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第123回 「勘違い」

2015年12月01日

株式会社マネーパートナーズホームページ寄稿 2015年12月


 2013年11月に発表された習近平の中国経済構造改革計画は画期的なものだった。それに先立つ30年間を主導した鄧小平路線は、共産党独裁体制の堅持と資本主義的利益追求の解放の組合わせで驚異的な発展をなしとげ、中国を世界第二の経済大国にのし上げた。


 しかし、投資と輸出に偏重した成長モデルは深刻な資源配分の歪みをもたらした。供給過剰、一次産品市場混乱、国際収支不均衡激化、汚職蔓延、格差拡大、環境破壊、資産バブル等々の弊害を生じた。鄧小平路線は賞味期限が切れたのである。


 習近平改革案が国際的な関心と期待を集めたのは、それが国家資本主義を卒業して、民主主義的市場経済を指向しはじめたのではないかと考えられたからであった。市場の尊重、国営から民営へ、金融や通貨の自由化、都市化の促進、地方政治の改善、汚職撲滅、環境改善等々のスローガンは正にそういう期待を膨らませるものだった。


 2年経った現時点での評価は、どうやら世界は勘違いをしていたらしいということである。たしかに、多方面で改革や自由化が行なわれている。しかし、非常にはっきりしていることは、そういう改革や自由化の目標は中国を強大な覇者として確立することであり、欧米モデルへの接近ということでは全くない。そのため、共産党独裁下の国家資本主義という骨格を変更しようという意図はさらさらないのである。


 国内が投資過剰なことは明らかである。しかし世界中、とくに途上国には膨大なインフラ投資需要があり、どの企業がそこで主導権をとるかは今後の主要工業国間の優劣を決める重要な契機となる。習近平政権はAIIB、一路一帯構想、シルクロード基金、BRICS投資銀行等の構想を次々にスタートさせて先手をとろうとしている。その上で、国家開発銀行等の国有銀行を通じて国内貯蓄の投資資金化を推進するとともに、高速鉄道、航空機、原子力発電、等々のインフラ分野を握る国有企業を合併や改革によって一層強大で国際競争力を持ったグローバル企業に育てている。つまり、国家資本主義はグローバルな市場での競争に勝つための武器として復活・強化されているということなのだ。


 面白いことに、習近平路線は同時に、まだ星雲状態にある未開拓の産業分野、たとえばIT・金融・各種サービスに関しては驚く程大胆に規制を撤廃して、民間企業にリスクをとらせている。まさに「やってみなはれ」である。


 国退民進でも国進民退でもない、国進民進とでも云える習近平路線は成功するのだろうか。国内の反対勢力の制圧はほぼ完了し、習近平政権の政治的権威は確立したように見える。次の最大の課題は適度の成長を維持して「小康」を達成できるかであろう。そして、その先にある歴史的テーマは、小康を達成した13億人が自由とか人権とかいう価値観をどう思うのか、あるいは、小康を達成できなかった13億人がその不満をどう表現するのかということだ。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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