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第116回 「現実と向き合う勇気」

2015年05月01日

株式会社マネーパートナーズホームページ寄稿 2015年5月


 中国が主導するAIIBに参加すべきかどうか、議論百出である。3月末を過ぎて、原加盟国として参加する機会はすでに放棄したわけだから、ゆっくり考えたら良いだろう。新銀行の運営が公正・透明に行なわれるか、銀行として経営の採算がとれるのか、安心できないという懸念はその通りである。しかし、そういうことは銀行が始まってみないと判らないことだし、外にいて見ているだけではそのプロセスに参加できないということになる。軌道に乗ったら参加するというのも一つの考えではあるが、発言力は与えられないだろう。


 一連の動きの中で印象的なのは、アジアでも世界でも、日本がAIIBに参加するか、しないかという話が殆ど話題にならなかったことである。おそらくその原因は、日本は当然米国と同一歩調をとるだろうと皆が思っていたからだろう。実際その通りだった。


 アジア大洋州・欧州の50数ヶ国が雪崩れをうつように参加したのは、米国にとっても日本にとってもショックだった。中国も驚いたらしい。


 AIIB自体が軌道に乗るのはしばらく先だろうから、今直ぐどうということではないが、日本として注意しなければならないのは、この一件が意に反して日本の「脱亜入米」の象徴であると見なされてしまわないかということだろう。


 いま日本にとって非常に大事なのは、日本がアジアの中での自分の立場をどのように理解しているか、その上でアジアとどう向き合おうとしているかについて、明快に発信することだろう。


 そこで日本人がまず納得しなければならないのは、日本はアジアで米国と中国という2人の横綱の間にいる大関だという事実である。日本は単独でアジアを主導する力を持っていない。日本はアジアの中の諸勢力、つまり米国、中国、韓国、インド、アセアンなどが織りなす複雑な関係の中で生き延びて行かなければならない。それはいくつもの方程式を同時に解くような難しい作業である。ヨーロッパの国々はもう何百年にも亘ってそういう歴史を生き抜いて来たんだが、日本は幸か不幸かそれを知らない。


 大国としての力をつけてきた中国の外交姿勢は新しい段階に入った。今迄の「韜光養晦」戦術を卒業して、「中国は指導的大国として国際的責任を果している」と胸を張って主張するようになった。AIIBは正にその第一歩ということである。第二歩、第三歩が続くだろう。当然米国はそれに反応する。多くのアジアの国は、TPPがそれに当ると思っている。


 日本は今迄以上に、自国の利害を広く深い視野で俯瞰しなければならなくなる。そしてそのための第一歩は、自らの置かれている現実と向かい合う勇気を持つことだろう。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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