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第106回 「金融規制の行方」

2014年07月01日

株式会社マネーパートナーズホームページ寄稿 2014年7月


 外国為替を含めて金融という世界はここ20年余りの間に歴史的な変化を経験した。一つはその規模が無茶苦茶に大きくなったことである。第二次大戦が終った時には数千億ドルしかなかった世界の金融資産は今では300兆ドルに達すると云われている。世界経済における金融の役割が格段に大きくなったのである。二つは金融という行為が無性格なものになったことである。歴史的に云って金融というのは、貸借にせよ投資にせよ、当事者同士が対面して事が運ばれるのが原則だった。ところが、金融工学技術が発達してありとあらゆる経済現象が商品化されて金融派生商品として取引されるようになる。さらに、証券化という手段で無数の原取引が集中され、混合され、分割化され、均質な商品として世界中で売り捌かれることになった。その限りにおいて金融とは対面性を失った無機質の行為に変ったのである。


 このような新しい環境の中で、人々が高利を求めて狂奔すれば当然バブルが生まれ、それが破裂する。グローバル化した市場でその被害は一瞬のうちに全世界に伝播する。2008年のリーマン・ショック後の世界金融危機とはまさにそういうことだったのである。


 危機発生後当然のことながら金融規制強化の動きが世界中に広がって現在も続いている。米国でのドッド・フランク法の成立、BIS、G20、FED、ECB等さまざまな場でさまざまな対策が検討されている。危機の再発をどう防ぐか、危機が発生したらどう対応するかが焦点である。


 しかし、規制強化は何らかの形で金融機関の業務や金融活動に制約を加えるわけだから当然業界からの反発が起り、政治的な反響を生ずる。その結果、妥協や修正が行われると規制の体様は複雑になり抜け穴も生じて結局効果が削減されるということになる。


 そもそも金融という営みが巨大化し複雑化しているのだから、こういう事態はむしろ当然であろう。複雑多岐をきわめるようになった金融行為のすべてにきめ細かく、公平で効果のある規制の網をかぶせようというのがそもそも無理な話なのである。最近の規制論議を見ると次第にそれが明らかになっているように思う。


 とすると、行き着く所は、画一的で単純明快な量的規制ということだろう。要するに金融機関のバランス・シートや業容が大きくなり過ぎないようにするということである。具体的に思い付くのは、資本比率の要請をどんどん高めてリスク資産の増大を押えるか、金融取引税を導入して金融取引の拡大を抑制するということだろう。たしかに効果はあるかも知れない。しかし、そもそも問題の元凶である国際的過剰流動性と行き過ぎた利潤追求をそのままにして金融機関に「変われ」と云っても上手く行かないだろう。しかし、グラス・スティーガル法撤廃から30年で金融自由化の振り子が向きを換えるのは面白い。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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