)住宅融資市場の問題について)07年の米国内消費の減速につながる恐れもあるが、金融セクター全体の安定性には影響しないだろう。

2007年3月27日

●イラン中央銀行 シェイバニ総裁

ドルに関しては現在、恐らく最低水準の20%程度だ。それを維持する必要がある。同国経済は国連の制裁に耐えられる。イランは重大なショックに対応するのに十分な外貨準備を保有している。(国連による対イラン追加制裁については)原油主導の同国経済にとってはほとんど脅威ではない。追加制裁はイラン経済にさほど関係のない分野に限られており、現時点でも影響はなくこれからもないだろう。(外貨準備について具体的な額は示さなかったが)過去最高水準にある。(外貨準備は重大なショックに対応するほど十分なものかとの質問に対し)債務返済は十分可能だ。債務返済率は極めて高く、懸念する必要は全くない。

2007年3月24日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

米経済は、インフレ圧力が抑制され成長ペースが鈍化するなか、ソフトランディングに向かっている。米連邦準備理事会(FRB)はインフレが快適とされるレンジを若干上回っていると言及した。これは恐らく事実だ。だが、米国のインフレ圧力は抑制されているとみている。FRBが適切な金融政策を実施していると理解している。サブプライムをめぐる問題は、世界経済に影響を及ぼす可能性のある金融市場の3つのリスクのひとつ。ただ、世界経済のファンダメンタルズは現時点で力強い。他のリスクは、高水準の借り入れを原資にした投資ファンドによる買収増加。仮にこうした買収案件がうまくいかなかった場合、リスクの見直しにつながり、最終的には他の企業の借り入れに信用ひっ迫を引き起こす可能性がある。これは投資や成長見通しに悪影響を及ぼす。もうひとつのリスクは新興国市場への大規模な資本流入。とりわけ東欧やサハラ以南の地域への銀行ベースの資本流入によるリスク。サブプライムの問題は、金融機関の融資基準の見直しが必要であることを示している。

2007年3月17日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

世界経済は、2007年の成長が引き続き力強く、健全な状況とみられる。われわれは米景気が減速しているとの意見をもっている。(だが)急激なものではない。最近の米住宅市場や金融住宅ローン市場での動向は注目する必要がある。われわれはこれについて、市場に顕著に表れる数カ月前から協議している。(最近みられる世界株式・為替市場でのボラティリティの高まりについては)金融市場の下方リスクの存在を反映したに過ぎない。事実として受け取るべき。米金融システムは力強く健全で、米経済のソフトランディングは、とりわけ中国やインド、EUの力強い成長によって補われる。

2007年3月13日

●経済協力開発機構(OECD) 経済見通し修正に関する報告書

経済協力開発機構(OECD)は13日、経済見通し修正に関する報告書を公表、現時点で日米が利上げする根拠はないとの認識を示した。ユーロ圏については、物価見通しはかなり落ち着いていると指摘したが、今後どのような金融政策が望ましいかについては明言を避けた。2007年第1・四半期と第2・四半期の経済成長率予測は、ユーロ圏がともに前期比0.6%、日本がともに0.5%、米国がそれぞれ0.5%、0.6%。2006年の推定経済成長率は、米国が3.3%、ユーロ圏が2.8%、日本が2.2%。日本の経済成長率は、OECD予測の2.8%を大幅に下回った。報告書は、米金融政策について「連邦準備理事会(FRB)は2006年半ば以降、政策金利を据え置いている。総合インフレ率は、エネルギー価格の流れが変わったことを受けて低下したが、コアインフレ率は安全圏を依然としてやや上回っている」と指摘。ただ「目先、経済成長率は引き続き抑制されるとみられ、当面利上げを再開する強い根拠はない」との見解を示した。ユーロ圏の金融政策については「金融緩和は、予想を上回る経済成長に沿って、過去数カ月でほぼ解除された」とし「このところインフレ率は予想以上の低水準となっているが、物価見通しはかなり落ち着いている」と指摘した。日本については「デフレが残っており、インフレがしっかりプラス圏に定着するまで利上げすべきでない」との見方を示した。報告書は、米経済の減速、力強い欧州経済の拡大、総じて非常に底堅いアジア経済など、経済成長の「世界的なリバランス」は予想通り進んでいるとも指摘。「原油価格が引き続き懸念要因だが、半年前との比較では大幅に低下しており、インフレ圧力の緩和に寄与している」との見方を示した。米経済については、雇用創出と輸出は好調だが、住宅部門の調整が重しになり、目先標準以下の成長が続くと予測。金融市場の動向については「昨年春同様、株価はここ数週間不安定だが、ある程度リスク評価の正常化を反映している可能性がある。全体として金融状況は依然良好だ」と指摘した。

