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第144回 「有事の円高」

2017年09月01日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2017年 9月

 このところ国際金融情勢は不思議な程静かである。つい1、2ヶ月前迄はFEDが堅調な景気回復を背景に、利上げと資産圧縮を本格的に開始するだろうという強気の観測が優勢だった。そうなると、ECBのドラギ総裁もいよいよ来春からの出口戦略を予告するだろう。日銀も何時迄も出口について黙っているわけにも行かなくなるのではないか。途上国はまたぞろ資本流出を心配しなければならなくなる、等々の憶測が市場を飛び交わっていた。

 ところが最近はすっかり様変わりである。イエレンもドラギも当面の金融政策についてはすっかり具体性が無くなり、中央銀行とは余り関係の無いような話ばかりしている。日銀は相変わらず前にも後にも、上にも下にも動けない仮死状態である。世界的にマクロ経済は拡大してはいるが、熱気を感じさせるような雰囲気は無い。どうも最近の世界の中央銀行の大人しさを見ると、「いま世界経済にとって一番大事なのは中央銀行ではない」という醒めた想いがあるようだ。その通りだろう。

 しかし、世界が静かな訳では決してないのである。米国で、中国で、アジアで、中東で、欧州で、成行きによっては世界史を動かすかも知れないような出来事がうようよしている。金融市場の静けさがむしろ不気味な感じさえするが、市場参加者にとって見れば、何か起こるかも知れないが、さりとて動きようがないというのが本音だろう。

 「有事の円高」という言葉がある。国際的に何か地政学的な混乱が起ると円が買われると云うのである。正直云ってこれ程論理的な説得力に欠けた言葉はないと思えるのだが、一般的な解説は「地政学的な有事になると、相対的に政治的にも経済的にも安定している日本が評価されて、円が買われる」ということで、多くの日本人はそれに納得しているらしいのである。現に、自己達成的予言の典型で「有事の円高」が発生することが珍しくない。

 しかし、「有事の円高」を信じている人は2つの前提に立っている。第一は、「有事」とは日本に関係のない「有事」だということであり、第二は、この言葉は日本への褒め言葉ではないと思っていることである。

 こういう心理が日本人の間に定着してしまうことに私はいささかの不安を憶える。第一に、我々は有事が日本にも起り得ることを忘れてはいけない。第二に、我々は自国通貨の為替相場について、何時でも長期的視野に立った政策判断を忘れないようにしなければならないからである。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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