先月のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、米政策金利(FFレート)の動向見通しをメンバーが語るという初めての試みとなりましたが、「米国の超低金利政策終了時期が2013年半ばから前倒し」との思惑に対して、「2014年終盤まで継続(後ズレ)」と全く逆の結果となりました。このため2.0%台で推移していた米10年債利回り(米長期金利)は1/31には1.79%まで低下し、そしてせっかく昨年11月以来の78.30円レベルへと反発していたドル円を再び下値基調へと逆戻りさせています。
オプション絡みによる防戦のドル買いオーダーや、介入への期待感を背景にしたドル買いオーダーが76円ラインにかけて分厚く控えていることから、現時点において下値は支えられている間はあります。しかしながら76.30円付近から上に展開するドル売りオーダーも厚みを増していて、「下値は堅いが、上値も重い」様相を呈しており、これらを両端とした狭いレンジ内での推移に押し留められています。
こうした中で本日は、米雇用統計を迎えます。そしてここ最近の米雇用統計といえば、“発表直後にわずかに数十銭”程度の値動きに留まるなど、以前ほどの“迫力ある動意”は見られておりません。これは事前予想と乖離したサプライズ結果となっていないことが主な要因ですが、「マーケットの目が米国から離れていた」部分があったことも否めません。
しかしながら結果次第で大きく値が跳ぶ可能性は依然として変わっていない状況の中で、今回は発表前のマーケット環境が微妙に異なる様相も見せています。
それは1日に発表された、前哨戦とされるADP雇用統計(民間)です。皆さんもご存知のように、同指標の結果は非農業部門民間雇用者数が+17.0万人へと鈍化、そして前回分(12月)は+32.5万人から+29.2万人へと下方修正となるなど、思いっきり悪いというわけでありませんが、ややネガティブといった結果となりました。それでも一部では「潮目が変わった?」との声も上がっています。その背景にあるのは、「事前予想(+18.2万人)を下回った」という事実です。
数値だけ見れば誤差の範囲ではありますが、これまでと大きく異なっている点が一つあります。それは同指標が「事前予想を過去6ヶ月連続で上回り続けてきた」経緯の中で「今回はそれに合致しなかった」という事実です。
もちろんわずかな違いですので、大きな影響はないかもしれません。引き続きマーケットの目も、欧州に向いている状況にも変化はありません。しかしながらほんの少しではありますが、FOMC後にマーケットの目は米国へも向けられている感も否めないところです。そしてQE3(米量的緩和第3弾)の検討に含みを残す発言をバーナンキFRB議長が繰り返していることも、波乱の可能性を秘めています。
「マーケットの目が向いているのは欧州」だから「米雇用統計はここ最近のように動かない」と安易に決め付けず、どう動いても対応できるよう十分に警戒をしておきたいところです。



