2007年3月 9日

●国際的投資家 ジョージ・ソロス氏

(中国市場については)来年の北京五輪以降までは安定が維持されるだろう。(金融市場の混乱の背景には何があるかとの質問に対し)幾つかの要因がある。しかし、非常に重要なのはキャリートレードで、円が基本的にはゼロ金利であり、多くの資金が借り入れられ、多額の日本円が海外に流出しているという事実だ。(そのうえで)円は軟化し、多くの人々がこの取引に参加した。今後もやや動揺が続く。

2007年3月 3日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

米住宅市場で減速がみられ、朗報と受け止めている。米成長全体への影響は出ていない。サブプライムモーゲージ市場への影響については、とりわけ注意深く見守っていく必要がある。注意されるべき懸案だ。収拾がつかない事態にあるというわけではないが、確実に注意深く見極めていく分野だ。(中国株式市場はバブルでいずれ崩壊するかとの問いに対しては)必ずしもそうではない。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(ボラティリティが続くと予想するかどうか質問された際、必ずしもそうとはいえないとの見解を示し)世界経済の基盤は強い。アジアおよび欧州経済は強いペースで伸びており、米経済の減速も緩やかなようだ。(そのうえで)下向きリスクが現実になる可能性を考慮することは、すべての投資家にとって良き助言といえる。

2007年3月 2日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

すべての国ではないにしても、欧州経済は着実に成長している。それが個人消費の伸びにつながっており、大いに好ましい。欧州中央銀行(ECB)による緩やかな利上げは正しい。欧州では、現時点でインフレ圧力は見られない。金融政策の正常化は、欧州経済の中期的な安定にとって悪いことではない。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

今年の世界経済の成長は明らかで、成長率は5%程度と健全な伸びになるだろう。現在その成長が維持されていると考えている。過去2日間の調整はファンダメンタルズというよりもリスク評価と関係しており、あらためて非常に落ち着いた(benign)シナリオが続いていることを示している。下向きリスクは確実に存在し、昨春あったようにリスク評価が変わることもある。市場参加者は警戒を緩めるベきではない。

2007年2月27日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

キャリートレード全体の規模は極めて不透明だ。(日本からの資本流出の増加に言及し)これは、金融市場の国際化、また現在のボラティリティーが低い状況や金利差が大きい状況を反映している。ただ、これは為替レートの不均衡の定着化につながる可能性があり、そうなれば世界的な不均衡を悪化させる。突然資本の流れが逆転すれば、さまざまな金融市場や国に影響を与える危険性がある。日本の金融政策がさらに正常化すれば、このような状況はやがて変化するだろう。しかし、変化にはある程度時間がかかる。この問題に明確な解決策はない。ただ、日本はデフレ圧力を抑え込む対策や金融政策をとるべきだ。

2007年2月23日

●国際通貨基金(IMF) リプスキー筆頭副専務理事

最新の指標は日本経済の成長勢いを再確認しており、日銀の政策がファンダメンタルズに対応したということは、明確なようだ。故に、政策は引き続き、国内ファンダメンタルズに焦点をあてている。何が短期的に為替レートを決定する要因かは、常に複雑な問題で、長期的トレンドと比較して、為替レートの日々の変動を判断しようと試みるのはあまり建設的でないと思う。現時点の円相場は市場で決定されているもので、当局は介入していない。

