ギリシャ政局に一喜一憂した5/14週でしたが、“材料出尽くし”に伴うユーロ売りの一服感は、ほんの僅かでした。
17日には米格付け大手・ムーディーズのスペイン金融機関格下げ懸念が台頭(実際にNYタイム引け後には、スペイン金融機関16行ならびに7自治州が格下げ)したことで、リスク回避姿勢が鮮明となりました。この影響で102円ラインを割り込んだユーロ円は、101円台に設定されていたストップロスのユーロ売りオーダーを次々と巻き込み、実に“100円割れ”の有無という、非常に重要なポイントを眼前に控えるところまで急落しました。
一方で象徴的だったのは、リスク回避が「ドル買い」には機能せず、「円買いへ一極集中」したという事実です。
これまで(直近)のリスク回避は、「円買い・ドル買い」をもたらしていました。それが17日発表の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(フィリー指数)の大幅悪化もあり、米景気減速懸念の再燃へと傾きつつあります。当然、ドル買いには抑制力(ドル売り)がかかり、結果としてリスク回避は円買いへと集中(円全面高)しました。
こうして直近の下値を支えてきた79円半ばを割り込んだドル円は、ストップロスを巻き込みながら、2/17以来の79.130円(Bid)へと下落しました。当該ラインが年初からの上昇に対する61.8%押し(79.147円・Bid)とほぼ合致しており、当コラム執筆時(5/18 18:00現在)には何とか下値が支えられています。それでも「いつ底割れへと傾斜してもおかしくない」、そんな雰囲気を徐々に醸し出しはじめています。
今回のリスク回避のキッカケは、ギリシャのユーロ離脱の可能性を巡る過程で発生しました。そして14日には「7億ユーロの預金を引き出す」など、ギリシャ国民自身もユーロ圏離脱に備えた動きを始めている感があります。そして再選挙までの期間がおよそ1ヶ月ということを考えると、より不透明感が台頭しやすいという事態を想像するのは難しいことではありません。
もちろん思惑とは変化しやすいものですので、いつ「再選挙で財政再建派が過半数を獲得」等の楽観論が浮上してもおかしくありません。そうなると過去最高水準に膨らんでいる投機筋のユーロ売りポジションが急激に買い戻されることになるのでしょうが、普通に考えると「そうした思惑が台頭するのは再選挙直前」であることから、悲観的なシナリオが先行しやすい状況は変わりません。そう考えるとまだまだリスク回避姿勢は続き、下方向への圧力も継続しやすいと考えておかなければならないところでもあります。
前回の当該コラムでご紹介した“噂”が、“ただの噂ではありませんように”と、本当に祈らなければならない状況へ移行したといえるかもしれません。



























