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第185回 「小金持ち老人の余生」

2021年02月01日

株式会社マネーパートナーズ ホームページ寄稿
二〇二一年 二月   行天 豊雄

 新型コロナが最終的にどれだけの経済的・政治的・社会的・文化的な打撃を与えるのか未だ全く判らない。それぞれの国が置かれている環境や対応の仕方で大きく違うであろうことは確かである。日本人は握手やハグをせず、離れてお辞儀するから感染率が低いという話もあれば、政府が優柔不断でGO TOだかGO BACKだか判らないという声もある。
 しかし、真面目な話、日本にとってコロナ発生のタイミングが人一倍悪かったことは否定できない。一九九〇年代のバブル崩壊後の長い停滞の中で、日本経済の宿痾が少子高齢化と財政の破綻であることは明らかになっていた。そしてこの課題が両方共すぐれて構造的であり、解決のためには長期に亘る忍耐強い、国民的合意に基づいた政策が必要であることも明らかであった。
 今にして思えば、二〇一二年から八年近く続いた第二次安倍内閣はこのような長期的課題に取組む稀有のチャンスであった。しかし実際には解散の脅しが繰返される中で、議員達には腰を据えて長期的課題に取組まねばならないという使命感はゼロであった。せめて前政権時代に生まれていた「税と社会保障の一体改革」に関する与野党合意を一歩でも二歩でも前進させる努力が行われていれば兎に角、合意そのものも忘れられてしまった。二〇二〇年安定政権は霧散し、コロナが襲って舞台は暗転した。政財官の全員が定見もなく目先のバラまきに奔走している感じである。慌てふためているのが日本だけではないのはその通りである。とくに欧州諸国の狼狽ぶりは目も当てられないという状況である。
 しかし忘れてならないのは、日本はスタート地点からだいぶ遅れていたという事実である。コロナが襲った時、日本はG7の中で財政は最悪であり、成長率は最低だった。日本はそもそもハンデを負っていた。
 今後の回復過程がどうなるのか、変型ウイルスやワクチンがどうなるか、現時点では判らないことが多すぎる。しかし、残念ながら日本が特に有利な地位にあるとは思えない。最大の問題は、日本が長期的課題に正面から立ち向かって行こうという国民的な活力を失ってしまったのではないかと見えることである。政府、政党、企業、大学、個人のレベルで「変らねばならない。変ろう。」という熱気が感じられない。
 もしそうならば、日本は小金を持った老人としてどういう余生を送るかという新しい生き方を模索しなければならないだろう。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


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