2007年2月11日

●7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)共同声明要旨

・世界経済はより均衡の取れたものとなっている。G7経済は好調を持続。米経済は堅調であり、より持続可能な成長経路に調整しつつある。カナダと英国は、引き続き力強く均衡の取れた成長経路にある。ユーロ圏経済の回復のすそ野は次第に拡大。日本の経済回復は順調であり、継続が見込まれる。われわれは、こうした経済動向が意味するところが市場参加者に認識され、彼らのリスク評価に織り込まれていくであろうと確信する。
・エネルギー価格の低下とインフレ圧力の緩和により、リスクは減退しているものの、引き続き警戒。われわれは持続的で均衡の取れた成長を促す適切な政策を引き続き追求し、世界的不均衡の秩序だった調整を支援。この点、より均衡の取れた成長に向けた中国のコミットメントを歓迎。われわれは引き続き保護主義との戦いにコミットしており、昨日ジュネーブで発表された世界貿易機関(WTO)新多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の再開を全面的に支持。すべての参加者に対し、貿易のための援助を含め、成功に至るための最大限の努力を行うよう強く求める。クロス・ボーダーの資本市場をさらに自由化するため、規制の枠組みの相互承認を基にG7内における証券の自由化取引について検討してみることに同意。知的財産権を執行し、知識経済において致命的な偽造品と戦うための協力の強化を支持。
・われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい。
・いくつかの主要新興市場経済の財務相と会談し、経済成長と金融市場の安定を促進する地域債券市場の役割を議論。各国の地域通貨建て債券市場の発展は、新興国の外的ショックや金融危機に対するぜい弱性を減少させるとともに、成長を促進するものであり、高い優先順位を置くに値する。5月9・10日にフランクフルトにて開催される、市場の経験に関するハイレベル会議の成果に期待。これは具体的提言をまとめ、改革のモメンタムを継続するのに資するであろう。
・ヘッジ・ファンドやクレジット・デリバティブを含む先端金融技術の隆盛を含む近年の国際金融市場の動向は、金融システムの効率性に大きく貢献。しかしながら、これらの活動に伴う潜在的なシステミック・リスクおよびオペレーショナル・リスクの評価は、一層複雑・困難化。ヘッジ・ファンド業界および商品の急速な成長を踏まえ、われわれは警戒する必要。よって、この問題をさらに探求することに合意。われわれは民間部門と意見交換を行い、加えて、金融安定化フォーラム(FSF)に対し、高レバレッジ機関に関する2000年報告を今日の状況を踏まえて改訂するように要請。
・変化する世界経済の中で国際通貨基金(IMF)が信頼性・有効性を維持するためには、抜本的な改革が必要であるとのわれわれの信念を再確認。最近開始された世界銀行のガバナンス改革を支持。
・アフリカ各国の税制、安定化基金、公的支出管理、債務管理の分野の改革・能力開発の強化を含む行動計画をアフリカの国々とともに策定していくことに合意。
・エネルギー効率および特に再利用可能エネルギーの安定性と高潔性に対する同様のリスクを含むその他の不法資金供与に対する戦いにコミット。われわれは、国連決議1540、1718、および1737の実効的かつタイムリーな履行にコミット。

2007年2月10日

●7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) 共同声明

ドイツのエッセンで開かれていた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は10日、共同声明を採択して閉幕した。声明の為替に関する部分は、円には直接言及しなかったが、中国の人民元を名指しし、一段の柔軟性を再び求めた。 ただし、声明は「日本経済は回復基調にあり、それが今後も続くと予想される。われわれは、こうした動向がもたらす影響が市場参加者に認識され、それが彼らのリスク評価に織り込まれると確信している」とも表明した。共同声明の為替の部分は「為替レートは経済のファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認する。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済成長にとって望ましくない。引き続き為替市場を注視し、適切に協力する」「多額の経常黒字を有する新興国・地域、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が起こるように動くことが望ましい」としている。これらの文言は、昨年9月のシンガポールG7の共同声明の内容をほぼ踏襲している。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

われわれ皆が知っているように、円は変動相場制の通貨だ。日本の当局は過去数年介入をしておらず、これは良い政策だと思う。投資家はキャリートレードから得られる利益とともにリスクも認識する必要がある。

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

世界経済に対する日本の最も重要な貢献は、成長を持続させ、デフレ圧力を根絶することだ。円の状況は、市場の力とキャリートレードに関連している。(世界経済について)2007年は5%程度の成長を達成するペースで推移しており、回復軌道上にある。欧州とアジアは力強い成長を維持する見通し。米国は軟着陸しつつある。ただし、成長には、インフレ圧力に関連した下振れリスクがある。

2007年2月 9日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

IMFが歳入源を補うため一定量の金準備を売却する可能性がある。ただ、いかなる場合でも売却は歳入不足の解決策の一環にとどめるべきで、金市場に影響を与えてはならない。米経済は「ソフトランディング」に向かっているが、双子の赤字や国内の貯蓄不足の問題に取り組む必要がある。米国は、高齢化による重要な中期的課題を抱えている。それらは双子の赤字を抱えつつ対応するのは困難なおそれがある。われわれの見方では、貯蓄率の向上が重要な問題だ。

2007年1月27日

●国際通貨基金(IMF) リプスキー筆頭副専務理事

(日銀による利上げ先送りの決定が正当だったかどうか、IMFは後講釈するつもりはないとしたうえで)明確なインフレの欠如や、やや予想を下回る第3・四半期の経済成長などを考慮すれば、日銀が慎重に金融調整を進めていくことは妥当だとこれまでにも述べてきている。今回の措置もわれわれの見通しと一致しているように思われる。

2007年1月26日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

中国を訪問中の国際通貨基金(IMF)のラト専務理事は26日、人民元の柔軟性拡大は、需要のリバランスに寄与するもので中国にとって利益だと指摘した。記者会見で述べた。

