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第166回 「もっと偉大な国になろう!」

2019年07月01日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2019年 7月

 アメリカの大統領選挙戦がいよいよ本格化してきた。投票迄まだ16ヶ月もある長丁場で、土壇場迄何が起るか判らないのが常だが、これがアメリカという国を最も良く象徴するイベントであることは間違いない。

 トランプは再選を目指す現職として当然であるが、まずは第一期中に果した公約の自画自賛である。曰く、減税による好景気の維持、規制撤廃、エネルギー生産の自由化、保守派最高裁判事の任命、軍事力の再構築等々である。この結果「アメリカを再び偉大な国にしよう!」というスローガンは達成されたという彼の主張は、2016年の選挙でヒラリー・クリントンを破った低学歴の白人労働者を中心とする岩盤的熱狂的支持者達には受け入れられており、このグループの結束はますます強くなっている。したがって、予想外に強力な民主党候補が登場しない限り、トランプ再選だという予想が目下の所アメリカ国内では有力なのである。

 しかし、異論も多い。まず、トランプが達成した公約は、内容的には、むしろトランプ的特色の少ないものである。他方で、トランプ政策の神髄とも云うべきオバマ・ケア制度の廃棄、多国間貿易協調体制から二国間交渉体制への転換、メキシコからの不法移民の封鎖等は実現できなかった。

 それともう一つの課題は熱狂的支持層の団結は益々強固になっているのだが、同時に高学歴白人女性を中心とする生理的なトランプ嫌悪層の団結もますます強くなっている。つまり、トランプに対するアメリカ有権者の二極化が進行しているということであり、そのため全有権者における支持率は40%前後で停滞して改善しない。

 残り一年の間に積み残した公約を実現することは、議会の状況を考えると難しいと云わざるをえないだろう。そうすると、残された手段は二期目に向けた新しい公約を掲げて有権者の期待を盛り上げるということになる。トランプ第一期にアメリカの有権者が発見したのは、この大統領は、良かれ悪しかれ、他の大統領には出来ない、あるいは他の大統領はやらないことをやる大統領だということだった。その期待を再燃することができれば、「トランプにもう一回やらせてみよう」ということになるのであろう。その期待になりうるのは「アメリカをもっと偉大な国にしよう!」というテーマであり、国際競争力を強化するような税制、教育、行政面での改革があるだろう。

 忘れてはならないのは、2020年の大統領選挙はアメリカという国の性格を方向付ける大事な出来事になるだろうということである。民主党候補は20人近くが乱立しているが、彼等の政策に共通するのは弱者救済とそのために必要となる大きな政府である。国民皆保険、大企業・富裕層への増税、学生ローンの返済免除、移民受入れ規制の緩和等の政策は実現されればアメリカをリベラルで協調的でポスト冷戦的な民主主義国にするかも知れない。それに対してトランプ共和党の政策はアメリカ建国の理念の残照を漂わせる小さな政府と自助を訴えるものである。

 アメリカがどちらの道を選ぶかは21世紀における対中国の戦略にも日欧等の同盟国への政策にも深く関わることになる。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


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