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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第343回 いずれ再びユーロ売りは強まる!?

2012年2月6日

 「ファンダメンタルズに固執すると、目先のマーケット動向を読み間違う」とは、筆者のラジオ出演中に投資家の方から寄せられたお言葉。まさに「その通り」なのであるが、言い換えれば「それだけ実体経済とのズレがマーケットに生じている」ということにもなろう。

 先週末のマーケットは米雇用統計の好結果に素直に反応し、ドル/円、クロス円が急上昇、NYダウも大幅高で約3年9か月ぶりの水準に達した。足下の結果だけを見れば、それは大変好ましいことなのだが、そこには「リスク選好のドル売り」も「米追加緩和観測の後退に伴う米株売り」も見られず、率直に言えばなんとも居心地の悪い(?)ドル高・米株高に感じられた。
 その実、ユーロ/ドルは米雇用統計の発表直後にリスク選好で上昇したものの、ほどなく強いドル買い圧力に押されて一時は1.3066ドルまで押し下げ、後に再び1.3167ドルまで値を戻すという、なんともチグハグな動きとなった。

 この居心地の悪さが、何より「いまだギリシャの足下の問題が決着を見ていないこと」にあるのは間違いのないところ。毎週のように「今週末までには…」を繰り返して、結局は2月5日の時点でもギリシャの債務減免交渉は決着を見るに至らなかった。
 つまり、なおも「集団行動条項」が適用される可能性は排除できないわけであり、仮にそうなれば、これはどう見ても(常識的に)「自発的な債権放棄」とは言えず、明らかなデフォルトということになる。結果、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の発動は免れず、巨額の債務保証をしていると見られる米国やドイツの大手金融機関は強烈なダメージを被るだろう。これだけのリスクがあるなかでの欧米株高に、えもいわれぬ危うさを感じるのは筆者だけであろうか。

 一方、巷ではECBに対し、ギリシャsの債務を最大100億ユーロ減免することに応じさせようとする圧力が強まっているとも囁かれている。これは、自発的な債権放棄を受け入れる一部の民間債権者とECBに負担してもらうことで強制措置を避けようとするものだが、それはそれでECBに対する信任自体が大きく損なわれることを通じて、その後の新たな危機を招き入れることにつながりかねない。何より、ECBが債務減免を受け入れることに、ECBのメンバーはもとよりドイツ政府が賛同するとはとても思えない…。
 同時に、ギリシャの第2次支援についての協議は、ギリシャに追加の財政緊縮策を受け入れさせねばならないという点において難航必至である。すでに、ギリシャの2大労働組合が7日から24時間ストを計画しているとも伝わっており、結局は誰も詰め腹を切りたくない…互いが負担をなすりつけ合う格好で、本日(6日)ギリシャは再び緊縮策についての協議を行う予定とされる。

 結局、ユーロ/ドルは1月27日以降、幾度も幾度も1.3200ドル台に乗せる動きを見せていながら、そのたびに押し戻される結果となっている。やはり、一目均衡表の日足「雲」下限付近は強い抵抗と考えざるを得ないのであろう。1月31日時点におけるシカゴ通貨先物市場の大口投機家によるユーロ売り越しは15.8万枚と、ようやく減少に転じた。今後も、ある程度下押せば買い戻しの動きが活発となり、当面は下値も限られたものとなろう。
 しかし、再び1.3000ドルを割り込んでくる可能性は高いものと考えられ、やはりここは戻り待ちの売りということになりそうだ。おかしな言い方になるが、ギリシャの債務減免交渉ならびに第2次支援協議が難航しているうちは安泰(?)ということであり、何らかの決着を見たときから再びマーケット全体にリスク回避ムードが拡がる…と見ておきたい。
(02月06日 11:00)

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プロフィール

  • 著者近影田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。
    《HP》 南青山投資経済研究所

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