2007年1月17日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(中国の)金融政策がより効果的に行使されるべきと考えている。そのためには、金融システムの自由化を拡大する必要があるほか、より強力に為替相場制度を用い、価格決定や中国経済のリソース配分を市場の力に一段と自由に任せることが必要。効果的な実質為替レート動向を目標に定め、現実を反映させることは、中国を大いに支援し、世界経済においても非常に重要な役割を果たすことになる。

2007年1月 9日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

米経済のソフトランディングがわれわれの中心的なシナリオだが、米連邦準備理事会(FRB)は物価動向とインフレ圧力を注視していく必要がある。欧州の回復は順調で、インフレ圧力はみられていないが、金融政策は中立的に運営されるべき。

2006年12月28日

●IMF 世界金融安定報告更新版

市場のセンチメントは、インフレ圧力が抑制され続ける穏やかな減速シナリオに傾いている。(としたうえで)しかし依然下方リスクが残っており、金融環境の底流には継続的な警戒を必要とする変化が起こっている。プライベートエクイティーファンドの債務レバレッジの水準が高まっている。金融オプションを売ったヘッジファンドが相場の突発的変動にさらされる可能性がある。ただ、全体的には明るい見通しを示している。(米経済については)住宅市場の冷え込みを受けて成長が鈍化しているが、他分野への影響はほとんど見られない。

2006年12月22日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(米経済は)住宅市場減速の兆候が引き続き確認される一方で、製造業では明らかな減速がみられるが、消費では認められない。その点で、米経済はソフトランディングし、来年には潜在成長率近辺になるとみている。インフレ圧力を抑制するため金融政策は引き続き慎重であるべきとする米連邦準備理事会(FRB)の考えに賛成する。(07年の世界経済成長率見通しについては)IMFの従来予想である4.9%からほとんど変わらない。ただ、国際収支不均衡が、依然として世界経済にとって脅威となっている。国際収支不均衡を是正する応急策はない。

2006年12月 8日

●南アフリカ中央銀行 政策金利発表

南アフリカ中央銀行は7日、政策金利であるレポレートを0.5%ポイント引き上げ9.0%とした。さらに、今後数カ月間インフレを注視していくと警告した。今回の利上げは6月以降4回目で、予想通りだった。ムボウェニ中銀総裁はテレビ中継された記者会見で「多くの情報から、金融政策委員会は依然、見通しへのリスクが上向きと考えている」と語った。総裁は、金融政策委員会では1%ポイントの利上げについても検討されたと述べた。アナリストは、利上げは予想通りだったものの、総裁のややタカ派的な発言が、2月に追加利上げが実施される可能性を示唆したと指摘した。さらに総裁は、インフレ見通しが10月の金融政策委員会以降、いくぶん改善しているものの、生産者インフレは「顕著に」上昇しており、信用の伸びも依然高過ぎると述べた。

2006年11月29日

●国際通貨基金(IMF) ラジャン調査局長

住宅および自動車のセクターを除けば、米経済により広範囲な減速はみられない。ただ、その可能性はある。われわれが直面しているのは、不確実性だ。確実なのは、住宅市場がすでに減速しており、自動車セクターにも減速の兆候がでていることだ。

2006年11月28日

●OECDチーフエコノミスト ジャンフィリップ・コティス氏

対ドルでのユーロ高はユーロ圏経済に影響与えるが、回復を阻害せず。ドル相場の動向は、これまでのところ秩序だったもの。ユーロ/ドル高は域内経済に影響与えるが、回復阻害せず。

