Brexitフローチャート
BRXITを巡って英国では3月27日に、メイ首相の離脱協定案に代わる代替案を模索するため Indicative Vote が行われました。
しかし、Indicaive Vote では僅差のものこそありましたが、議論された代替案全てが過半数の支持を得られないという結果に終わってしまいました。
Indicaive Voteで投票された主な代替案は以下の通りです。
EUから提示された期限の4月12日をもって、一切の協定や合意無く離脱する案です。3月13日に正式に行われた議会採決では278対321で否決されています。
最も僅差で否決された案であり、EU離脱後も今まで通りの経済活動ができるように関税同盟への恒久的残留を行う案です。
EUとの関税同盟、単一市場との緊密な連携、労働者の権利保護などを条件とした案で労働党の公式な立場を反映しています。
国民投票で賛意が得られるまでは、英議会は離脱協定案の承認も施行もすべきでないというプロセスに関する案です。
この結果を受けてスコットランド国民党のイアン・ブラックフォード議員は、「過去に2度も否決されたメイ首相の協定案への賛成票よりも多いので総選挙を実施し英国民の声を聞くしかない」と発言しています。
欧州経済地域(EEA)にとどまる一方、欧州自由貿易連合(EFTA)への再加盟を求めたもので、ノルウェーと同様にEUの単一市場へのアクセスが可能になりますが英国裁判所の承認を必要とする案です。
欧州自由貿易協定(EFTA)に再加入し、欧州経済領域にとどまることで、ブレグジット後も単一市場にとどまる案です。
上記ノルウェー案に「包括的な関税取り決め」を加えたもので、条件付きで人の自由な移動を認めており「共同市場2.0」とも呼ばれています。
政府が協定案を可決できなければ議会は離脱日の2日前にハードブレグジット(合意なき離脱)について確認投票(議会採決)を行い、ハードブレグジットが否決された場合に限り、ブレグジットを中止するという案です。
メイ首相の離脱協定からバックストップを除外し、離脱後のアイルランド国境へのハードボーダー設置回避を保証する「バックストップ」の必要性をテクノロジーを用いてなくす案。
過半数の支持を得られる案が見つからなかったIndicaive Voteですが、今後は4月1日にさらなる投票を実施する予定だと言われています。
一方で、3月29日から4月12日までに開かれるであろう第三回Meaningful Voteに伴い、以前よりメイ首相の辞任が噂されていましたが、メイ首相は保守党の議員会合で、「協定案が最終的に可決されれば退陣する」と正式に表明しました。
この発言により、ジョンソン前外相を含む離脱推進派の一部議員はこれまでの立場を撤回し、首相の離脱案を支持する意向を同僚らに示唆しています。
しかし、閣外協力する北アイルランドの民主統一党は「首相の離脱案を下院で新たな採決に付す場合、政府を支持しない」としており、メイ首相の協定案が可決される保証は未だにありません。
さらに、バーコウ下院議長は依然として「過去に2度も否決された協定案はその内容が根本的に変わらない限り、3度目の議会採決を提案することはできない」との姿勢を示していることから議会採決の開催そのものを不安視する声があります。
Indicaive Voteを行ったもののBRXITを取り巻く環境は先行きが不透明なことに変わりはなく、第三回Meaningful Vote の結果が今後の展開を大きく左右することになりそうです。