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第357回 ドル/円、ユーロ/ドルとも一旦は下げ渋りやすいところ
先週は、右を向いても左を向いても思わしくない材料のオンパレードといった感じだった。ことに17日発表のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が昨年9月以来のマイナスへと落ち込んだことは、ドル/円、クロス円の一段の下げに大きく影響する格好となった。
ただ、結果的にドル/円が2月安値から3月高値までの上げに対する61.8%押しの水準に到達したことや、豪ドル/円が昨年10月安値から今年3月高値までの上げに対する61.8%押しの水準に到達したことは、このあたりで一定の到達感が拡がることにつながる可能性もある。
市場では、一部に「フィラデルフィア連銀製造業景況指数に対するリスク回避の反応は少々行き過ぎだったのではないか」との見方もあり、週明けの相場は比較的落ち着いたムードでのスタートとなっている。また、今週22日―23日の日銀金融政策決定会合や23日のEU首脳会議の行方を見守りたいといったムードもあるようだ。
ドル/円に関しては、やはり79.00円を明確に割り込むかどうかが目先の焦点。仮に、これを割り込むようなことがあれば、次は下方に控える200日線が意識される。逆に、先週18日の上値抵抗となった79.50円を明確に上抜けてくれば、当面は79.00円割れの可能性も少々遠退くものと見ていいだろう。
目下のところ、日経平均株価やNYダウ先物は先週末の大幅安の反動で反発して週明けスタートとなっている。この反発の動きがどの程度まで強まるかによって、ドル/円、クロス円の値動きもある程度左右されることとなりそうだ。
一方、ユーロ/ドルは先週末、一時的にも1.2700ドルを割り込み、今年1月安値=1.2626ドルに迫る動きとなった。よって、ここは一旦下げ渋りやすくなるところ。週末発表された5月15日時点のシカゴ通貨先物市場における大口投機家のユーロ売り越しは17.4万枚と、大幅に積み上がっていることが確認された。結果、そろそろ買い戻しの動きが活発になってもおかしくない状況と言っていいだろう。
23日のEU首脳会談で、オランド仏大統領や一部のユーロ圏首脳がユーロ圏共同債の実現を働きかける見通しであることや、ギリシャの最新世論調査で新民主主義党(ND)が首位に立ったと伝えられていることなどが、一時的にユーロの買い戻し材料となる可能性もある。
もちろん、ギリシャ再選挙の行方は依然として不透明であり、今後もしばらくの間、ギリシャの有権者に対する国際社会の駆け引きが続く…。
閉幕したG8首脳会議で、メルケル独首相が「支援を強調し過ぎるとフリーライドの恐れが強まる」としたのは、至極ご尤もなことであり、願わくばギリシャの有権者にも立場をわきまえた判断を期待したいところではある。もちろん、あまり強権を振るうイメージが強まると逆効果になることも想定されるため、そのさじ加減は非常に難しい。
つまり、ここからユーロを新規で買い上がることには相当のリスクが伴うため、仮に一定の戻りを採りに行くにしても、つとめて慎重かつ短期スタンスでの対応とするのが賢明であろう。
他方、日銀の立場も難しい。目下の国債情勢や日米株価の大幅な値下がりを考えれば、さらに踏み込んだ金融緩和策の検討があってもよさそうなものだが、先週発表された1―3月期のGDP速報値が景気の基調判断を引き上げる内容であったことを考えると、あまり前向きな対応には期待できないような気もする。はてさて、日銀はどう出るのか? 大いに注目されるところだ。
(05月21日 10:30)
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プロフィール
田嶋 智太郎(たじまともたろう)
昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。
《HP》 南青山投資経済研究所


