●OECD経済見通し

経済協力開発機構(OECD)は28日、加盟国の経済見通しを発表し、日本経済は今後も拡大が続くと見込まれるとした。実質国内総生産(GDP)見通しは2006年を前回(06年5月)と同様の2.8%に据え置く一方、07年を2.0%に下方修正。新たに発表した08年も2.0%を見込んでいる。日本経済のリスク要因では、経常収支不均衡を背景とした大幅な円高や政府債務増大による金利上昇、賃金伸び悩みによる消費への影響などをあげている。日銀の金融政策については、物価上昇率が確実にプラスとなり、新たなデフレのリスクが無視できる程度になるまで政策金利を引き上げるべきではないとし、「物価安定の理解」で示されている消費者物価指数(CPI)前年比の0─2%程度は下限の引き上げが適切と指摘している。OECDは、日本の07年の実質GDP見通しを前回の2.2%から0.2%ポイント下方修正したが、これは前回に比べて外需や在庫がやや下方修正となったことが要因で、日本経済全体の見通しが大きく変わったわけではない。日本経済に対する基本的な認識としては、「民需主導の自律的な拡大局面に成熟している」と位置付け、今後も「成長のペースは潜在成長率近くの2%付近まで減速する可能性はあるものの、景気拡大は2008年を通して続くと見込まれる」と指摘している。
 景気のけん引役は、引き続き民間設備投資で、外需も成長に寄与するとした。民間消費については「労働市場が引き続きひっ迫することから、賃金上昇により下支えされるだろう」とみている。こうした賃金上昇により、単位労働コストの低下に歯止めがかかると見込まれ、CPI上昇率は「徐々に上昇し、2008年には1%(程度)に達する」との見通しを示している。具体的には、2007年まで0.3%の低位で推移し、2008年に0.8%に上昇する姿を描いている。一方、日本経済のリスク要因として、1)経常収支不均衡を背景とした大幅な円高、2)政府債務残高増大による長期金利上昇、3)賃金の伸び悩みによる消費への影響──の3点を指摘。総論の中で、OECD諸国の長期的なリスクとして「大きな経常収支不均衡と高水準にある住宅価格」をあげており、不均衡問題については「米国の対外赤字はこれまでのところ円滑に資金調達されているものの、経常収支不均衡はある時点で持続的な水準へ向かって反転するおそれがある」とした。こうした反転は「無秩序で、一時的な為替変動やグローバルな金利上昇が起こり、資産価格を押し下げる可能性がある」と警鐘を鳴らしており、その場合は大幅に円高が進行する可能性があると見ている。消費に関しては、企業が低賃金の非正規雇用者をさらに増やす見込みであることから、賃金の伸びが加速せず、家計所得が伸びない。米国の金利は2007年には据え置かれるが、2008年末までに2度の利下げで4.75%まで低下するとの見通しを示した。ユーロ圏については、今年、2007年半ば、2008年初めの3度の利上げで4.0%まで上昇すると予想している。日本については、日銀は2007年第3・四半期までは金利を据え置き、その後は6カ月ごとに0.25%ポイント金利を引き上げて2008年末までに1.0%にすると予想している。OECDは、マクロ経済見通しの前提として再び商品価格が急上昇することも予想しているが、ブレント原油の価格は2007─2008年の平均でバレル当たり60ドルを維持すると予想している。

●国際通貨基金(IMF) デップラー欧州局長

(ユーロ高について)今日の状況では、特に懸念する理由は見当たらない。(金融政策について)金融政策をより中立的な立場にシフトする必要があるとみている。したがって、中立的な水準に向けた金利の上昇が必要だ。

●ロシア中央銀行 カムブロフ市場オペ局副局長

これ以上ドルからユーロへの外貨準備分散を進める計画はない。計画がないのは、すでに終了したためだ。過去2年間プログラムを進めてきたが、すでに完了した。目的は完全に果たした。ロシアの外貨準備に占めるユーロの割合は現在40%前後。私見では、米ドルとユーロという2本柱に一定量の英ポンドを加えた構成で十分為替リスクは管理できる。豪ドルやカナダドルなどの「エキゾチック通貨」に外貨準備を分散する必要性は感じない。ユーロはドルの最大のライバルだが、ユーロがドル以上に重要な通貨になるとは思わない。

●国際通貨基金(IMF) デップラー欧州局長

ユーロ相場は依然IMFが適正と考えるレンジ内にある。ユーロ圏金利を低水準からより中立な水準に引き上げる欧州中央銀行(ECB)の方針を支持するが、今後さらに大幅にユーロ高が進めばECBは警戒を強める必要がある。1年―1年半前には市場では1.40―1.50ドルが話題になっていた。その水準に達すればわれわれはユーロが過大評価され始めていると考えるだろう。

2006年11月24日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(世界経済について)高成長、低インフレ、落ち着いた金融市場という局面にある。米経済の減速により、世界経済の成長もよりバランスのとれた広範囲なものとなった。ユーロ圏の回復はいまや一段と持続的なものとなり、日本は景気拡大が続いている。新興市場国の多くが急成長している。(米経済については)住宅市場の急減速が、本格的な景気悪化を引き起こす可能性がある。生産能力の活用が制約されたり、生産性の伸びが鈍化したりしてインフレ圧力が高まれば、金融政策の引き締めが必要といえる。最近の原油相場調整はインフレ抑制に働くかもしれないが、原油価格が需要の急な変化によって不安定になる状況には変わりない。

●経済協力開発機構(OECD) グリア事務総長

米経済は穏やかに減速している。日本の現在の景気拡大局面は戦後最も力強いわけではないが最長となる見通し。

2006年11月21日

●インド準備銀行(中央銀行) モハン副総裁

われわれが実際に努力すべきことは、物価安定を確保するためのシステムを管理することだ。物価が一段と安定すれば、中期的に金利が低下する余地が生じる。

2006年11月19日

●20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20) 共同声明

オーストラリアのメルボルンで開かれている20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)が19日発表する共同声明について、関係筋はロイターに、「十分な」為替の柔軟性を求める、という内容が盛り込まれる見込みだと述べた。同筋によると、共同声明はこのほか、凍結されている世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の「早期」再開やエネルギー市場のさらなる透明性も求める予定という。18日に開幕したG20参加国は、世界成長の見通しに自信を示しているものの、為替相場や貿易不均衡をめぐる問題では緊張が表面化している。

2006年11月17日

●アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行・アルスワイディ総裁

(外貨準備の分散化は)まだ終わっていない。中・長期的な目標であり、一夜にして実行できるものではない。理事会で決める必要があるため、期限は定めない。(外貨準備を円にも分散するのかとの質問には)日本の貿易取引でさえドル建てで行われている。円は日銀の管理が非常に強く、若干下落している。信頼を失ったと言えるだろう。(2010年に予定しているペルシャ湾岸6カ国の通貨統合について)計画に遅れは出ない。ユーロが今後10年で国際貿易・投資の通貨になると予想している。観光業を合わせると、ユーロがドルをしのぎ、2015年までに世界の第1通貨になるだろう。ユーロ圏は雇用税や金融サービス関連の法律でも調和を進めているため今後は投資誘致で競争力が増し、そのことがユーロが投資通貨になることを支える。

2006年11月 7日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理

金融政策の観点からすると、特に景気回復が強まるにつれて刺激を減らし、より中立になる必要があるが、引き締め的な域まで踏み込むことには懐疑的だ。無論、まだそういう状況にはなっていない。

2006年11月 1日

●国際通貨基金(IMF) 中国調査団長スティーブ・ダナウェイ氏

(人民元相場について)上昇ペースは加速したとはいえ、依然として遅すぎる。中国が行政措置によって上手く景気を抑制できるか疑問視する。人民銀行(中央銀行)の政策決定にもっと自由な裁量度が必要。

2006年10月24日

●経済協力開発機構(OECD) グリア事務総長

(日本の財政赤字が巨額であることを理由に)日銀に対し、早過ぎる利上げはすべきでない。(利上げが、債務償還費用を押し上げる効果として)0.50%ポイント利上げするごとに、1%ポイント負担が増える。

●国際通貨基金(IMF) 豪経済に関する報告書

国際通貨基金(IMF)は豪経済に関する報告書を発表した。15年に及ぶ経済拡大を背景としたインフレリスクを受け、追加利上げが必要になる可能性があるとの認識を示した。IMFは、国際商品価格の上昇や、経済の一部における余剰生産能力の欠如を背景に、インフレ見通しが高まったことから、豪準備銀行(RBA)が今年2度利上げしたのは適切だった、との見方を示している。豪中銀は5月と8月に政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを引き上げ、5年ぶりの高水準となる6.00%にしている。金融市場は、年末までに6.25%に引き上げられることを、織り込んでいる。IMFは「内需の拡大やその他の要因が実質インフレ率上昇につながるなら、一段の金融引き締めが必要になるかもしれない」と指摘した。25日には、第3・四半期の消費者物価指数(CPI)が発表されるが、実質インフレ率の上昇を示す内容になると、広く予想されている。

2006年10月16日

●ロシア中央銀行 ウリュカエフ第1副総裁

(外貨準備の)多様化について考えており、運用対象として認められる通貨の数を増やしたい。このほど円を追加した。現在、ロシアの外貨準備に占める円の比率はゼロに近いが、中銀は、これを数%に引き上げることを目指す。これ以外の外貨準備の構成通貨の拡大は2007年以降になる見通し。

●著名投資家 ジョージ・ソロス氏

(円相場について)下落する可能性はあるが、当局は円の下落を望んでいないと思う。このため、一段の円安を食い止める圧力が若干みられる。(米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について)近い将来に利下げがあると見込むのは間違い。

2006年9月20日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

原油価格高、世界経済不均衡、保護主義の高まりに起因する脅威が増え、世界の成長サイクルが方向転換しつつある可能性がある。高い成長率持続のための最良の希望は、国際貿易のさらなる拡大にかかっている。貿易について、世界はさらなる成長、より広範な機会に向かって進むのか、それともナショナリズムに後退するかのどちらかになる。

2006年9月18日

●7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) 共同声明要旨

 〇米国では成長は緩やかになるが依然好調、加速したユーロ圏経済は本年後半も力強く広範な成長維持、英国の成長は次第に力強く広範、カナダはバランス取れた成長。日本はゼロ金利を解除し、その回復は広がりを見せている。新興国市場エコノミーは全体的に堅調に成長。しかし、世界経済の好調な見通しには、高値で変動の大きいエネルギー市場、いくつかの国でのインフレ懸念の高まり、保護主義的傾向の広まりなど、潜在的下方リスクが伴う。これらを引き続き警戒。世界的不均衡の秩序だった調整のため、健全な政策遂行の強いコミットメントを再確認、他国にも共同責任を果たすよう求める。
 〇高いエネルギー価格は、増大する需要と供給懸念の双方を反映。埋蔵量データの共通基準を含めた、市場データの一層の透明性と信頼性促進に加え、供給国に投資を奨励。消費国がネネルギー効率化等に一層努力すること、および産・消対話の継続を求める。我々は国際金融機関と協力し、振興市場エコノミーおよび開発途上国に対し技術支援を行う用意がある。また、クリーンエネルギーのための投資枠組みにかかる作業を歓迎。
 〇農業、工業製品、金融サービスを含むサービス、知的所有権および貿易ルールの包括的パッケージを実現するため、可能な限り早期のドーハ開発ラウンド再開に必要な政治的意思および柔軟性を示すよう全関係者によびかけ。
 〇為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額の経常収支黒字を有する新興国市場エコノミー、特に中国の為替レートの一層の柔軟性が、必要な調整が進むために望ましい。

2006年9月15日

●IMFアジア太平洋局シニアアドバイザー ダン・シトリン氏

再びデフレに陥るリスクや、成長が非常に強いという事実に即して考えると、日銀は非常に緩やかに金利を引き上げ、遅い動き(lag behind the curve)を続けるべきだ。

2006年9月13日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

(世界経済への脅威として米住宅市場の減速を挙げ)米住宅市場が予想以上のペースで冷え込んでおり、世界経済の成長を阻害しかねない、突然の米住宅市場減速リスクがある。(今年に入って、ベネズエラ、ボリビア、チャド、アルジェリア、ロシアなどの国々が、資源ナショナリズムの傾向を強めた)短期的には政府の収入に恩恵をもたらすかもしれないが、石油生産への新規投資を阻害する要因を生むため、逆効果をもたらす可能性があり、政府の長期的収入に影響が出る。投資家が生産動向を予想したり、需要家が価格シグナルに対応するのに役立つよう、石油市場の透明性を高め、分かりやすい需給データを提供すべき。そのような環境は、過剰・過小投資に関連した価格の大幅な変動を抑えることにも役立つ。

●国際通貨基金(IMF) 報告書

国際通貨基金(IMF)は、世界の金融市場は依然として強いが、景気減速のリスクは増大した、とする報告書を発表した。半期に1度の世界の金融安定に関する報告書が発表された。この中でIMFは、今年新興国市場でインフレと金利上昇懸念をきっかけとして発生した調整局面は控えめなもので、一部のセクターの過剰なバリュエーションを低下させた、と指摘した。ただ、インフレ圧力の高まりや原油高、より急速な米経済の減速によって増大したリスクが現実のものとなれば、市場はより強力に反応する可能性がある、としている。また、最近の市場の不安定な動きについては「下方リスクを軽減するため、マクロ経済的政策の強化と、必要とされている構造改革を忍耐強く続けることを、当局に確認させる機会となった」と分析している。為替については「すべての主要貿易相手国に対するドルの実効相場は今後も比較的安定するだろうが、アジア通貨は中期的に上昇、アジア以外の通貨は下落が予想される」との見通しを示した。さらにIMFは、世界的な不均衡の無秩序な解消は、ドルの下落につながる可能性があるとして、依然として懸念要因であると指摘。主要国の当局者に是正措置を通じた問題解決を呼びかけた。

2006年9月11日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

世界経済成長は堅調だが、4月の世界経済見通し発表以降、下方リスクが高まっている。リスク要因としては世界不均衡の拡大、エネルギー価格の上昇、保護主義圧力の高まりや中断された多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)など。

2006年9月 8日

●APEC財務相会議 声明草案

アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会議は、世界貿易の自由化に向けた新多角的貿易交渉(ドーハラウンド)の再開に向けた決意を示すとともに、一部のアジア諸国は通貨の柔軟性を高める必要がある、との認識で一致した。声明草案で明らかになった。声明草案は「われわれは、ドーハラウンドの再開に向けて目に見える貢献を行うため、通商当局と協力していく決意だ」と述べた。APEC財務相会議は、ベトナムで2日にわたり開かれていた。

2006年9月 6日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

通貨体制が世界経済を脅かす道具として使われないよう、IMFによる為替レートの監視を強化することが必要。固定為替相場が必ずしも悪要因になる必要はないが、ケースバイケースで注視する必要がある。

2006年9月 1日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理事

中国にとっては、昨年導入した為替制度をより強力に実行し、市場の力でより明確に物事を決めることが利益となる。当然、為替の価値もそうだ。新しい制度ではなく、すでに合意した制度の実行が必要であることは明らかだ。(米国については)双子の赤字を削減する財政政策をとることが重要。

2006年8月28日

●国際通貨基金(IMF) ラジャン調査局長

米国は転換期にあるようで、非常に不透明な時期。これらの不透明感を考慮すると、現時点で誰しもが指標の見極め状態になっていることは自然なこと。(米連邦準備理事会も)そうしているようだ。

2006年8月 4日

●国際通貨基金(IMF) ラト専務理

日本はインフレ圧力がないため金融政策は徐々に進めるべきだ。日本経済は、ほぼデフレを脱却した。課題としては財政の持続可能性回復と潜在成長率の向上。

2006年7月20日

●経済協力開発機構(OECD) アンヘル・グリア事務総長

(日本経済について)力強い成長を遂げたものの、デフレ圧力はまだ完全に克服されていない。(そのうえで)日本にとっては公的債務残高のGDP比の上昇を止めることが優先課題だ。金融政策はそのためにも緩和基調を継続することが望ましい。(日本)政府が発表した「歳出歳入一体改革」は、財政への信頼維持にとって正しい方向に一歩踏み出したもの。2005年初めの対日経済報告の際には「日本経済はデフレの泥沼」にいたが、現在の日本の景気拡大は力強いものであることが実証され、06年末までには戦後最長の拡大を達成するとみられている。この回復は当初はアジア諸国、特に中国への輸出を原動力としていたがその後、国内需要を主要な原動力とする自立的な拡大へと成熟している。(ただ、マクロ経済の課題として)デフレ圧力はまだ完全に克服されていない。公的債務残高のGDP比のこれ以上の上昇を止めることが優先課題。(そのうえで)公的債務残高があまりにも大きく、本来正常な金利上昇でも影響は極めて大きい。金融政策は財政再建のために緩和基調を継続することが、経済の拡大持続とデフレの完全な終息に貢献し、より早急な財政再建を促すだろう。(財政再建のための税制改革について)所得税について日本は課税基盤を広げる余地があるほか、税制のちょっとした手直しでも税収増への対応が可能。消費税引き上げだけでなく、所得税について増税の手立てを考える余地がある。

2006年7月17日

●サンクトペテルブルク主要8カ国(G8)首脳会議(サミット) 議長声明

サンクトペテルブルクで開催された主要8カ国(G8)による首脳会議(サミット)は、世界の経済成長が力強く、そのすそ野が広がってきた、とする議長声明を発表した。サミットでは、高水準で不安定な推移となっているエネルギー価格や、世界の不均衡、保護主義の拡大について議論された。一方、経済に関する声明内容については、先月行われた8カ国(G8)財務相会合の声明に沿ったものとなった。

2006年6月12日

●サンクトペテルブルク8カ国(G8)財務相会合 共同声明

 声明は「世界経済は力強く、成長のすそ野が徐々に広がっている」との認識を示した。

 声明では、予想通り為替についての言及はなかった。財務相会合はまた、エネルギー・サービスのアクセスに関する声明を別個に発表した。今回の会合は7月中旬に予定されている主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)に向けた準備会合で、世界の一連の経済問題が協議された。声明は、世界経済が好調を持続しているとしながらも「エネルギー価格および世界的不均衡によるリスクは依然として存在する」と指摘、世界経済の調整が共同の責任であることを強調するとともに、世界的な不均衡是正に向けたコミットメントを再確認した。エネルギー問題については、投資の促進やエネルギー効率の改善、埋蔵量報告の国際基準の策定を含む市場データの透明性向上に向けた生産国と消費国双方の協調行動を要請した。

2006年6月 9日

●主要8カ国(G8)財務相会合 声明草案

草案は、世界経済は現在力強く拡大しているとしながらも、原油高が将来、これまで以上に世界経済に悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。また、世界経済の成長のすそ野が広がっているとしながらも、不安定な原油価格と世界的な不均衡の拡大が、依然としてリスクであり、対応が必要と主張。共同責任でこうしたリスクに対処する必要がある、としている。難航する世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)については、迅速に前進させる必要がある、と指摘。世界的な不均衡については、4月のワシントン7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で出した声明と同様の内容を繰り返している。エネルギー問題については、産出国と消費国の協調行動を通じて、投資促進、市場の透明性強化、供給源の多様化、エネルギー安全保障の協力強化を図るべきだ、と主張。国際エネルギー機関(IEA)に対し、途上国のエネルギー消費大国と協力して、エネルギー政策の課題に対処するよう求めているほか、世銀と国際通貨基金(IMF)に対しては、産出国、消費国向けの政策ガイドラインをまとめるよう要請している。


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